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東芝メモリ売却先、WDで最終調整 新連合に切り替え、月内決着目指す

 東芝が半導体子会社「東芝メモリ」の売却先を、米ウエスタンデジタル(WD)がつくる新連合に切り替える方向で最終調整に入ったことが23日、分かった。係争中のWDを取り込み、和解を探る。従来は産業革新機構を中心とする日米韓連合を優先交渉先としていた。ただ東芝内部ではWDへの不信感も根強く、一部幹部が切り替えに猛反発しており、実現するかは不透明だ。

 東芝首脳は先週、主力取引銀行に対し、WDのつくる新連合との売却交渉を優先する考えを伝えた。東芝は24日に社内外の取締役が会議を開き、売却交渉の月内決着を目指して協議を進める。

 WDは米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)や革新機構、日本政策投資銀行などと連合を組み、1兆9千億円規模での買収を提示している。ただ、独占禁止法の審査が長期化するのを避けるため、WDは議決権のない社債などで数千億円を拠出する方向で調整を進める。

 革新機構や政投銀は、米ファンドのベインキャピタルや韓国半導体大手SKハイニックスとの日米韓連合で東芝と優先交渉を進めてきた。しかし、売却手続きは当初想定から約2カ月遅れている。

 東芝は2期連続の債務超過を解消するために、来年3月までに東芝メモリを売却する必要がある。ただ、半導体生産で協業するWDは、東芝メモリの売却を「契約違反」として国際仲裁裁判所に提訴。日米韓連合はWDとの和解を買収の条件としており、交渉のネックとなっていた。

 事業売却に伴う独禁法の審査は、通常、半年以上かかるとされる。このため銀行団は審査期間を考慮し、東芝に8月中の売却契約締結を求めていた。契約に至ればWDは係争状態を解消する意向を示しており、綱川智社長や社外取締役の意向で和解の道を探る可能性が高い。

 ただ、買収条件でWD陣営の提示額は、日米韓連合が示した2兆円超を下回る。また、東芝の半導体部門などでは一貫して経営権を要求してきたWD陣営への反発も根強く、合意できるかは流動的だ。

 このため、東芝は日米韓連合とも継続して交渉する余地を残している。銀行関係者は、売却先の切り替えについて「東芝の問題。社内対立をどう収めるかだ」と述べた。