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NEW PRODUCTS TESTREPORT

日立製作所
PriusDeck 770C 770C5SVP
デュアルドライブ搭載のマルチメディアデスクトップPC
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano


DVD-RAM/RとCD-R/RWの2つのドライブを装備。インターフェイスは本体前面、背面ともに数多く備える
 日立製作所のPriusDeck 770Cシリーズは、同770A、770Bと続いてきた同社のマルチメディア機能強化型デスクトップマシンの最新機種にあたる。同シリーズは以前よりIntelとAMD、双方のCPUを搭載した製品をラインナップしている点も特徴だが、今回紹介するのはPentium 4 1.7GHzを搭載した「770C5SVP」だ。

 本機のボディは従来機種である770Bのデザインを踏襲したものであり、フロントパネルに機種名などは表記されていないため、一目見ただけでは770Bとの見分けは付かない。省スペース機というにはかなり大きく、かつ重いボディは相変わらず頑丈そうな印象を受ける。

 光学ドライブは従来同様2基搭載している。構成も従来と同じで、DVD-RAM/RとCD-R/RWドライブという組み合わせだ。本機のDVD-RAM/RドライブはCD-R/RWへの書き込み機能を持たないため、この2つを搭載することによるメリットは大きい。なお、CD-R/RWドライブについては従来24倍速書き込みだったものが32倍速タイプへと強化されている。

多機能な本機だが、マザーボードはシンプル。写真では取り外しているが、PCIカードはライザーカードに装着する
 前述のとおり、CPUはPentium 4 1.7GHzだが、チップセットは従来のIntel 845からSiS650へと変更になっている。メモリはPC2100対応のDDR SDRAMで、容量は512MBと非常に贅沢な仕様だ。ビデオチップはSiS650内蔵のビデオ機能が利用されており、インターフェイスはDVI-DとアナログRGBのデュアル出力になる。なお、付属の液晶ディスプレイとはもちろんDVI-Dによるデジタル接続だ。

 液晶ディスプレイはXGA表示に対応した15型のもので、本体を操作するリモコンの赤外線受光部とUSBハブ、それにステレオスピーカーもあわせて搭載される。パネルはピュアカラー液晶と呼ばれる広視野角タイプで、ラスターパネルという樹脂パネルが装着されている。これは液晶の保護と視認性の向上を図るもので、テレビの平面ブラウン管のような平滑性と透明感を得られるという特性を持つ。反射が気になる場合は取り外して使用することもできる。

 テレビキャプチャカードは770AからハードウェアMPEG-2エンコーダ搭載タイプとなっていたが、今回から設計が変更された。とはいえ、ハードウェアエンコーダを搭載しているという点では従来と変わらず、テレビ視聴・録画ソフト「Prius Navistation」の操作性なども変更されていないため、従来機のユーザーでも違和感なく扱うことができるだろう。

テレビ視聴/録画ソフトであるPrius Navistationの画面デザインは従来どおりとなっている
 一方、動画編集ソフトはジャストシステムのMegaVi DV2が新たに採用された。このソフトを使えば録画したMPEG-2ファイルをダイレクトに編集可能で、これに加えて新たに付属となったNeoDVD standardによってDVD-Videoのオーサリングも行なえる。編集の必要がない場合にはPrius Navistationのライブラリから直接NeoDVDのムービーリストにキャプチャ結果を追加することや、NeoDVDでIEEE 1394経由のDVキャプチャから直接オーサリングを行なうことが可能であるため、従来に比べてDVD-Videoの作成は大幅に簡略化されたと言える。

 今回の770C5SVPは、ハードウェアの変更よりもソフト面での強化が目立つ。とくにMPEG-2編集/DVDオーサリング関連についてはかなり使いやすくなっているので、DVD制作を考える人にはなかなか魅力的な製品となるはずだ。

・製品名:PriusDeck 770C 770C5SVP
・標準価格:オープン(実売320,000円前後)
・問い合わせ先:株式会社日立製作所
・TEL:0120-2580-91(HCAセンタ)
・URL:http://www.hitachi.co.jp/
・CPU:Pentium 4 1.7GHz
・チップセット:SiS650
・メモリ(最大):PC2100 DDR SDRAM 512MB(1GB)
・HDD:80GB(Ultra ATA/100)
・FDD:なし
・DVD-RAM/Rドライブ:DVD-R書き込み等倍速、DVD-RAM書き換え最大2倍速、DVD-ROM読み出し最大6倍速、CD-ROM読み出し最大24倍速
・CD-R/RWドライブ:CD-R書き込み最大32倍速、CD-RW書き換え最大10倍速、CD-ROM/R読み出し最大40倍速、CD-RW読み出し最大32倍速
・ビデオチップ:SiS650内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共有(標準16MB)
・ディスプレイ:15型スーパーピュアカラー液晶
・最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
・サウンドチップ:AC'97 CODEC
・モデム:56kbps(V.90対応)
・キーボード:109キー(USB接続)
・内部拡張スロット(空き):PCI×2(1)
▼外部インターフェイス
 ・本体前面部:USB×2、IEEE 1394(S400、4ピン)×1、S/PDIF(光ミニ)/ヘッドホン×1、
 ・マイク×1、PCMCIA Type2×2(Type3×1、CardBus対応)
 ・本体背面部:USB×3、IEEE 1394(S400、6ピン)×1、ディスプレイ(D-Sub 15ピン)×1、ディスプレイ(DVI-D)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、スピーカー×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、モデム(RJ-11)×1
 ・テレビチューナーカード部:S-VIDEO IN×1、VIDEO IN×1、LINE IN×1、テレビアンテナ(F型コネクタ)×1
・本体サイズ(W×D×H):105×339×367mm
・重量:9.3kg
・OS:Windows XP Home Edition
・付属ソフト:Prius Navistation、MegaVi DV2など

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□日立のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□製品情報
http://prius.hitachi.co.jp/go/prius/pc/2002may/770c/main.html

(2002年5月30日)


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