VAIO Z開発者インタビュー。新製品のコンセプトから内部構造にまで迫る

VAIO Z(シルバー)※以下の写真はすべて試作機のため、量産品とは外観などが異なる可能性がある

2月16日 発表



 ソニーが16日に発表した新「VAIO Zシリーズ」は、モバイルノートとしての従来からのシリーズの流れを踏襲しつつ、他に類を見ない仕様を実現した意欲作である。今回、製品企画担当のVAIO事業本部企業戦略部門企画部の金森伽野氏と、プロジェクトリーダーのVAIO事業本部PC事業部1部4課統括課長の鈴木雅彦氏にインタビューを行なう機会を得たので、この製品の開発意図などを伺ってきた。

 製品の主な仕様や、レビューなど関連記事も併せてお読み頂きたい。

●13.1型でフルHD液晶とクアッドSSDを搭載

Q:まず、今回の新VAIO Zシリーズの製品コンセプトや位置づけを教えてください。

ソニーVAIO事業本部の金森伽野氏。担当は製品企画

金森氏(以下、敬称略):「VAIO type S(SZ)」に始まり、次の「VAIO type Z」へと続いたシリーズの主軸となるコンセプトは、パフォーマンスとモビリティの融合でした。言い換えると、このモバイル向けのサイズの中に、デスクトップ並みの性能を詰め込むというものです。その後、市場の中でこの製品の競合がないという状況が今でも続き、かつ、お客様からは高い評価を頂いていました。そこで、新しいVAIO Zシリーズでも、このモビリティとパフォーマンスを妥協することなく伸ばしていこうと思いました。つまり、より軽くしつつも、性能を伸ばすと言うことです。

Q:前モデルのZと比較した場合、踏襲した点、改善した点、あるいは劣ってしまった点があったら教えてください。

金森:まず、性能という意味では、一番上の構成でCore i7を搭載しますが、これは同レベルだと考えます。ストレージはSSDにフォーカスし、店頭モデルでもデュアル構成、VAIO・OWNER・MADEモデルではクアッド構成が可能となり、性能が非常に向上しました。GPUについてもGeForce GT 330Mを採用して、これまでより1ランク上のものを採用しつつ、専用ビデオメモリも1GBに増強しています。液晶についても、現行の1,600×900ドットに加え、VAIO・OWNER・MADEモデルで1,920×1,080ドットのフルHDを追加し、かつ、Adobe RGBカバー率は96%になっています。このように、PCの基礎となる性能はとことん伸ばしています。劣った点は特にないと考えますが、強いて言うならばモデムは削除しました。

Q:この13.1型にフルHD液晶というのは、希望の声はありましたが、実現は無理だろうと思われていました。その意味ではうれしい誤算とも言えるわけですが、なぜフルHD液晶を搭載しようと思ったのでしょう。

金森:現行のZでは、1,366×768ドットと1,600×900ドットの2つがあるのですが、後者の方がお客様の選択率が高いという結果になりました。これで我々は、モバイルマシンでも高解像度液晶が受け入れられるという感触を得ました。もちろん、高解像度化に伴い、文字が小さくなってしまうことへの懸念はありました。ただ、これについては、一部文字サイズを大きくしておりますので、実際、見て頂ければ、フルHDでもそこまで文字が小さいとは感じないと思います。

 一方、メリットとして、フルHDに対応したことで、フルHDコンテンツはドットバイドットで美しく、視聴できます。当然、編集作業では広い作業領域を確保でき、Excelなどでも外部の液晶ディスプレイなどを利用することなく、ノートPC内蔵のディスプレイで高い一覧性を得られます。DPIは約160です。

Q:フルHD液晶について調達で不安はありませんか。

金森:特にありません。売れ方は、1,600×900ドットと半々くらいだろうと想定しています。

Q:フルHD向けに、画面の拡大機能などはあるのでしょうか。

金森:特に専用のものはありませんが、OS標準の機能で文字の大きさを調整できます。逆に高解像度を存分に活用して頂きたいので、ウインドウの整列ボタンを用意しています。Pだと3画面を並べるのが実使用では限界ですが、フルHD液晶なら4画面を並べても十分閲覧できます。

Q:液晶のコーティングは何かかわったのでしょうか。

金森:基本的には同等ですが、より傷に強いものになっています。

Q:SSDについて、クアッドまでのRAID 0をサポートすることで、性能は向上しますが、一方でデータの信頼性が下がるという懸念はないのでしょうか。

金森:確かにストライピングにすることで信頼性への不安は生じますが、SSDは耐衝撃性だけでなく、データ保存の信頼性でもHDDより優れているので、問題ないと考えています。

VAIO事業本部の鈴木雅彦氏。Zシリーズのプロジェクトリーダー

鈴木:VAIOでは早い段階からSSDを採用しており、ノウハウが蓄積されています。ベンダーから頂く情報や、市場での不良率なども見ていますが、HDDに劣ることはなく、普通に使えるデバイスだと思っています。ストライピング構成にしても、心配する必要はないでしょう。4台もあるので、RAID 0+1ということも検討しましたが、同じ筐体に入っているのだから壊れる時は一緒だということもあり、Zシリーズではパフォーマンスに全部振ることにしました。

Q:SSD 4台の構成では、内部的にどのように接続されているのでしょう。

鈴木:まず、SSDですが、基板の裏表両面にそれぞれコントローラとメモリがあり、基板1枚でSSD 2台分となっています。接続端子は基板1枚につき1基です。4台構成ではこれを2枚上下に重ねています。接続としては、各コントローラがそれぞれSATAポートに繋がっており、4ポート分を使っています。

Q:これだと、故障の際にユーザーが自身で取り替えるのは無理ですね。

金森:専用のモジュールなので、それは無理ですね。

鈴木:ただ、これは違う視点から述べると、メーカー製ならではのメリットと言えます。専用化することでより小さくしたり、性能を上げることができます。実は、新Zシリーズは初期の企画段階からクアッドSSDとすることがほぼ決まっていました。デュアルは旧Zでもうやってますので、そこは進歩させたいと思いました。

金森:デュアルでもかなり速いですが、クアッドではさらにその1.5~2倍弱速くなります。

Q:ランダムアクセスもデュアルよりクアッドの方が速いのでしょうか。

鈴木:そこはファイルサイズに依存するので、一言で言うのは難しいです。ただ、平均すると速くなると思います。ブロックサイズがSSDのアクセスに適したサイズの時には、速くなりますが、そうではないこともあります。

Q:このSSDはZ専用なのでしょうか。

鈴木:他のVAIOのチームから要望があれば出しますが、ほかの機種の製品性を考えた時、専用形状にメリットがあるかどうかは、疑問が残りますね。基本的には、他の機種で使わなくても、VAIO Zシリーズだけで使うという前提で開発しました。

VAIO Z専用となるSSDのモジュール1枚の基板の両面にメモリとコントローラがあり、これだけでSSD 2台分。ただし、コネクタは1枚に付き1つなので、この基板2枚で従来のHDD/SSD 4台分を集約している実装する際は、2枚の基板をマウンタにつけて一体化する
本体に収めたところモジュールは2.5インチHDDより一回り小さいSSDを入れるスペースは、このモジュール分しかないので、2.5インチHDDを搭載する時は、右に見える光学ドライブを取り外して、そこに実装する

●より美しく、軽く、堅牢になった筐体

Q:今回、新Zを含む春モデルで筐体デザインが、共通性のある新しいものに変更されました。この特徴や見所などを教えてください。

金森:VAIOでは2008年からヒンジに特徴のある「シリンダーデザイン」を共通性のあるデザインとして複数の機種で採用していますが、今回はこれまで別パーツだったシリンダー部分を統合する「ブレンドシリンダーフォルム」を採用しました。これにより、堅牢性や軽さの面でより有利になりました。

 もう1つ、パームレストの部分に「インタラクションテーブル」という機構を設け、キーボード面からは独立させた形状となっています。このメリットとして、閉じて横から見た時に薄く見え、手に持った時の爽快さも増しています。実はこの中には、FeliCaと、3x3構成の無線LANのアンテナも入っています。FeliCaを搭載する際、筐体表面は電波を透過させるため、アルミなどの金属ではなく、樹脂を使う必要があります。旧ZではFeliCaを選択すると、そこだけが別パーツのようになっており、デザイン上、継ぎ目が現われることになってしまいましたが、新Zシリーズではそれがなくなりました。インタラクションテーブルというのは、PCと外界との通信、そしてユーザーの手のひらが触れる場所というテーマでデザインしました。このほか、VAIO FシリーズやSシリーズの方が際立っているのですが、「コンバージェンスライン」と言いまして、筐体の左右両端の先端に丸みを持たせた形状になっており、角をぶつけても壊れにくく、カバンへの出し入れもしやすくなっています。

 新Zシリーズならではのポイントとしては、トライアングルなグラフィック切り替えスイッチが見た目のアイコンでもあり、機能面でも特徴となっています。筐体パームレスト周辺部分は、押し出し、切削成型したアルミを使っています。この薄さでここまで剛性を出せるのはアルミの削り出しならではです。部品の表面からは分かりませんが、内側は薄くできるところは極限まで薄くし、端やシリンダー部分などはアルミを残しています。これは手に持った時などの剛性感だけでなく、キーボードの打鍵感の向上にも繋がっています。

アルミを押し出しした直後の状態。そこから切削するとこのようになる
こちらはブラックだが、インタラクションテーブルと呼ばれるパームレスト部は樹脂による別パーツこちらの旧Zのように、FeliCaを搭載しても、そこだけ抜く必要がなくなった旧Z(左)との比較。大まかなデザインは踏襲していることが分かる
側面を比べたところ。こちらも左が旧Z似ているようだが、より薄く見えるデザインとなっている。実際、バッテリ部分を除いた厚みは5mm程度薄くなっているAC接続の有無などでGPUを自動的に切り替えるAutoモードが加わったトライアングル式の切り替えスイッチ

Q:Zシリーズでは軽量化も重要ですが、その点で何か特徴はありますか。

鈴木:ここまでアルミを使わせてもらえるのはZシリーズしかないというのがまずありますね(笑)。アルミを中心に据え、構造の見直しを行ない、不要部品を削っていきました。ちなみに、新Zは旧Zと縦横のサイズがほぼ変わっていません。旧Zシリーズを参考にすることで、改善というのが行ないやすかったです。

金森:この製品ではこれだけの性能を凝縮していますが、構造という意味ではシンプルになっています。これはSSDのおかげもあります。ストレージが小さくなったことで、レイアウトがしやすくなり、軽くもなりました。

天板素材は引き続き積層カーボンだが、新しいハイブリッドカーボンを内部に採用

 天板は引き続き、積層カーボン構造ですが、新たにVAIO Xシリーズで使ったハイブリッドカーボンを採用し、より軽く強くなりました。なお、このカーボンは全てのモデルで採用していますが、表面処理のオプションとして、より高級感のあるプレミアムカーボンと光沢のあるグロッシープレミアムカーボンを用意しています。

Q:他社製品では天板の耐荷重性能を具体的に公表していますが、この製品ではどの程度まで検証されているのでしょうか。

鈴木:今他社さんが出されている数値に劣ることはありません。我々が具体的数値を出さないのは、やって当然という意識があるからです。VAIOの中で堅牢性をアピールしたものではGシリーズがありますが、検証していることや、能力はZシリーズも同等のものがあります。Gシリーズとの細かな差としては、質量が違う分だけ、耐落下衝撃性能に差はあります。この製品では堅牢性を謳うのではなく、やはりパフォーマンスとモビリティをメインにアピールしたいと考えています。

Q:今回、プラットフォームが変わりましたが、熱設計の面で、新機種と旧機種で変化はありましたか。

鈴木:グラフィック部分を含め、基本のIntelアーキテクチャの部分だけでも平均熱量は増えています。また、GPUも1ランク上がりメモリが増えたことで数W上昇しています。それに輪をかけて筐体が5mm程度薄くなったことで、冷却に使える部分が減っています。そのため熱設計、熱処理にはかなり苦労しています。

旧Zのファン(左)と新Zのファン(右)。新型ファンはフィンが細かく、多くなっている。これで冷却性能は上げつつも、ノイズレベルは下げている

金森:それを解決するために新設計のファンを開発しました。これにより排熱量を増やしています。

Q:今回使われるアーキテクチャのプロセッサは、旧機種でのCore 2 DuoとTDPが同じ35Wです。しかし、従来のノースブリッジはCPUに内蔵され、2チップ構成になりました。これでも、合計TDPが上がったと言うことでしょうか?

鈴木:今回は、半導体の稼働率が高くなっています。表面的なTDPと、実際の熱設計の難易度は別物なのです。今回は平均して排熱が増えています。そのため、ひたすらファンの性能を上げ、ヒートシンクの距離を最適化、空気の流れを作るなどしていますが、他の部分に熱を拡散するような構造にはしていません。ので、筐体の表面温度は旧Zと同じくらいになっています。

Q:新アーキテクチャのプロセッサは、Turbo Boost機能が追加されましたが、もっとも上のCore i7を使った場合でも、CPUの最大値までクロックは上がるのでしょうか。

鈴木:スロットリングはかけないように設計しています。ピーク環境はなかなか作りづらいのですが、重いアプリを使って、一番上まで出ることは確認しています。

●非常に高い内部集積度

Q:新アーキテクチャになり、主要チップ数が減ったことで、マザーボードの設計が楽になったと言うことはありますか。

金森:ビデオメモリを1GBまで詰めるようになったというのはあります。

鈴木:ただ、軽量化のために、これまで分割されていた基板を1つにまとめたりということをやっていますので、配線密度は変わっていません。

Q:今回、光学ドライブとHDDが排他搭載になったのは、マザーボードが大型化したりしているのでしょうか。

金森:マザーボードのサイズにはあまり変化はありません。新Zシリーズは薄く、スタイリッシュなデザインにするために、かなり筐体をデザイン的に削いでいます。例えば、側面のLAN端子などは、配置を内部に奥まらせることで、端子のカバーなしでも美しく見えるようデザインしています。手前も同様に押し込まれており、容積がかなり減っております。

本体内部。想像通り、集積度は高い。CPUやGPUなどの主要チップは、左上に見えるファンの下部の裏側にある。HDDモデルでは光学ドライブを取り外して、そこに内蔵するこちらはキーボード部の裏側。今回、キーボードとタッチパッドをマザーボードに繋げるフィルムケーブルが1本に集約された。ちなみに、目の前で分解してもらったのだが、これまでのSZやZと比べると、ネジを外すだけで比較的簡単に分解できる印象だった

Q:SSDを積みつつ、光学ドライブを搭載しないというオプションは可能なのでしょうか。

金森:それはできないようになっています。本製品のコンセプトは、妥協のない性能を実現するということで、SSDと光学ドライブは両立を前提にします。ただし、この製品を手ごろな価格で求めたいお客様もいると思いますので、HDDで光学ドライブなしという選択肢も用意しております。

Q:バッテリ駆動時間は、旧Zと同等レベルくらいでしょうか。

金森:バッテリパック形状はVAIO Zシリーズ専用ですが、容量は旧Zとほぼ同等です。Lバッテリも旧Z同様、下に若干突き出る形になります。

Q:手元の資料によると、本体重量は1.35~1.62kgとなっていますが、これはどのような構成でしょうか。

鈴木:重量に大きく響くのは、光学ドライブがDVDかBDかというのと、キーボードバックライトを積むか積まないかです。

金森:最軽量の構成は、SSD、DVDスーパーマルチドライブ、キーボードバックライトなし、FeliCaなし、Webカメラなしで、1.35kgになります。店頭モデルは、FeliCaとWebカメラ搭載が標準搭載となっておりますので、1.36kgとなります。1.62kgはLバッテリ搭載時です。

Q:今回、GPUは性能が上がっただけでなく、一部のソニー製オリジナルアプリでCUDA対応を実現しました。こういったGPGPU対応への取り組みは今後も積極的に行なうのでしょうか。

金森:対応するものも増えてきていますので、積極的に使っていきたいと思っています。

●インターフェイス面

Q:無線系はかなり広範囲にサポートしていますが、どこまで同時使用できるのでしょう。

金森:新Zシリーズも無線WANとWiMAXは同時搭載はできません。

Q:WiMAXは通信速度が下り20Mbps、上り6Mbpsに向上していますが、UQコミュニケーションズでは下り40Mbps、上り10Mbpsまでサポートしています。この制限はどういう理由によるものでしょうか。

金森:新Zシリーズで採用している無線モジュールの性能によるものです。

Q:USB 3.0やeSATAの搭載は検討されたのでしょうか。

鈴木:検討はしました。しかし、eSATAは電源が別途必要で、USB 3.0は公式規格に則ると供給すべき電力が増え、そのための電源回路やバッテリが必要になってきます。そういった点で、モビリティ向けの本製品では必須項目から落ちました。必要であれば、ExpressCardのアダプタを別途使って頂ければと思います。

Q:キーボードに関して何か変更はあるのでしょうか。

鈴木:極力同じようになるように調整していますが、バックライト機能のスペースを確保するため、若干ストロークは短くなっています。ただし、ラバー側で感度の調整をし、筐体の剛性が上がったこともあり、キータッチは気持ち固くなっている感じだと思います。

Q:3D液晶の検討はありましたか。

金森:3D液晶はより大きな画面で観る方がいいと考えています。モビリティの観点でも不利なので、今のタイミングで搭載は考えませんでした。

鈴木:3Dはエンターテイメントとしてはとてもおもしろいものですが、本製品の場合は、どちらかというとそれらを楽しむより、創る方の用途に向けているので、先頭切って搭載する必要はないと判断しました。

Q:HDMIのバージョンは何でしょうか。

金森:バージョン名は、Optional機能に対応していると誤解を招くことがあるため、公開しておりません。

Q:外部ディスプレイ出力時に、液晶を閉じたまま使うことについて動作保証はあるのでしょうか。

鈴木:保証はしていませんが、禁止もしていません。ただ、基本的にファンだけで排熱できるように設計してあるので、液晶を閉じたことで熱が篭もって暴走というようなことはないと思います。

Q:ソフトウェアの面での進化について教えてください。

金森:特徴的なのは、VAIOボタンとASSISTボタンで起動されるアプリケーションがあります。前者はメディアギャラリーが立ち上がり、後者はトラブルの予防と解決をサポートするVAIO Careが立ち上がります。

キーボード右上に、ASSIST、ウィンドウ整列、VAIOボタンが追加手前左手にはカードスロット右手には無線スイッチと、音声入出力

Q:Sound RealityはSZで採用され、続くZでは廃止されましたが、新Zで復活しました。この理由は何でしょう。

金森:旧Zの企画段階では、必要なものは全部盛り込むが、コンセプトをよりビジネスよりに設定しておりました。しかし、その後、機能を対応して欲しいという声を頂きましたので、復活させました。

Q:海外ではすでに正式発表されている地域もありますが、日本が遅くなったのには理由があるのでしょうか。

金森:特別な理由や意図はありません。海外ではCESなどのイベントに合わせて、訴求、発表しましたが、日本ではそういった大きなイベントがなかったので、このタイミングでの発表となりました。

Q:日本独自のオプションはあるのでしょうか。

金森:日本独自というわけではないのですが、CESでは発表していない天板も用意されています。実際、グロッシープレミアムカーボンはソニースタイル10周年記念として出すものになります。

●予約エントリー開始は今日から

Q:ネットブックやCULVの登場で、PCの低価格化に拍車がかかる中、30万円クラスという価格に懸念はありませんでしたか。

金森:価格の前に、商品の良さを守りたいという気持ちがありました。この製品であれば、性能に不満を感じることはないと思いますし、この価値を評価して頂けるお客様には、長く使って頂ける機種になると思います。

Q:最後にそのほかアピールしたい点などありましたら、お願いします。

金森:そのほかの機能の面では、バックライトキーボード機能が新たに搭載され、暗い枕元や飛行機の中でも使いやすくなります。このバックライトのオン/オフは照度センサーを使って切り替えているのですが、この照度センサーを使って、液晶の輝度も最適に調整されます。この機能により、本体の性能が上がりながらも、実使用の際のバッテリ駆動時間も延ばせます。こういった点で、利用時の快適さも向上しています。

 また、Zシリーズとしては新たに、ノイズキャンセルのヘッドフォンにも対応し、より快適に音楽を聴けるだけでなく、新Zシリーズで初めてマイク指向性機能を搭載しました。ノイズキャンセリングヘッドフォンのマイクを使用することで収音の指向性を持たせ、ボイスチャット時に周囲がうるさくても、声が綺麗に伝わるような機能です。

 質感の面でも、写真では伝わりにくいですが、これだけの削り出しのアルミを使うことで、持った時の質感ががっちりした上で軽い。そして見た目の美しさもある。ここはアピールしたい点です。旧Zも金属感をとことん追求して、アルミを使っていますが、曲げる製法を使っているために、今になってみると、Rがなめらかでない点がありますが、今回は切削製法を採用しているので、綺麗でスタイリッシュに仕上がっています。このあたりは、実物を見て触って、感じて頂きたい点です。

鈴木:カタログや記事でスペックは分かりますが、実際に使ってみると、我々でも驚くくらい想像以上の性能の違いがあります。本日から予約のエントリーも開始しておりますので、このあたりは、購入予定の方には、是非お楽しみに、と述べたいです。

Q:ありがとうございました。

(2010年 2月 16日)

[Reported by 若杉 紀彦]