NEW PRODUCTS TESTREPORT |
アドビ システムズ | ||
Premiere LE | ||
定番ビデオ編集ソフトのビギナー向けバージョン | ||
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
インターフェイスはフルセット版のPremiere 6.0と共通で操作性もほとんど変わらない。将来フルセット版にステップアップしたいユーザーも安心だ(画面ははめ込み合成) |
フルセット版のPremiereはすでにバージョン6.0となっており、DVキャプチャ機能もサポートされるなど、最近のソフトにふさわしい機能が搭載されている。対してLE版は、なかなか6.0相当へのバージョンアップが行なわれず、これまでDVキャプチャが利用できない状態が続いていた。今回のバージョンアップで、やっとこの機能を備え、時代に即したLE版になったというわけだ。
Premiere LEのユーザーインターフェイスは、フルセット版のPremiere 6.0とほとんど変わらない。画面を少し見ただけでは、区別が付かないくらいだ。もちろん操作性も同じで、編集画面は上位ソフトに多く見られるタイムライン方式となる。このタイムラインでも、6.0から導入されたシングルライン編集と、5.1以前のオーソドックスなA/Bライン編集の二通りのタイムライン形式が利用できる点はフルセット版と同等だ。
一方、フルセット版との差異は、Premiereの中でもどちらかと言えば上級者向けの機能に集中している。たとえばDVキャプチャ自体はLEでもサポートされるが、あらかじめ指定した複数範囲を一気にキャプチャする「バッチキャプチャ」機能は省略された。一連の操作を複数のムービーに対して適用する「バッチ機能」、操作履歴を記録する「ヒストリーパレット機能」なども省略の対象となっている。
中、初級者層にとっても、やや影響が大きいと考えられるのが、動画にモザイクやぼかしといった効果を加える「ビデオフィルタ」が省略された点だろう。ビデオフィルタは動画に変化を加えたりするのに効果的なため、少数でもよいから利用できるようにしてほしかったところ。また、場面転換の際に効果を加える「トランジション効果」は利用できるが、その数量はフルセット版の1/5に減らされている。
機能的にもPremiere 6.0を踏襲しているが、その中でもDVフォーマットのネイティブ編集に対応した点がポイントとなる | DVキャプチャでは、Premiere LEからDV機器のコントロールはできるものの、6.0が持つバッチキャプチャ機能は省略されている(画面ははめ込み合成) |
Microsoft DV AVIファイル(Type-1)の出力に対応する。一般のAVIのように2GBのサイズ制限を持たないので、サイズが大きくなりがちなDV編集でも問題はない |
だがビデオ編集も少し慣れると、初心者向けソフトの懇切ていねいなガイダンスも、逆に過剰でうるさく感じられがちだ。筆者としては最初からPremiereのような上級者向けユーザーインターフェイスに触れるのも悪くないように思う。
LE版からフルセット版へのアップグレードも50,000円を支払うことで可能となるので、編集に慣れたら機能強化することもできる。これから本格的にビデオ編集に取り組んでみたいと思っている人には、かなり魅力的なソフトと言えるのではないだろうか。
・製品名:Premiere LE
・標準価格:オープン(アドビストア提供価格9,800円)
・問い合わせ先:アドビ システムズ株式会社
・TEL:03-5350-0407(カスタマーインフォメーションセンター)
・URL:http://www.adobe.co.jp/
・対応OS:Windows XP/Me/2000
・動作環境
・CPU:Pentium II 300MHz以上
・メモリ:64MB以上(128MB以上推奨)
・HDD:85MB以上の空き容量
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□アドビ システムズのホームページ
http://www.adobe.co.jp/
□製品情報
http://www.adobe.co.jp/products/premierele/
□関連記事
【2月4日】アドビ、動画編集ソフトのエントリー版「Premiere LE」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0204/adobe.htm