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NEW PRODUCTS TESTREPORT

デルコンピュータ
Latitude C400
モバイルPentium III-M 1.2GHzも搭載可能なモバイルノート
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto


ポインティングデバイスはスティック型とタッチパッドのデュアルタイプのためユーザーを選ばない
 低価格かつ高品質なPCで知られるデルコンピュータは、ノートPCのメーカーとしても大きなシェアを持っている。とくにハイエンドノートでは、BTO(Build To Order)による柔軟な構成もさることながら、最新デバイスを他社に先駆けて採用しつつも細かい部分を作り込んだ機種を投入しており、企業ユーザーを中心に人気が高い。

 そうしたデルのビジネス向け最新モデルとなるのが、このLatitude C400シリーズである。最大の特徴は、B5ファイルサイズでありながら、CPUの選択肢としてPentium III-M 866MHzに加え、現在のモバイル向けチップで最高速となる、モバイルPentium III-M 1.2GHzを搭載可能な点だ。

 小型の筐体に高速なCPUを搭載すると、当然のように冷却方法が問題となってくる。いかに低発熱のTualatinコアのPentium III-Mであろうとも、さすがに動作クロックが1.2GHzにも達すると、A4ノート並みの冷却機構が必要となる。


 そのため、本機の筐体設計は、冷却を優先したレイアウトとなっている。多少乱暴な言い方をすれば、大型の冷却機構を搭載し、空冷効率を上げるために設計されたと言っても過言ではない。その構造が垣間見えるのが背面だ。このクラスのノートPCとは思えないほどの大きな冷却口が開けられており、中には高密度なフィンが設置されたヒートシンクが見える。


背面部には、左に大きな冷却口が存在する。このほか、外部ディスプレイや、LANポートなども備える 本体左側面。USBポートが本体後部寄りに見える。本機に装備されるUSBポートはこれ一つだけだ

 このように大きな冷却口が開けられていると、全体としての強度が問題となるが、その対策として、マグネシウム合金の採用や内部フレームの補強をはじめ、外部デザインでも曲線を多用することで衝撃の集中を防ぐなど、強度を確保するための工夫が凝らされている。

本体底面部にはMini PCIスロットが存在し、BTOオプションの無線LANカードはここに装着される
 そうした設計により、本機の筐体はこのモバイルノートとしては、かなりしっかりした仕上がりとなっている。実際に触れてみても、強度不足という印象はまったく感じられない。

 底面には冷却ファンも備えられているが、こうした空冷構造により、CPUに負荷をかけてもほとんど動作しないまでになっている。また動作しても、稼働音はあまり大きくない。深夜の個室など、静かな場所の使用にも堪え得るレベルだ。

 また、チップセットとして、ビデオ機能を統合したIntel 830Mを搭載している点も特徴だ。Intel 830Mのビデオ機能はIntel 815に搭載されたコアの強化版となっており、32bitカラー表示や3D描画の大幅な高速化などを実現している。また、Intel 815では最大512MBだったメモリ容量が1GBにまで拡大されているのも特徴で、BTOでは128MBから1GBまで幅広い選択が可能となっている。


オプションで選択可能な光学ドライブ。CD-ROMドライブだけでなく、DVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブなども選択可能
 さらにもう1つの特徴として、無線LAN用アンテナの内蔵が挙げられる。本機では、Mini PCI接続の内蔵無線LANカードを装着することで、無線LAN内蔵ノートとして活用が可能だ。ただし現在のところ、無線LANカードはBTOでのオプションとなっており、標準装備ではない。なお、光学ドライブは、ホットスワップに対応した外付けの拡張ユニットでの接続となる。

 実際に使ってみた感覚は、発熱に関してもとくに熱がこもるということもなく、狭い車内や飛行機のシートなど厳しい条件でも問題なく使えるレベルだ。また、BIOSまわりの完成度の高さも魅力に感じられる。

 バッテリ駆動時間が公称約2.1時間と、国内メーカーのサブノートと比較してやや短い点、さらにIEEE 1394やコンパクトフラッシュスロットなど、競合製品が実現しているスペックを備えていない点は残念だが、その半面、強力なCPUパワーとタフな筐体がもたらすメリットは大きい。デスクトップ機の代替から本格的モバイルまで、オールマイティにこなせる製品だ。


・製品名:Latitude C400
・標準価格:257,000円(1月31日現在、今回試用した下記の構成において。BTOにより変動)
・問い合わせ先:デルコンピュータ株式会社
・TEL:044-566-6050
・URL:http://www.dell.com/jp/
・CPU:モバイルPentium III-M 1.2GHz
・チップセット:Intel 830M
・メモリ(最大):128MB(1GB)
・HDD:10GB(Ultra ATA/100)
・FDD:なし(オプション)
・CD-ROMドライブ:なし(オプション)
・ビデオチップ:Intel 830M内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共有(最大32MB)
・ディスプレイ:12.1型TFTディスプレイ
・最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
・サウンドチップ:Crystal CS4205
・モデム:56kbps(V.90対応)
・キーボード:87キー
・外部インターフェイス:USB×1、シリアル(D-Sub 9ピン)×1、ディスプレイ(D-Sub 15ピン)×1、ヘッドホン×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、IrDA×1、拡張コネクタ×1、PCMCIA Type2×1(CardBus対応)
・電源:リチウムイオンバッテリおよびAC電源
・バッテリ駆動時間:約2.1時間
・本体サイズ(W×D×H):290×238×26.6mm
・重量:1.63kg
・OS:Windows XP Professional

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□デルのホームページ
http://www.dell.com/jp/
□製品情報
http://www.dell.com/jp/jpn/dhs/products/spec_latit_c400_notebooks.htm


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