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Windows 10はサポート切れ間近!買い替えでお財布が厳しいなら“中古PC”もアリ。今は結構保証もしっかりしてるって知ってた?

写真はドスパラ秋葉原本店の中古PC売り場

 Windows 10の最終バージョンとなる22H2は、2025年10月にサポート期限が切れる。以降は特別な理由がなければセキュリティアップデートなども提供されない。「Windows 10はずっと使い続けられるという話だったじゃないか」という憤りは分かる。しかし近年ますます悪質化するセキュリティリスクへの対策が重要な課題であることを考えると、新しいPCやWindows 11への乗り換えもやむなしといったところだ。

 とは言え最近はインフレが進んだこともあって、新品のPCも値上がりが著しい。どうしたものかな……と悩んでいる人は多いだろう。そんな方におすすめしたいのが、今回紹介する“中古PC”である。「え~中古はちょっと不安だな」という人は多いかもしれない。しかし、中古PCはしかるべきお店を選べば、安心して安く買える有用な手段となるのだ。

 ここでは、どうすれば安心して中古PCを買えるのか、ショップ側がどういったサポートを提供しているのか、実は結構きれいにクリーニングされてから店頭に並んでいることなど、中古PCの今どきの事情を紹介していこう。

トラブルがあっても安心の保証体制をチェック

 中古PCは、業者がユーザーからPCを買い取るなどし、ある程度整備した上で販売しているものだが、中古PCの大きなメリットは「価格が安いこと」だ。発売から時間が経っていて、CPUの世代が多少古いものなら、驚くほど安く購入できることがある。

 もちろんデメリットもある。中古PCは言わば他人が使ったお古だ。どういう風に使用されていたか分からない以上、不安が残る。また新品ではないため、故障しても販売メーカーの保証を受けられない。そういったこともあって、敬遠してしまう人は少なくない。

 そこで、多くの中古PCショップでは、こうした不安に応えるべく、さまざまな保証制度を設けている。中古PCを扱う代表的なショップとして、たとえばドスパラなら、会員登録(無料)することで3カ月の保証が受けられる。さらに購入代金の10%を追加で支払うことで、この保証期間を1年に延ばし、日常的な利用状況でトラブルがあった場合は購入代金の全額返金を受けられる。

中古PCを扱っている各ショップでは、保証内容をWebサイトから確認できるようにしている。その中でもドスパラは「中古PCや中古PCパーツ用の保証プラン」を用意している

 ツクモでは、新品PCとほぼ同じ内容の延長保証制度を設けており、購入金額に応じた保証金を支払うことで、3年間の延長保証を受けられる。保証金は、たとえば7万7,000円~8万7,999円で購入した中古PCなら4,400円となり、保証内容は主に修理代金の割引だ。

 ソフマップでは、商品到着から10日間、トラブルがあった場合は購入代金の全額返金が受けられる。またポイントカード会員向けには保証期間が3年間の「スタンダードプラン」、プレミアムCLUB会員向けには「プレミアムプラン」といった有料の保証サービスを用意する。いずれもPCの修理費用を対象としており、原則的には修理費用の自己負担分を30%までに抑えられる。

ツクモでは新品PCと同様、ショップ独自の延長保証に加入できる

 ツクモやソフマップでは、中古PCであっても3年の長期保証が受けられること、万が一トラブルが起きた際に、修理代金を安く抑えられることが特徴となる。

 ドスパラの保証期間は1年までとやや短めではあるが、購入代金の全額返金に対応している。中古PCでは同等品に交換したり、発売年度によっては修理も難しいことを考えると、この全額返金は現実的な対応と言える。

外観はもちろん内部もきちんとクリーニングされている

 もう1つ、中古PCで避けられないのが経年劣化だ。一昔前の秋葉原の裏通りでは、パームレストや天板カバーの保護材が剥がれてつるつるになったり、キートップの文字が薄くなったりしている年季の入った中古PCを見かけることが珍しくなかった。

 ただ、こういった中古PCは、最近ではそうそう見かけなくなっている。特に前述したドスパラ、ツクモ、ソフマップと言った中古PCを大規模に扱っているショップの店頭では、かなりキレイな状態のPCが並んでいる。

 というのも中古PCを扱う大手ショップでは、買い取りしたPCをクリーニングする設備を用意しており、外観の目立つ汚れはもちろん、ノートPC内部のファンや通気口などもきちんとキレイにしているからだ。

古いノートPCだと、外観はキレイでも通風口の奥にあるヒートシンクにホコリが溜まり、冷却性能が十分ではないこともある

 ドスパラで中古PCなどを担当している黒田貴嗣氏に話を聞いたところ、「弊社では各買い取り拠点にクリーニング施設を置いているほか、ネット経由で買い取りしたPCについては、再生工場などでクリーニングを行なっています」という。

今回はドスパラを運営する株式会社サードウェーブの営業統括本部、商品本部商品2部部長の黒田貴嗣氏にお話をうかがった

 また各ショップで販売されている中古PCの中には、「再生PC」というものもある。これはメーカー自身が引き取ったり、各ショップに持ち込まれた中古PCを、再生工場でクリーニングやメンテナンスを行なって改めて販売されるPCのことだ。

 筆者もそうした再生工場での作業を見学したことがあるが、近代的な設備で内部までキレイにクリーニングしており、仕上がりは非常に美しかった。前述の各中古PCショップでメンテナンスされた中古PCと同様、安心できる選択肢と言える。

 こうしたクリーニングやメンテナンスが徹底された中古PCや再生PCが一般化したこともあって、現物を確認できないネット通販で購入しても、不満を感じることは少なくなってきている。もちろんネット販売ならどんな中古PCでも大丈夫、というわけではないので注意は必要だ。保証体制やメンテナンスの内容はよく確認したい。

中古PCを扱う各ショップでは、店頭のほかインターネット通販でも中古PCを購入できる

 中古PCショップのほかにも、オークションサイトなどで直接やり取りする方法もある。ただ、個人間ではPCの状況を確認することが難しく、面倒なトラブルになる可能性がないわけではない。

 そうしたリスクを考えると、安心して中古PCを購入するなら、保証体制やメンテナンスをきちんと行なっていることを明記している大手の中古PCショップが最有力だ。

中古PCの売れ筋は? CPUはWindows 11への対応が重要

 中古PCショップではどのようなスペックのPCが売れ筋なのか、前述の黒田氏に聞いてみた。

黒田氏によると、中古PCはCore i5やRyzen 5プロセッサを搭載するような、価格対性能比でバランスの取れたものが人気のようだ

 まずCPUについては、「Intelなら第8世代Coreシリーズ以降、AMDのデスクトップPC向けならRyzen 2000シリーズ、ノートPC向けCPUならRyzen 3000シリーズ以降のCPUを搭載しているモデルが売れ筋」(黒田氏)とのことだ。

 これは単純な話で、これ以上世代が古いCPUを搭載するPCではWindows 11が利用できないからである。また、取材時に訪れたドスパラ秋葉原本店の店頭の中古PCは、おおむねWindows 11へのアップグレードが行なわれた状態で販売されていた。

 そしてグレードで聞いてみると、「Core i5やRyzen 5シリーズを搭載する中堅モデルの売れ行きがいい」(黒田氏)そうだ。上位のCore i7/i9シリーズやRyzen 7/9シリーズを搭載するモデルと比べると比較的安い上、Web会議や一般的なビジネス業務なら快適にこなせるところが評価されているのだという。

Microsoftは、Windows 11が動作するCPUのリストを公開している

 メインメモリは、今後しばらく使うことを考えると16GBは欲しいというユーザーが多いようだ。ただし16GBを搭載するモデルが主流になったのは、ここ1、2年のことで、古い中古ノートPCの場合、まだ8GB搭載モデルは多い。ノートPCではメモリの増設が難しいため、購入時によくチェックしたい。

 一方、デスクトップPCではメモリ増設が容易ということもあって、「標準状態が8GBのモデルでも基本的には16GBに増設していることも多い」(黒田氏)ということだ。

最近のノートPCでは、ユーザーがメモリを自由に拡張できるノートPCは少なくなっている

 ストレージについては、「ビジネス業務が主体なら256~512GBのSSDが積まれていれば十分」(黒田氏)とのことだ。個人的にもこの感覚は納得できる。とは言えPCゲームや動画編集も考えているなら1TBは欲しくなるが……。拡張が容易なデスクトップPCでは、メモリと同様にこうした「最適容量」に変更して販売されているという。

 ノートPCではメモリと同様、ストレージは拡張しにくいスペックではあるので、やはり購入前の確認が重要になる。ただしメモリと違って外付けのSSD/HDDを使えば、ファイルの保存容量を補うことは可能だ。

PCが搭載するストレージは、HDDからSSDに移り変わった

 ディスプレイのサイズや、ノートPC自体の重量は、用途によって考えたい。自宅やオフィス以外では利用しないなら、15型クラスのホームノートPCでも問題はない。黒田氏によれば、ノートPCに関しては13型前後のモバイルノートが人気だという。

 持ち運びの機会が多いなら確かに13型クラスのモバイルノートはおすすめだ。ただし、このタイプは中古市場でも10万円を超えることがあるなど、やや高めの値付けになっている。予算と合わせて検討したい。

 GPUの有無については、PCゲームをプレイするかしないかで決めよう。一般的な書類作成や情報収集といったビジネス業務、音楽再生や動画配信サイトで動画を楽しむ程度なら、GPUやビデオカードを搭載していなくても問題ない。

実際に中古ゲーミングノートPCを試してみた

 ここからは、実際に販売されている中古PCを1台紹介していこう。今回借用して試させてもらったのは、ドスパラのオリジナルPCブランド「GALLERIA」シリーズに属するノートPCで、モデル名は「GALLERIA RL7C-R35T」だ。

 CPUは第12世代Coreシリーズの「Core i7-12700H」、メモリは16GB、ストレージは512GBと、中古ノートPCの「基準」をクリアする。さらにはGPUとして「GeForce RTX 3050 Ti 4GB Laptop」を搭載する、れっきとしたゲーミングノートPCである。

CPUにCore i7-12700H、GPUとしてGeForce RTX 3050 Ti 4GB Laptopを搭載するゲーミングノートPC「GALLERIA RL7C-R35T」

 2022年9月に発売された当時の直販価格は17万9,980円と、ゲーミングノートPCらしい価格だったが、今回試用するモデルは中古で8~9万円くらいで販売されるという。

 一般的な作業における快適度をScoreで計測できる「PCMark 10」のExtendedモードの総合Scoreは7,000弱と、最新ノートPCと比べても遜色がないし、操作は非常に快適だ。

PCMark 10

 同じく3Dグラフィックス性能を計測できる「3DMark」の各テストでも、GPUを搭載しているモデルらしい、高いScoreを示した。実際のゲーム中の挙動をチェックできる「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)で[最高品質]を選択した場合、Scoreは1,1830で評価は[とても快適]だった。

Time Spy
Fire Strike
NightRaid
ファイナルファンタジーXIV

 こうした基本性能だけではなく、14型液晶ディスプレイを搭載しながらも重さは約1.43kgと軽い。ゲーミングノートPCとしてはかなり軽量で、持ち運びもしやすい。中古PCなので液晶ディスプレイの表示品質や全体的な使用感も気になるが、今回検証した機体は本体に傷などは見当たらず、非常に美しい状態だった。きちんとクリーニングやメンテナンスが行なわれている証拠だ。

中古PCではあるが外観は非常に美しく、使用感はなかった
右側面にはThunderbolt 4やHDMI 2.0ポートなどを装備
左側面にはUSBポートやSDカードスロットなどを装備

 このように非常に強力なゲーミングノートPCだが、販売価格は10万円を切るものがある。中古PCは一期一会なので、逸品に必ず出会えるわけではないものの、中古PCのお買い得感が分かる良い例だろう。これまで中古PCに不安を感じていた人は、ここで取り上げたような保証等のしっかりしたショップで、掘り出し物を探してみてはいかがだろうか。