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脳波で「個人認証」 ハイジャック防止に応用も 鳥取大で実験

 無意識のうちに現れる脳波で個人を認証できる可能性があることを、鳥取大の研究チームが実験で突き止めた。脳波は指紋などと違って偽造が難しく、継続的に情報が得られる利点があり、旅客機の乗っ取り防止などで実用化を目指す。

 スマートフォンなどの個人認証で広く使われる指紋は、認証のたびに指を装置にかざす必要がある。これに対し脳波は測定器を帽子や眼鏡のように装着すれば、手間いらずで継続的に認証できる利点がある。

 例えば飛行中のパイロットがハイジャック犯ではなく、正規の操縦士であることを常時監視する場合、指紋で何度も確認させると操縦の妨げになってしまう。無意識に現れる脳波を利用すればこうした問題は起きず、なりすましを見破ることができる。

 チームは、外部からの刺激に反応して生じる脳波に個人差があることに着目。瞬間的な画像で潜在意識を刺激する「サブリミナル」という手法を利用し、20人を対象に実験した。

 映像を見ている途中で1000分の8秒だけ別の画像を見せたところ、左脳の前頭前野などで特定の周波数の脳波に顕著な個人差が表れ、75%程度の確率で個人を特定できた。

 指紋や虹彩による認証と比べ精度は低いが、今後は本人しか知らない写真を利用するなどして識別力を高める計画だ。ハイジャック対策のほか重要な機密情報へのアクセス管理などにも応用できるとみている。

 実用化までに5年以上かかるが、研究チームの中西功教授(電気電子工学)は「継続的で邪魔しないというのは、生体認証が最も威力を発揮する用途だ」と話す。