レビュー

写真で見る、22.6mmへ薄型化したNEC PCの新「LaVie S」

「LaVie S LS150/SSB」
5月中旬~下旬 発売

価格:オープンプライス

 NECパーソナルコンピュータ株式会社は24日、ノートPCおよびデスクトップPCの2014年夏モデルを発表した。この中で、「LaVie S」のエントリーラインとなる「LS150/SS」シリーズと「LaVie E」は、従来よりも薄型化した新デザインを採用している。ここでは、発売前に借用できた新「LaVie S」の新たな外観を、旧モデルと比較しつつ写真レポートをお届けする。

 今回借用した製品は、LS150/SS(スターリーブラック)モデルである。注意が必要なのは、LaVie Sでも上位のLS700/SS、LS550/SS、LS350/SSシリーズは従来デザインを踏襲しており、新デザインを採用するのはエントリークラスのLS150/SSおよびLaVie EのLE150/S2シリーズの2モデルになる点だ。

新デザインの「LaVie S LS150/SSB」
従来モデルの「LaVie S LS150/SRB」

 そのデザインの最大の特徴と言えるのは、従来デザインの薄さ27.5mm(タッチ非搭載モデル)から、22.6mmへと薄型化された点である(LaVie Sでの比較)。2013年のCOMPUTEX TAIPEI時に発表された第4世代Coreプロセッサを搭載するUltrabookの要件(PDF、英文)では、14型以上のディスプレイを搭載するPCは厚みが23mmまで許容される。本体の厚みへの影響も大きいタッチパネルなどの要件を満たしていないので少々乱暴ではあるが、本体サイズだけで言えばUltrabookの要件を満たせる薄さのエントリー向けPCとなっている。

 なお、全体のサイズは385.6×258×22.6mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約2.5kg。従来モデルが379×258×27.5mm(同)/約2.5kgなので、数字の上では幅が若干大きくなったものの、薄くなったこと以外のサイズ、重量の差はまったくと言っていいほど感じない。

 ちなみに、このデザイン変更は採用CPUの変更が大きく影響している。従来モデルの「LS150/RS」シリーズがTDP 35WのCeleron 1005M(1.9GHz)を搭載していたのに対し、新モデルのLS150/SSシリーズは、TDP 15WのCeleron 2957U(1.4GHz)を採用している。LaVie Eも同様だ。このことが熱設計上の余裕を生んだことで、薄型化に繋がっているわけだ。ちなみにバッテリ駆動時間も、従来のLS150/RSの約3.1時間から、約7.9時間へ伸びている(ともにMバッテリ、JEITAバッテリ測定法 1.0使用時)。

 もう1つのデザイン上のポイントは、背面のデザインだ。従来モデルは、搭載するバッテリの厚みの関係で、後部が持ち上がる格好となり、キーボードスタンドを立てたようなデザインとなっていた。一方の新デザインは、バッテリと背面カバーがフラットになり、底面の目立った凸凹や傾斜がなくなった。このサイズのPCを常時持ち歩くことはないと思うが、フラットでカバンに収めやすくなったことは、中長期の旅行などで持ち出そうとした時などに良さを感じることもありそうだ。

左が新デザイン。本体後方部は厚みの違いが一目瞭然で、バッテリ搭載時も後端時の持ち上がりがなく、傾斜のないデザインとなった
左が新デザイン。ベース部分自体が薄くなったことで、前方部の厚みの差もはっきりしている
左が新デザイン。ヒンジ部の構造が大きく変化。旧モデルでは開いたときに液晶が後方下部へ大きく回り込むのに対し、新デザインはシンプルにパネルを持ち上げるようなデザインとなる閉じた状態で上から製品を見たときの印象も大きく変わる
左が新デザイン。バッテリの厚みによる凸凹がなくなりフラットなデザインになった一方で、CPUの変更によりバッテリ駆動時間は延びている
左の新デザインでは、右Altキーが省略された。また、ファンクションキーの区切りとなる隙間や、カーソルの半段下げがなくなり、長方形の枠内にすっきり収めたレイアウトになっている

 一方で、内蔵スピーカーは2W+2Wから1.5W+1.5W、USBポートはUSB 3.0×4からUSB 3.0×2+USB 2.0×1など、スペックダウンと取れる部分がある点には注意が必要だ。また、キーボードが106キーから105キーとなり、右Altキーが省略されている。キーボードのレイアウトも変更されており、従来モデルでは最下段キーより手前に置いて明確に独立していたカーソルキーが、最下段のほかのキーに揃えられたほか、4個単位で空間を設けていたファンクションキーが等間隔に並ぶようになっており、タッチタイピングする際には前モデルの方が好ましいように思われる。

 とはいえ、キーボードのレイアウトも含めて、全体に直線的で非常にすっきりした印象に生まれ変わった。上位のモデルに本デザインを適用していくかは不明だが、エントリー寄りの製品デザインとして、第一印象の良いものに仕上がっている。

新モデルを天板側から
右側面。インジケータ、USB 2.0、音声入出力、DVDスーパーマルチドライブ、セキュリティロックスロットが並ぶ。音声端子は4極プラグとなっており入出力を1端子で兼用する
左側面。SDカードスロット、USB 3.0×2、HDMI出力、Gigabit Ethernet、電源端子が並ぶ
ACアダプタのコネクタも、角形の新しい形状となった(従来モデルは丸形)
液晶上部に720p対応Webカメラ、ステレオマイクを内蔵
キーボード奥に1.5W+1.5Wのスピーカーを搭載
写真では少々分かりにくいが、ベースはツヤのある塗装、キーボード表面はツヤを抑えた塗装と、コントラストを持たせている
左上に電源ボタンとショートカットボタン。ショートカットボタンはLaVie Sのみで、同デザインのLaVie Eでは省略されている
付属のBluetooth接続マウス

(多和田 新也)