CeBIT 2002 Hannover 前日レポート

設営進む会場、多くの新製品がデビュー予定

CeBIT 2002の会場となるHannover Messe

会場:Hannover Messe
会期:3月13日~20日(現地時間)



 世界最大のIT系展示会として知られる「CeBIT 2002」がドイツ ハノーバーのHannover Messeにおいて13日(現地時間)より開幕する。CeBITは世界中からIT関係のベンダーが詰め掛け、その新製品を発表する場として知られており、今年も多くの新製品の発表が期待されている。


●会場内の移動にバスを使うほど広大なHannover Messe

多くの来場者は民家に“ホームステイ”するか、遠くに宿を取りこのようなドイツの新幹線ICEで“痛勤”することになる。このあたりは宿泊施設の整っているところで行なわれる米国の展示会とは好対照

 会場となるHannover Messeはハノーバー市の郊外に位置しているコンベンションセンターで、一昨年は万博も開かれたほど広大で大規模な会場だ。実に27のホールが用意されており、各ホール1つが幕張メッセの展示会場の3区画分ほどもあるのだから、その広大さは日本のコンベンションホールに例えるべくもない。

 例えば、メインの入口は2つあり、1つはドイツの新幹線ICEが直接到着するHannover Messe Lazzen駅に面する13ホール側の入口、さらにもう1つがハノーバー中央駅から路面電車で到着する駅がある1ホール側の入口となっている。この間に、実に13ホールあるのだが、歩くと確実に20分以上はかかる。このため、1ホール側の入口から入った来場者が13ホールに辿りつくまでは、延々と20分は歩きつづける必要がある。雨でも降ろうものならば、確実にやる気が無くなること受けあいだ。そこで、会場内には、シャトルバスが走っており、遠くの会場に移動する場合にはこのシャトルバスを利用する。

 もう1つ来場者を悩ますのが、宿泊施設の問題だ。会場近くやハノーバー市内にも宿泊施設は用意されているが、会期中は1泊5~7万円と非常に高額で、5泊以上必須などの非常に厳しい条件をつけられてしまう。このため、多くの来場者は一般の家庭にホームステイするような形で宿泊するか、非常に遠くの街にホテルをとり毎日電車で通うハメになる。例えば、筆者もハンブルグという非常に遠い街から毎日電車で通う予定になっている。感覚としては、静岡あたりに泊まって毎日ビックサイトに通うようなものだといえばわかりやすいだろうか。


●それでもまた来てしまうCeBIT、今年も様々な新製品が登場

 このように、決して来場者に優しい展示会とはいえないCeBITだが、それでも筆者を始め報道陣や、来場者、さらには展示するメーカーが押しかけるのは、展示会としてのCeBITがそれだけ魅力的であることにほかならない。主催者であるDeutsche Messe AG, Hannoverによれば、今年の出展企業数は約8,000社で、展示面積は425,268平方mにも達しているという。

 今年のPC関連の注目製品だが、Intel、AMDの両CPUメーカーはこのCeBITの会場でなんらかの新しい製品を発表すると見られている。また、OEMメーカー筋の情報によれば、IntelはOEMメーカーに対して同社が5月に発表する予定の「Intel845E」(コードネームBrookdale-E)、「Intel845G」(Brookdale-G)、「Intel850E」(Tehama-E)の3製品を搭載したマザーボードの展示を許可しているという。このため、各マザーボードメーカーはこれらのチップセットを搭載したマザーボードを展示する可能性が高く、要注目だ。

 また、サードパーティのチップセットベンダも発表会を予定しており、VIA Technologiesが新製品の発表会を行なう予定だ。VIAは2月にDDR333に対応したApollo KT333を既に発表済だが、Pentium 4用の「P4X333」に関する発表をすると見られている。また、DDR400に対応した「KT400」に関するデモも、見ることができるかもしれない。SiSもDDR400に対応したチップセットのデモを予定しており、こちらも要注目だ。さらに、ATI TechnologiesのPentium 4用グラフィックス統合型チップセット「A4」を搭載したマザーボードを展示するベンダもいくつかありそうだ。

 早くも次世代となるBlu-ray Diskの構想が明らかになった書き換え型DVDだが、現在の製品であるDVDーRW、DVD-RAM、DVD+RWに関しても何らかの発表がありそうだ。例えば、1月に開催されたInternational CESで、書き替え型DVDドライブ市場に参入することを明らかにしたTDKが、どのメディアをサポートすることになるのかなど、“今”の製品についてもいくつかの新しい発表がありそうで、期待したい。

 この他にも、PDA、携帯電話、通信機器などでも多くの発表会が行なわれる予定で、今年のCeBITには非常に大きな注目が集まっている。PC WatchではこのCeBITの模様を主にPC系の発表、展示にフォーカスを当ててお伝えしていく他、僚誌ケータイWatchにおいても携帯電話、通信関連の発表・展示についてもお伝えしていく予定だ。

会場内ではトラックが会場横に直接つけて荷物の搬入を行っている 会場では明日の展示会に向けての準備が進む

□CeBIT 2002のホームページ(英文)
http://www.cebit.de/homepage_e/

(2002年3月13日)

[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]


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