特集

テレワークに“効く”キーボード/マウス/トラックボール計12製品を紹介

今回はテレワークを快適にする3つの入力機器(キーボード、マウス、トラックボール)について紹介する。なお価格はいずれも2020年4月29日現在のAmazonでの価格(セール品を除く)

 テレワークをはじめるにあたり、ひとまず手持ちの環境に機材を追加するかたちで急いで環境を構築し、ここまで騙し騙し作業を行なってきた人は少なくないだろう。しかしここにきて緊急事態宣言の延長に加え、その後もテレワークが継続する可能性が出てきた現在、作業環境の改善はより急務となりつつあると言っていい。

 今回はそんなテレワークに必要な機材のうち、キーボード、マウス、そしてトラックボールという3つの入力機器について、製品選びのポイントと具体的なおすすめ製品を紹介する。これらの製品の買い替え、および追加を考えている人はぜひ参考にしてほしい。

 なお、おすすめ製品は各ジャンルごとに4点、同一ジャンル内でメーカーが重複しないようセレクトしており、現在の売れ筋とは必ずしも一致しない場合がある。

キーボード : テンキーはやはりビジネスに便利。放熱対策、静音性も

ビジネスユースであればキーボードはやはりテンキーつきが欲しい。画像は後述のおすすめで紹介している東プレ「REALFORCE」シリーズの旧モデル

 ノートPCに外付キーボードを追加する理由は大きく2つに分けられる。1つはテンキーの存在だ。フルキーボードでは右側に搭載されるテンキーは、ノートPCの多くでは省略されており、数字はキーボード上部の数字キーで入力する仕様になっている。プライベートで使うならばとくに問題はないが、数値入力を連続して行なう業務では、やはりテンキーは欠かせない。

 この場合、ノートPCのキーボードはそのままに外付けのテンキーボードだけを追加する方法もあるが、ここでもう1つの理由が登場してくる。それは発熱の問題だ。ノートPCで入力作業を長時間行なっていると、パームレストがじわじわと熱くなり、手のひらに熱が伝わってくる。キーボードの真下にマザーボードがある以上、当然と言えば当然だ。

 最近のノートPCはSSD搭載モデルが増えたことにより、HDD搭載モデルほどの発熱はなくなっているが、キーボード自体を外付けにしてしまえば、HDDかSSDかを問わず、発熱の問題からは逃れられる。とくにこれから夏場にかけての時期は、この問題が大きくクローズアップされてくるだろう。

 また静音性も1つのポイントだ。ノートPCの内蔵キーボードでは、ビデオ会議のさいにマイクがキーボードの打鍵音を拾ってしまうことがよくある。発言時以外はミュートにしておく方法もあるが、キーボードを外付けにしておけば、止むを得ずミュートにできないときも、マイクを直接叩くような不快な音が相手に伝わるのは防げる。キーボード自体が静音性を謳う製品ならば文句なしだ。

エレコム TK-FDM110TXBK

TK-FDM110TXBK
  • メーカー : エレコム
  • 製品情報 :TK-FDM110TXBK
  • 実売価格 : 2,343円(税別)※価格は掲載時のもの

 メンブレン方式、キーストローク2.5mmの薄型モデル。突出した特徴はないが、無線接続ながら実売2千円台というリーズナブルな価格設定で、かぎられた予算のなかでフルキーボードが必要な場合にロジクール「Wireless Keyboard K275」などとともに有力な候補になる。接続は2.4GHz帯独自方式で、単4形乾電池1本で2年駆動する。キー数は109。

バッファロー BSKBU510BK

BSKBU510BK
  • メーカー : バッファロー
  • 製品情報 :BSKBU510BK
  • 実売価格 : 5,270円(税別)※価格は掲載時のもの

 キーを4点で支持するパンタグラフ構造を採用しながら3.8mmという深いキーストロークを実現したモデル。ショートカットやマクロを登録可能な4つのプログラマブルキーは、登録内容を本体内のメモリ領域に保存できるため、ほかのPCに接続しても動作する。キートップの刻印はアルファベットのみでかなは省略されている。接続は有線、キー数は113。Amazon向けに専用型番の「BSKBU515BK」が用意される。

ロジクール MX Keys(KX800)

MX Keys(KX800)
  • メーカー : ロジクール
  • 製品情報 :MX Keys(KX800)
  • 実売価格 : 14,500円(税別)※価格は掲載時のもの

 多数のキーボードを取りそろえるロジクールの製品群のなかで、エンジニアやプログラマーの利用を想定したタイピング機能重視の薄型モデル。キーカスタマイズにも対応する。キーはくぼみのあるデザインで、パンタグラフ式ゆえキーストロークは1.8mmとやや浅め。接続は2.4GHz独自方式もしくはBluetoothで、最大3台のデバイスで切り替えて使える。めずらしいバッテリ駆動式で、USB Type-Cによる充電で最大5カ月の使用が可能。キー数は113。

東プレ REALFORCE SA / R2SA-JP3-IV

REALFORCE SA / R2SA-JP3-IV

 静電容量無接点方式、静音ス00イッチを採用した国産モデル。キーが押されたと判断されるオン位置の深さを3段階で調整でき、かつ標準では4mmのキーストロークを浅くできるキースペーサーも付属したプロ仕様のモデル。複数キーの同時押しも認識するNキーロールオーバーにも対応し、10年以上使えるキーボードを探している方におすすめ。接続は有線、キー数は112で、色違いやテンキーレスなどの仕様違いも多数ラインナップされる。

マウス : 多ボタンで操作の効率アップ。オンボードメモリ製品にはとある利点も

マウスは今回は多ボタンタイプの製品を中心に紹介する。写真はエレコムの「M-DUX50BK」

 ノートPCにおけるマウスの必要性は説明不要だろう。ノートPCに付属するタッチパッドはマルチジェスチャー対応など着々と進化しつつあるものの、ホームポジションに指を置いたまま操作できるなどのいくつかの利点を除けば、細かいコントロールができる点などにおいては、やはりマウスのほうが優勢と言わざるを得ない。

 マウスを選ぶさいのポイントは多岐にわたるが、有線か無線かといった接続方式は、テレワーク用途ではあまり問題にならない。ここでは操作の効率化という観点で、ボタンの多さをチェックしてみたい。

 ボタンが多ければ、さまざまなショートカットを割り当てて操作を効率化できる。ゲーミング用のマウスともなると、2つや3つにとどまらず、10前後のボタンを備えた製品もあり、単純なショートカットに加えてマクロを割り当てられるので、定型操作を大きく効率化できる。

 またこれもゲーミング向けの製品が中心だが、設定したショートカットをPC上でなくマウス内部のメモリ領域に保存できる製品もある(オンボードメモリなどと呼ばれる)。ほかのPCにつないでもソフトウェアのインストールなしに同じショートカットを利用できるので、ソフトのインストールが許可されていない社用PCでの利用にあたり、あらかじめほかのPCでカスタマイズしてから接続するというワザが使える。

 ちなみにマウスもキーボードと同様、静音タイプのモデルが存在するが、キーボードに比べると静音性にだけ特化したモデルが多く、そこばかりにこだわっていると機能性で大きく遅れを取ってしまうこともある。タイピングが連続するキーボードよりは優先度は低めとみなして差し支えないだろう。

エレコム “DUX”MMOゲーミングマウス(M-DUX50BK)

“DUX”MMOゲーミングマウス(M-DUX50BK)

 左側面の9ボタンのほか、計14ものボタンを備えたモデル。もとはゲーミング向けでユーティリティの画面デザインもMMORPGを彷彿とさせるが、実売2,000円を切る異常なコスパの良さは魅力。ショートカットやマクロは本体内に保存できるので、ほかのPCに接続しても機能する。多ボタンマウスに興味はあるが予算が折り合わなかった人に最適。接続は有線。

Razer Basilisk Essential

Razer Basilisk Essential
  • メーカー : Razer
  • 製品情報 :Basilisk Essential
  • 実売価格 : 6,051円(税別)※価格は掲載時のもの

 側面2ボタンに加えて、グリップ部の先に独自のタブ構造の拡張ボタンを備えた7ボタンマウス。ショートカットやマクロを登録可能なゲーミングマウスだが、ビジネス用としても違和感のないベーシックなデザインが特徴で、価格も実売6,000円台とリーズナブル。拡張ボタンを使わない場合は誤操作防止のためにカバーにも交換できる。接続は有線。

Microsoft Precision Mouse

Precision Mouse
  • メーカー : 日本マイクロソフト
  • 製品情報 :Precision Mouse
  • 実売価格 : 10,964円(税別)※価格は掲載時のもの

 多ボタンマウスとしてはめずらしい、ゲーミングではなくオフィスユースを想定したルックスで、ゲーミングマウスにありがちな発光ギミックが苦手な人に適する。ホイールボタンと3つのサイドボタンはカスタマイズ可能で、ホイールは段階的なスクロールと滑らかなスクロールを切替可能。接続は有線とBluetoothの2択で、Bluetoothでは最大3デバイスでの同時利用も可能。内蔵バッテリで最大3カ月駆動する。

ロジクール G604

  • メーカー : ロジクール
  • 製品情報 :G604
  • 実売価格 : 11,600円(税別)※価格は掲載時のもの

 6個の側面ボタンを含む、合計15個ものボタンを備えたゲーミングマウス。解像度は最大16,000DPIの間で切替可能、さらに遅延の少ない同社独自のLIGHTSPEED方式に対応とビジネス向けにはややハイエンドだが、セール時には実売1万円を切る価格は魅力。ホイールの回転方式は2段階で切り替えられるほか、ショートカットやマクロは本体内に保存可能。接続は2.4GHz独自方式とBluetoothの2択で、単3形乾電池×1本で最大5.5カ月駆動する。

トラックボール : 在宅ならではの省スペースに有効。肩こりや腱鞘炎対策にも

動かすスペースが必要になるマウスと異なり、トラックボールは本体を置くスペースだけで済むのが特徴。写真はおすすめでも紹介しているナカバヤシの「MUS-TRLF132BK」

 在宅勤務では、オフィスほどの潤沢な作業スペースが確保できずに、一時的に食卓などを間借りしたり、また簡易なテーブルでの作業を強いられることもある。マウスを動かすのに十分なスペースがない場合も多いはずだ。

 こうした場合の解決策になりうるのがトラックボールだ。本体を動かすことでポインタを操作するマウスと異なり、上部についたボールを転がしてポインタを操作するトラックボールは、それ自体を動かさないため、マウスのような広い設置スペースを必要としない。

 また手首を固定したまま指先だけでカーソルを動かせることから、マウスの利用頻度が高いと起こりがちな肩こりや腱鞘炎の対策としても有効だ。キーボードの左側に設置して左手で操作できる製品もあるので、マウスの操作に疲れたときに左手で一時的に代替するのにも向いている。

 そんなトラックボールは、ボールを親指で動かすタイプと、人差し指で動かすタイプに大きく分かれる。親指で動かすタイプは一般的なマウスと同じく、人差し指と中指を左右ボタンのクリックとホイール操作に割り当て、普段はマウスの筐体を握っている親指をボールの操作に割り当てるため、マウスに近い感覚で操作できる。

 もう1つの、人差し指で操作するタイプについては、キー割り当てはマウスと異なるケースが多いが、親指タイプに比べると細かいコントロールがしやすい利点がある。とくにボールが滑りすぎる場合などは、中指を使って適度にブレーキをかけながら動かせるので、正確な操作が得意だ。

 親指タイプか人差し指タイプかは、トラックボールユーザーのなかでも派閥が分かれているほどで、一概にどちらがよいとは言えない。製品自体の出来も大きく影響してくるので、まずどれか評価が高い製品を選んでみて、実機で試してみるのがよいだろう。

ロジクール M570

M570
  • メーカー : ロジクール
  • 製品情報 :M570
  • 実売価格 : 5,310円(税別)※価格は掲載時のもの

 先代モデルから数えて10年近いロングセラーモデルで、ユーザーの間では「青玉のアレ」で通じるほど高い知名度と人気を誇る。ボタンは5つと少なめで、同社「MX ERGO」に比べてカスタマイズ性は低いが、実売5,000円台で買えるリーズナブルさが売り。ボールは親指で操作するタイプ。Unifyingレシーバにより最大6台のデバイスを切り替えて使えるのも特徴の1つ。接続は2.4GHz帯の独自方式で、単3形乾電池×1で最大18カ月駆動する。

Kensington Expert Mouse Optical Trackball

Expert Mouse Optical Trackball

 発売から十数年、いまだに第一線の超ロングセラーモデル。左右対称のデザインで右手はもちろん左手での利用にも対応。直径55mmの大型ボールは人差し指で操作するほか、ボール基部のリングを回すことでホイール操作にも対応。上下左右4つのボタンは自由にカスタマイズ可能。接続は有線で、ほぼ同一デザイン(色は異なる)のBluetoothモデルもラインナップする。

エレコム トラックボール“DEFT PRO”(M-DPT1MRBK)

トラックボール“DEFT PRO”(M-DPT1MRBK)

 複数ある同社のトラックボールのラインナップのなかでは数少ない人差し指操作タイプで、ボール径は44mm。左側面にチルト対応ホイールのほか3ボタンを搭載するなど独特のデザインで、計8ボタンとホイールボタンは機能を自由に割り当て可能。接続は有線のほか2.4GHz帯独自方式/Bluetoothにも対応し、単3形乾電池×1で最大約167時間の連続動作に対応する。

ナカバヤシ MUS-TRLF132BK

  • メーカー : ナカバヤシ
  • 製品情報 :MUS-TRLF132BK
  • 実売価格 : 5,250円(税別)※価格は掲載時のもの

 トラックボールのなかではひときわコンパクトな手のひらサイズの筐体が売りで、手が比較的小さなユーザーに向く。34mm径のボールの操作は親指で行なう。静音性を重視した5ボタン仕様だが、ユーティリティは用意されず、ボタンのカスタマイズには非対応。接続方式は2.4GHz帯独自方式で、単4形乾電池×2で電池交換の目安は約655日。同じ外観で有線/Bluetoothのモデル、およびそのカラーバリエーションもラインナップされる。