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会場:Moscone Center
会期:2月25日~28日(現地時間)
Intelが、同社製品の開発者向けに年に2回開催している開発者会議「Intel Developer Forum(通称IDF)」が、2月25日(現地時間)よりスタートする。IDFは、Intelが新製品や新戦略を発表する場として、さらには将来の製品に関しての解説も行なわれるため、PCの将来を占うイベントとして重要なポジションを占めるまでに成長している。今回もいくつかの重要な発表が行なわれると見られており、要注目のイベントとなりそうだ。
●厳しい経済状況の中、前回と同じ規模で開催されるIDF Spring
前回までIntelのお膝元とも言えるサンノゼのSan Jose Convention Centerで開催されていたIDFだが、今回は隣町(といっても車で1時間ぐらいかかるが)のサンフランシスコへ移動し、Macworld Conference&Expoの会場としても知られるMoscone Centerで開催されることになった(9月9日~12日の日程で開催される予定のIDF Fallでは再びサンノゼへもどることになる)。
Intelによれば、今回のIDFの参加人数は4,000人を超える見通しで、昨年8月に開催されたIDF Fall'01とほぼ同等の規模であるという。IT業界の置かれている厳しい状況を反映して、COMDEX/FALLをはじめとするIT業界関連のコンベンションが大きく参加者を減らしている中で、昨年と同程度を維持しているということは、IT業界のエンジニアにとってIDFは重要なイベントであるということの証明だと言える。
なお、IDFは日本でも行なわれる予定になっており、4月16日~18日の3日間に渡り千葉県浦安市のヒルトン東京ベイで開催される。
●PlumsとモバイルPentium 4-Mの詳細が明らかに
IDFは、毎回Intelの最新製品が発表されたり、御披露目される場としても活用されてきた。今回もいくつかの注目製品が発表されるものと見られている。
初日に行なわれるマイク・フィスター副社長兼エンタープライズプラットフォームグループジェネラルマネージャの基調講演では、これまでコードネーム「Plums」で呼ばれてきた、Xeon用サーバー向け「E7500チップセット」についての発表が行なわれると予想される。これまでXeonチップセットはワークステーション向けのIntel 860しかなかったため、サーバー用途には利用されてこなかった。サーバー向けにはPentium III Xeonが依然としてつかわれてきたのだが、このE7500の登場によりその状況が大きく変わることになる。また、同時に昨年のIDF Fallで発表されたHyper-Threadingテクノロジも、このサーバー向けXeonと一緒に実際に利用されることになる。
もう1つのキープロダクトは、モバイルPentium 4-Mだ。既にIntelは、モバイルPentium 4-MをInternational CESで技術発表をしたほか、第1四半期中に1.5GHz以上のクロックでリリースすることを明らかにしている。第1四半期中のリリースであれば、このモバイルPentium 4-Mに関しても何らかの発表があると考えられ、こちらも要注目と言える。モバイルに関しては27日に予定されているアナンド・チャンドラシーカ副社長兼モバイルプラットフォームグループジェネラルマネージャによる基調講演において、なんらかの発表があるものと見られている。
また、Intelが5月に投入を予定しているIntel 850E、Intel 845E/G/GLなどに関してもリリースが近付いていることもあり、なんらかの説明が行なわれるだろう。特に注目されるのは、2003年にIntelがデスクトップPC向けチップセットでどのメモリをサポートするかということだ。メモリに関するセッションでどのような発表があるのか、大きな注目が集まっている。
●Banias、3GIO、Serial ATAなど2003年以降の技術の詳細も要注目
また、IDFでは将来の新技術についての発表も行なわれる。前回のIDFではHyper-Threadingテクノロジについての発表が行なわれたが、今回のIDFでは主に2003年以降にPCに採用される新技術が解説されるものと見られている。前回のIDFでもわずかながら説明された、モバイル専用CPUの「Banias」に関しても、より詳細が明らかにされるだろう。
前回のIDFで発表されたPCIバスに替わる次世代バスとなる3GIO(3rd Generation I/O)に関してもより詳細が発表される。現在策定中のスペックの候補バージョンなどについても説明され、さらには3GIOを利用した新しいフォームファクタなどについてのデモが行なわれる予定だ。また、次世代IDEインターフェイスとなるSerial ATAには、次世代バージョンとなるSerial ATA IIに関する発表が行なわれる。このSerial ATA IIはサーバーやネットワークストレージなどを接続する用途などに利用されることになる。
●準備が進む会場、明日のクレイグ・バレット社長兼CEOにより基調講演からスタート
すでに会場では、明日の午後の開幕に向けて準備が進んでいる。明日は12時より、クレイグ・バレット社長兼CEOによる基調講演が行なわれ、そこでIntelのPCやコミュニケーションビジネスに関する新技術や新戦略などに関する発表が行なわれる。PC Watchでは、明日以降IDFの模様を順次お伝えしていく予定だ。
徐々に準備が進められている会場。本日は参加登録のみで、実際にスタートするのは明日から |
□Intel Developer Forum Spring 2002のホームページ(英文)
http://www.intel.com/idf/us/spr2002/index.htm
(2002年2月25日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]