CeBIT 2002 Hannover 前日レポート

Logitechが2002年度の新製品を発表
~Palmのソフトケース型キーボードや、コードレスプレゼンターなど

会場:Hannover Messe
会期:3月13日~20日(現地時間)



 日本ではLogicool(ロジクール)ブランドを展開するLogitechは、CeBIT開幕を翌日に控える12日(現地時間)にプレス向けカンファレンスを開催し、2002年度の新製品を発表した。前年のマーケティング資料などを参照しながら、さらなる成長のカギをピックアップ。市場のニーズに応える形でコードレス製品をさらに充実させ、Palm向けキーボードや、ハイエンド向けPCスピーカーシステムなどをラインナップに追加する。


●Bluetooth搭載のプレゼンテーション向けデバイス「Cordless Presenter」

PowerPointの操作だけでなく、レーザーポインターの内蔵など実際のプレゼンテーションの現場を考慮した仕様

 コードレス製品で注目されるのは、プレゼンテーション向けデバイスの「Logitech Cordless Presenter」。こうしたカンファレンスなどではお馴染みの手法で、PowerPointで作成された資料を次々とページをめくりながらスクリーンに映し出すときに利用する機器だ。ときには、講演者の合図に応じて操作を行なうPC操作担当者がいるときもあるが、講演者がリモコンで直接操作するほうが使い勝手が良く、見た目にもスマートに映る。

 これまで、こうしたリモコンには赤外線や特定の省電力ワイヤレス機器などが使われていたが、LogitechはBluetoothを採用した。そのメリットは、赤外線に比べてステージやプレゼンテーションエリアでの死角が少なく、汎用性が高いという点だろう。PCにUSB接続で取り付けるドングル型のBluetoothレシーバーも用意される。

 また、機器の先端にはレーザーポインターが内蔵されているので、スクリーン上を指し示す際にも持ち替える必要がない。さらに底面には光学式マウスと同様のオプティカルトラッキング機能が搭載されているので、机上に置いてマウスとして利用することも可能だ。こうしたサブ機能の充実も含め、現場の事情をよく考えた製品に仕上がっている。

 ちなみに、このカンファレンスも実際に「Logitech Cordless Presenter」が使われていた。ヨーロッパ地域では4月に249ユーロ(ユーロ=約115円 3月13日現在)で販売される予定。

Logitech Cordless Presenter 底面には光学式マウスと同様のオプティカルトラッキング機能が搭載されているので、モード切替でマウスとしても利用可能 USB端子に接続するドングル型のBluetoothレシーバー

 コードレス機器では、ほかにも同社お得意のトラックボール「Codeless TrackMac Optical」が発表されている。こちらは近日中に69ユーロで販売される。

 また、詳細については明らかにされなかったが、昨年Force Feedback機能付きのステアリング・コントローラーで参入したプレイステーション 2向けの周辺機器についても、コードレス製品の投入を予定しているという。これは2.4GHz帯を利用したゲームパッドになる模様だ。

 さらに今年のホリデーシーズンには、コンソールゲーム周辺機器の市場でほかのプラットホームへの参入も予定されている。

「Codeless TrackMac Optical」。ユーザーの評価も高い同社の光学式トラックボールのコードレス版 プレイステーション 2向けの周辺機器に、コードレス製品を追加。ホリデーシーズンには他ゲームプラットホームへの参入も予定 前年、唯一マーケットシェアを落としたジャンル、PC向けスピーカー市場に投入する高級指向の製品「Z-560」。THXブランドも冠して299ユーロで販売


●Palmのソフトケースが、キーボードに早変わりする「KEYCASE」

「KEYCASE」Palm本体を保護するソフトケースを開くと…

 Palmに接続できるキーボードは、折り畳み式など各社がそれぞれに工夫した製品をすでに販売しているが、Logitechはさらにユニークな製品を発表した。

 「KEYCASE」は最近増えているフレキシブルなソフトラバータイプのキーボードを採用し、キーボードとPalm本体の保護ケースを兼ねるものである。これまでも携帯用としてソフトラバータイプのキーボードを見たことはあるが、いずれも収納はくるくる巻いてPalmとは別に持ち運ぶという発想だった。

 さらにKEYCASEは、これまでの携帯用キーボードのように「必要な時に接続する」のではなく、「常時接続した状態で持ち歩く」ことができる構造になっている。そのため、キーボード上には、本来スタイラスペンを使って行なう操作をキーボードだけでもできるように、機能的なキーがいくつも追加されている。

 キーボード本体の技術はElekSenの「ElekTex」を採用した。Logitechと同社はKEYCASEの発売にあたって、戦略的な提携関係を結んでいるという。

 KEYCASEが利用できるPalm本体は、Palm OS 4.0を搭載するm125、m500、m505。149.99ユーロで3月に出荷される予定である。

 なお前出の製品も含めて、この発表はヨーロッパ市場向けのもののため、日本市場における発表や出荷の時期などは未定となっている。

Palm本体はスライドさせて収納と設置が可能。いずれもコネクタを接続したままで行なうことができるため、基本的にKEYCASEを取り外す必要はない キーボード上には数多くのナビゲーションボタンが用意されており、キーボード接続時の操作のほとんどはスタイラスペンを使わずにできるように工夫されている こちらは他社でもほぼ同じ機能をもった製品が発売されているハードケースタイプ。Plam本体を収納することはできない。3月中に129ユーロで出荷の予定

□CeBIT 2002のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/homepage_e/
□Logitechのホームページ(英文)
http://www.logitech.com/
□ElekSenのホームページ(英文)
http://www.eleksen.com/

(2002年3月13日)

[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]


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