XP7210DEをもって登場した“ドイツの藤原紀香”ことベローナさん。ドイツ国内でのCMに出演するということで、TV局の取材陣も多数押し掛けていた |
会場:Hannover Messe
会期:3月13日~20日(現地時間)
本体サイズが225×152×28mm(幅×奥行き×高さ)という小型ノート。大きさとしては、同社のInterlinkシリーズや、CASSIOPEIA FIVAなどに近い。重量は標準バッテリーをつけた状態で875gと、かなり軽量に仕上がっている。
上位モデルとなるMP-XP7210DEでは、CPUにモバイルPentium III 750MHzを搭載している点も大きな特徴。下位モデル「MP-XP3210」ではCeleron 650MHzを搭載する。DVカメラなどの大容量データを有効に活用できる携帯PCとして設計したため、小型でも十分な処理能力を備えたCPUを搭載したという。
メモリも「7210DE」は標準で256MBを搭載(最大384MB)。HDDは2.5インチの30GBを搭載するなど、モバイル機としては十分なポテンシャルを備えている。
さらに、液晶ディスプレイは8.9インチの1,024×600ドット表示低温ポリシリコンTFT液晶を搭載する。「Interlink C304」などにも搭載されている、高精細な低温ポリシリコンTFTであり、その液晶表示の美しさは大きな魅力。
インターフェイスも充実しており、Type2のPCカードスロットとSDメモリーカード専用スロットを各1スロットずつ搭載。IEEE 1394(MP-XP7210DEのみ)や100BASE-TX対応Ethernetのほか、2基のUSBなども装備している。残念ながら無線LAN機能を内蔵する予定はないということだ。
バッテリは標準で2時間。大容量タイプを増設することで12時間の駆動が可能。標準タイプでの駆動時間がやや短めに感じるが、これは日常的な携帯性を重視したためという。
また、発熱の多い高速CPUを搭載する関係で、ボディー底面は穴だらけになっており、通気による放熱効果を重視した設計になっているが、その部分もきちんとデザインされているため、機能一点張りになっていない点が好ましい。
小型ノートでは、どうしてもキーボード配列やキータッチにしわ寄せが来てしまいがちだが、本機はInterlinkシリーズの小型キーボードをベースに、剛性感をさらに高めることで、比較的良好な感触を実現したという。ポインティングデバイスは、トラックポイントを採用している。
ただ、正直なところ、せっかくJVCが開発したのなら、AV系メーカーらしさがもう少し感じられる機能があってもいいかな? と思ってしまう。もっとも、このあたりはプリインストールソフトなどで特徴づけができる部分なので、発売時の展開が期待される。できれば次期モデルでは無線LAN機能の内蔵化や標準バッテリーの駆動時間延長(最低3時間前後)も期待したいところだ。
なお、ドイツでの価格は、「MP-XP7210DE」が2,800ユーロ(1ユーロ=約116円 3月15日現在)、下位モデルの「MP-XP3210」では2,300ユーロを予定している。これはドイツ国内での価格のため、約15%の内税込みのものだ。ドイツでは今夏の発売が予定されているが、日本国内での発売については未定。
□CeBIT 2002のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/homepage_e/
(2002年3月15日)
[Reported by 山田久美夫]