東芝の15.6型ノートは23.5mm<br>スタンダードノートなんてどれも同じでしょ?<br>なんて言わせない、一味違う1台<br>dynabook T75

東芝の15.6型ノートは23.5mmスタンダードノートなんてどれも同じでしょ?
なんて言わせない、一味違う1台

 15.6型液晶を搭載するノートは、メーカー各社がスタンダードノートという位置付けで販売を行っていることが多いノートだ。誰もが「ああ、アレね」と1度は見たことがあるであろう形のノートである。よく言えば、それを選んでおけば間違いのない完成された普及モデル。ここで紹介する東芝の「dynabook T75」も、東芝自身がスタンダードノートの位置付けで販売を行っている15.6型液晶搭載のノートである。

 PCにある程度詳しい人なら、搭載CPUは? メモリは? ストレージは? 解像度は? なんて具合にスペック表を見て、価格はいくらかな? なるほど、なかなかバランスのとれたノートだな、という辺りで興味を失うかもしれない。しかし、待ってほしい。このノート、よくある15.6型スタンダードノートとは少々様子が異なるのである。

ハイブリッドドライブでサクサク動く
スペック高めの15.6型ノート

 dynabook T75のCPUは、デュアルコアのインテル® Core™ i7-5500U プロセッサーだ。インテル® ハイパースレッディング・テクノロジーに対応しているので4スレッド処理が可能となっている。動作周波数は2.4GHzで、高負荷時には最高3GHzで動作する。14nmプロセスのBroadwell世代のCPUなので、TDPは15Wとかなり低消費電力だ。15.6型ノートはモバイル向けではないので、あまり消費電力を気にする必要はないと思うが、低いにこしたことはない。実際、dynabook T75はバッテリー駆動時間がかなり長く、結構ハイスペックにもかかわらず公称約5.5時間もバッテリーでの動作が可能となっている。ちょっと出かけたり家の中を持ち歩いたりするくらいなら十分なバッテリー駆動時間だ。

スペック表

 メモリはDDR3L-1600 SDRAMの8GBを1枚搭載している。8GBあれば足りないということはまずないが、空きスロットが1つあるので増設も行える。ストレージには、SATA 6Gb/s接続で容量1TBの2.5インチハイブリッドドライブを搭載している。このハイブリッドドライブは、5,400rpmのHDDに8GBのNAND型フラッシュメモリを内蔵したもので、フラッシュメモリをキャッシュとして利用することで高速なアクセスを可能にしている。キャッシュの効果は大きく、通常のHDDを搭載するノートと比べるとOSの動作などが全体的にかなり軽快に感じる。

メモリはDDR3L-1600の8GBを1枚搭載しており、空きスロットは1つ。トータルで最大16GBまで対応している

 最近は光学ドライブを搭載していないノートも多いが、そこはスタンダードノートを名乗る15.6型ノートなので、BDXL™対応のブルーレイディスクドライブを搭載している。15.6型液晶は動画を見るのにちょうどよく、光学ドライブを搭載していればブルーレイディスクやDVDの映画を見られるのでかなり便利だ。

左側面にはBDXL™に対応するブルーレイディスクドライブを搭載している

 グラフィックス機能はCPUに内蔵するIntel® HD Graphics 5500を使用している。動作周波数は300MHzで、負荷時には最高950MHzまで上がる。ディスプレイは1,920×1,080ドット(フルHD)の解像度に対応する15.6型ワイド液晶だ。タッチ機能は搭載していない。グレア液晶でありながら、一般的なグレア液晶よりも反射が抑えられているというClear SuperView IPS液晶を使用しており、表面はツルツルなのに確かに通常のグレア液晶に比べると反射は少ない。表示は鮮やかで発色もよく、どの方向から見ても色の変化がほとんどなくかなりキレイだ。ディスプレイ出力端子は、4K(3,840×2,160ドット)出力に対応するHDMIポートを右側面に搭載しているので、4Kディスプレイとのデュアルディスプレイ環境だって簡単に実現できる。

1,920×1,080ドットの15.6型液晶は低反射で広視野角のClear SuperView IPS液晶で明るく鮮やか

 スピーカーはオンキヨーブランドのステレオスピーカーをキーボードの上のメッシュ部分に搭載。ヘッドセットに対応する4極タイプの3.5mmステレオミニジャックを右側面に搭載している。

 無線LANはIEEE802.11ac/n/a/g/b対応で、1000BASE-T対応の有線LANポートも左側面に備えている。Bluetooth®はVersion 4.0対応だ。USBは、USB 3.0ポートを左右に2ポートずつ計4ポート搭載している。片側だけでなく左右に搭載しているので使い勝手がよい。そのほか、SDXC/SDHC/SDメモリーカードとMMCに対応するメモリカードスロットを右側面に搭載している。

左側面は、左から電源端子、LANポート、USB 3.0×2、ブルーレイディスクドライブを搭載する
右側面は、左からメモリカードスロット、ヘッドホン、USB 3.0×2、HDMIとなっている

 このように、dynabook T75はかなり高めのスペックでまとめられたスタンダードノートだ。目立たないところでスペックを落として価格を下げているスタンダードノートも多いが、このモデルにはそういったことがまったくなく、各搭載パーツの性能のバランスがとてもよい。安心して購入できるハイレベルなスタンダードノートである。

一目見れば分かるその違い
使う者を魅了する驚愕の薄さ

 さて、dynabook T75のどのあたりが、ほかの多くの15.6型スタンダードノートと異なるのかを紹介しよう。それは、その薄さだ。dynabook T75は、幅380mm×奥行き259.9mmの15.6型の本体サイズに対して、厚みをたった23.5mmに抑えている。23.5mmという数字だけを見ると、それほど薄く感じないかもしれないが、なんと言っても本体サイズが15.6型である。これが13.3型のモバイルノートだったら何とも思わないだろうが、15.6型に対する23.5mmというのは相当に薄い。

 また、前面と側面が絶妙な角度で斜めにカットされているので、実際に使うときの目線で見ると、23.5mmなんてものじゃない驚くほどの薄さに見えるのだ。ちなみに、椅子に座って机の上にノートを置いたときに視界に入る部分の厚みを測ってみたところ、なんと約10mmだった。

使うときの目線で本体を見ると、前面が少し浮いているように見えるので妙に薄く見える
前から見たときほどではないが横から見てもやはり実際の厚みよりも薄く見える

 つまり、dynabook T75は15.6型のスタンダードノートにしては、妙に薄くてかっこいいのである。かっこいいノートとかっこ悪いノートだったらどちらがよいか? と言えば、やはりかっこいいノートのほうがいいわけで、薄いノートと厚いノートだったらどちらが欲しいか? と聞かれれば、やはり薄いノートが欲しい。冒頭で書いた通り、どのメーカーのものを選んでもあまり違いがないスタンダードノートだからこそ、このデザイン面での特徴は大きい。数ある15.6型ノートがそれぞれ同じ程度のスペックだったら、ほとんどの人がこのdynabook T75を選ぶだろう。そう感じるくらい、この薄さとかっこよさは魅力的に見える。

 デザインが最大の特徴というようなことを書いてはいるが、実際にはそれだけではなく、速くて大容量のハイブリッドドライブを搭載し、グレア液晶でありながら反射を抑えたClear SuperView IPSパネルを搭載しているなど、スペック面でも十分に差別化はできている。というわけで、dynabook T75はよくある15.6型スタンダードノートとは少々様子が異なる、あまり見かけないタイプの極めて薄くて特徴的なスタンダードノートなのである。

上から見てもスッキリしていて良いデザインだ。控えめなTOSHIBAのロゴも良い
本体の大きさに対してACアダプターもかなり小さい。突起部を除いた実測で85mm×36mm×26mmしかない

 ちなみに、試用したモデルの本体カラーはリュクスホワイトだったが、ほかにプレシャスブラック、サテンゴールド、モデナレッドの全4色のカラーバリエーションがある。

キーボードはキーピッチ19mmにキーストローク1.5mm
すんなりブラインドタッチを行える余裕のサイズ

 dynabook T75を実際に使ってみて、まずはしっかりとしたキーボードに感心した。小さめのテンキーを備える日本語106キーボードだが、主要キーは19mmのキーピッチが確保されているので、フルサイズのキーボードと同じようにブラインドタッチを行える。ENTERキーとBACK SPACEキーのサイズが大きいことも、すんなりとブラインドタッチを行える理由だろう。

 キーボード部分は全体の剛性がかなり高く、力を入れてキーを打ってもキーボードがたわまないので安心感がある。キーストロークは1.5mmで、この薄さのノートとしては結構深い。キータッチは軽めかつ押した感覚がしっかりと指に伝わるタイプなので予想以上に打ちやすい。筆者は普段はメカニカルスイッチのフルサイズキーボードを使用しているので、さすがに使い始めてしばらくの間は違和感があったが、慣れればほとんど打ち間違えることもなく快適に使えるようになった。これなら十分に長文の入力にも使える。

限られたスペースをうまく工夫していて、主要キーでキーピッチ19mmを確保している。キーストロークも1.5mmある

 タッチパッドは左右のボタンが一体になっているタイプのもので、スマートフォンのように指でズームインやズームアウトができるジェスチャーコントロール機能に対応している。ジェスチャーコントロール機能は、タッチパッドの操作だけでウインドウの切り替えや最小化なども行えるので、慣れると凄く快適だ。ボタン一体型なのにボタンのストロークが深く、押した感覚がしっかりと指に伝わってくるのもいい。

 また、指でタッチパッドにさわると反応するのに、手のひらでさわっても反応しないパームリジェクション機能を搭載していて、これも大変便利。手のひらでも少しは反応してしまいそうなものだが、キーボードを打つときに手のひらが当たってもまったく反応せず、キー入力中の誤入力を防いでくれる。なお、光学式の3ボタンワイヤレスマウスが付属しているので、タッチパッドに慣れていない人でも心配いらない。

タッチパッドはボタン一体型でありながらボタンのストロークが結構深い。サイズは実測で横106mm×縦66mm
光学式の3ボタンワイヤレスマウスが付属している。レシーバーはPC側に内蔵。電池は単三形乾電池を1本使用する

オンキヨースピーカーと鮮やか液晶
映画もハイレゾオーディオもいける

 dynabook T75はブルーレイディスクドライブを搭載していて、液晶の解像度もフルHDでちょうどいいので、映画との相性がいい。最近はインターネット経由での動画配信も一般的になってきているので、PCにブルーレイディスクドライブはいらないんじゃないかと思っている人もいるかもしれない。しかし、筆者のようにブルーレイディスクで映画やら何やらを買いためてしまっている人も多いだろう。そんな人もそうでない人もdynabook T75を前にしたら、きっとこれで映画を見てしまうと思う。なぜなら、やっぱり一人ホームシアターは快適だからだ。

 15.6型という画面サイズは、一人でこっそり動画を見るのにちょうどいいサイズである。小さくて見辛いということもなく、画面との距離が近いので結構大画面感覚で見ることができる。しかもノートなのでどこにでも持って行けるし、コンセントがなくてもバッテリーで動かせる。というわけで、これも仕事だということで3本ほど映画を見てみた。

 まず、思っていた通りで15.6型の画面サイズでも画面が近いので結構迫力がある。字幕は大画面テレビで見るよりも読みやすいくらいだし、なにより真正面からちょうどよい角度で画面を見られるので快適だ。dynabook T75の液晶はコントラストが高く、明るい部分から暗い部分までハッキリと映し出してくれる。黒がつぶれないので、暗い場面が多い映画でもしっかりと細部まで映像を確認できる。発色もよく、森や海などが自然な色で表示されて、かなりキレイだ。ノート用としてはかなりハイレベルな液晶である。バックライトが明るいので、日が差している明るい部屋でも輝度を上げれば画面はハッキリと確認できる。カーテンを閉めて蛍光灯をつけた部屋の中では輝度を半分以下くらいに下げるとちょうどいい。

 驚いたのは音で、かなり大きな音量にしても全域で破綻なく再生してくれる。ノートの場合、音を大きくすると筐体と共鳴したり音が割れたりして聞き辛くなることが多いのだが、そういったことはまったくない。しかも音に立体感があり、映画の再生にピッタリだ。この立体感の秘密は、プリインストールされている「DTS Sound™」というソフトにある。このソフトが、ステレオスピーカーでのサラウンド再生を実現し、低音の強調や音声の明瞭化などを行っているのだ。このソフトのチューニングは米国にあるオーディオブランドのSkullcandyが担当しており、オーディオの専門ブランドならではの高レベルな設定になっている。同様にオーディオブランドである、オンキヨーのスピーカーとの組み合わせにより、映画をかなりの迫力で楽しめる。

キーボードの上のメッシュ部分の左右にオンキヨースピーカーを搭載している

 ちなみに、プリインストールされている「TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+」というソフトを使うと、ハイレゾ音源を再生できる。ハイレゾ音源は、ソフト内のリンクから飛べる「e-onkyo music」サイトから購入できるので、とくに難しいことはなくすぐにハイレゾサウンドを楽しむことが可能だ。前述のDTS Sound™は簡単にオン/オフできるので、ヘッドホンでハイレゾ音源を聴くようなときにはすぐにオフにできて使い勝手もいい。

DTS Sound™が、音を映画に最適な音質に調節してくれる。自分で細かい設定をすることも可能だ
メディアプレイヤーソフトのTOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+ではハイレゾ音源も再生できる

電話にメールに対面にも対応
大手日本メーカーならではの充実のサポート体制

 最後に製品サポートについて紹介しておきたい。トラブルには合わないことが一番だが、意に反してトラブルが起こってしまうことはどうしてもある。ノートを何台か買い替えている人のなかには、1度くらいは何らかのトラブルに遭遇してしまった人もいるのではないだろうか。そんなとき、普段は気にもしていなかった、メーカーのサポート体制の大切さに気付かされるのだ。もちろん、ソフトのエラー表示といった軽微な相談などに答えてくれるかどうかということも重要だ。個人的な経験からも、ノートの購入時にはサポートの質も考慮して製品選びおよびメーカー選びをしたほうがよい。

 さて、では東芝のサポートはどうかというと、そこはさすが大手日本メーカーということで、現代人に合わせた気の利いたものになっている。まず、サポートサイトの内容が充実している。ページの内容も分かりやすいし、製品に関する簡単な疑問程度の内容であれば、FAQ検索でだいたい解決できる。サポートに関するユーザーへのお知らせの内容が頻繁に更新されているのも安心感がある。

何をどうすれば良いのかの手順が分かりやすく説明されているサポートサイト。FAQも充実している

 では、窓口はどうだろう。自分では解決できない疑問や故障などのトラブルの場合にはサポート窓口に連絡をすることになるが、東芝はここが優秀だ。東芝への連絡方法は、電話とメールだけでなく対面も用意されている。それぞれの連絡方法もレベルが高く、電話窓口の場合には受け付け時間が9時~19時となっているが、Webサイトから予約をすると18時~24時の時間帯にも対応してもらえる。夜しか時間を取れない人はたくさんいるわけで、このサポートシステムはありがたい。それに、年中無休なので土日や祝日でも大丈夫だ。電話ではなくメールで連絡をしたい人向けには、サポートサイト上にお問い合わせフォームが用意されている。こちらは24時間365日いつでも問い合わせを行える。これらはすべて無料で提供されているので、何回でも問い合わせを行える。

 めずらしいのは対面サポートで、東京都千代田区外神田に「東芝PC工房」というサポート店舗があり、そこで直接相談や修理の依頼などを行える。最寄駅は東京メトロの末広町駅またはJRの秋葉原駅だ。営業時間は平日の10時~18時半で、12時~13時のお昼時間帯はお休みとなる。修理だけでなくバッテリーの診断やPCの点検なども行え、ACアダプターやバッテリーなどの販売も行っている。また、キーボードの交換や冷却ファンの交換にまで対応してくれるので大変心強い。それに、やはりサポート担当者と直接会ってやりとりできるのはうれしい。

サポート情報ページ
http://dynabook.com/assistpc/index_j.htm

性能と使いやすさとデザイン性のバランスが秀逸
頭1つ抜けている15.6型スタンダードノート

 dynabook T75は、多くのメーカーと多くの製品が乱立している15.6型スタンダードノートというカテゴリーのなかで、ほかとはちょっと違う突出した特徴を持ったノートだ。

 薄型化があまり行われない15.6型スタンダードノートのなかで、驚くほどの薄さを実現し、人に見せたくなるような高いデザイン性を持たせている。これだけ薄いのに性能はかなり高く、ストレージにはハイブリッドドライブ、映像面ではClear SuperView IPSパネル、オーディオにはオンキヨースピーカーと、優れた技術をバランスよく組み合わせている。さらには、打ちやすいキーボードまで備えているのだから本当によくできている。大手日本メーカーらしい充実のサポート体制も大きな魅力である。それに、どうせ買うのなら、毎日見るものなのだしデザインがいいものを買っておいたほうが幸せだ。

 このクラスの15.6型スタンダードノートを探しているすべての人にとって、このdynabook T75は選んで間違いのないノートと言える。

インテル® Core™ i7 プロセッサー
Intel Inside® 圧倒的なパフォーマンスを

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