イベントレポート
Razer、オープンソースのVRプラットフォーム「OSVR」を発表
~TVに繋いでPCゲームが楽しめるAndroid TV採用STBも
(2015/1/9 09:35)
Razerは、オープンソースのバーチャルリアリティ(VR)プラットフォーム「OSVR」を発表し、OSVRベースのVRヘッドセット「OSVR Hacker Dev Kit」を利用したデモ展示を、2015 International CES会場ブースで行なった。また、大型TVなどに接続しゲームを楽しめるAndroid TVベースの小型STB「Razer Forge TV」や、膝の上に置いて利用できるキーボード「Turret」なども展示した。
OSVR
OSVRは、「Open-Source Virtual Reality」の略で、Razerが主導し、ヘッドセットや入力装置のメーカー、ゲーム開発者など多くのメーカーが賛同を表明している、VRのハードウェアとソフトウェアの統一プラットフォームだ。そしてこのOSVRに準拠したVRヘッドセットとして展示されていたのが「OSVR Hacker Dev Kit」である。
OSVR Hacker Dev Kitは、フルHD(1,920×1,080ドット)表示対応の5.5型液晶パネルを搭載し、60fpsの描画に対応。また、両目に対応する光学レンズが搭載され、そのレンズを通して液晶パネルの映像が大きく拡大されて見える構造となっている。視野角は左右それぞれ90度、両目で100度となる。センサーとしては、加速度センサー、ジャイロスコープ、電子コンパスを搭載し、頭の動きを捉えて表示に反映できる。また、機能拡張用のUSB 3.0ポートを外部に1ポート、内部に2ポート備えており、別途ハードウェアを追加した機能強化も可能としている。
OSVRのSDKは、既に評価版が配布されており、正式版は2015年第2四半期に提供される予定。また、OSVR Hacker Dev Kitは2015年6月に発売を予定しており、価格は199.99ドル。
VRゲームの分野は、Oculus RVの「Oculus Rift」の登場で一気に注目を集めるようになった印象があるが、オープンプラットフォームのシステムが登場することで、より広く普及する可能性がある。賛同メーカーが多数存在することも強みとなりそうで、今後の展開に注目したい。
Forge TV
Forge TVは、ゲームプレイに特化したAndroid TVベースの小型STBだ。Android向けのゲームプレイはもちろん、ネットワークストリーミングを利用したPCゲームのプレイも可能となっている。PCゲームのプレイには、PCゲームストリーミングソフト「Cortex:Stream」を利用。ネットワークを介して低遅延でPCゲームのストリーミングプレイを実現する。
STBはサイズが105×105×17mm(幅×奥行き×高さ)と手のひらに乗るほどに小さく、リビングのTVに設置する場合でも一切場所を取らない。SoCはSnadragon 805を採用し、RAMは2GB、ストレージは16GB。無線機能はIEEE 802.11ac(2×2)とBluetooth 4.0をサポートし、Gigabit Ethernetポートも用意。映像出力はHDMI 1.4。
また、ゲームコントローラ「Serval controller」も用意される。Bluetooth接続でのワイヤレス利用と、USBケーブルでの有線利用双方に対応。アナログスティック2本、十字ボタン、4個のボタンと左右2個ずつのトリガーボタンなど、構成は一般的なゲームコントローラと同等だ。
ブースではPCゲームのリモートプレイのデモが行なわれていたが、有線LANで接続されていたこともあって、遅延を一切感じることなくプレイ可能だった。また、リモートプレイ時の映像解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)で、PCのディスプレイでそのまま見ているのとほぼ変わらない品質だった。
Forge TVは、Forge TV単体とServal controllerとのセットモデルが用意され、価格は単体で99.99ドル、Serval controllerとのセットが149.99ドル。また、双方ともCortex: Streamがバンドルされる。2015年第1四半期の発売を予定している。
Turret
Turretは、リビングルームでのゲームプレイやForge TVなどの操作をターゲットとしたコンパクトなワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスのセットだ。細かな仕様は既報の通り。
特徴は、キーボードに折りたたみ式のマウスパッドが搭載され、膝の上に置いた状態でキーボードとマウスを安定して利用できるという点にある。マウスパッドを畳んだ状態ではキーボードのみとして利用でき、マウスが必要になるとマウスパッドを開いて利用する。マウスパッド部分は、表面がやや滑りにくい加工が施されている上に、付属マウスとマウスパッドが弱い力の磁石で貼り付くようになっている。このため、マウスをマウスパッドに置いた状態で多少キーボードを傾けてもマウスが滑り落ちることがなく、安定して利用できる。
キーボードは、コンパクトながらほぼフルサイズのキーピッチがあり、タッチもしっかりしており快適なタイピングが行なえる。アンチゴースト機能を搭載し、10個のキーの同時押しに対応するなど、ゲーミングキーボードとしての基本はしっかり抑えられている。ただ、膝に置いて使うことを想定していることもあってか、手に持つとやや重い印象がある。反面剛性は十分にあるため、膝の上に置いた状態であれば安定して利用可能だ。
キーボードとマウスにはリチウムポリマーバッテリが内蔵され、キーボードは連続で4カ月、マウスは連続で40時間の利用が可能。充電は付属の充電台を利用する。
発売は2015年第2四半期を予定しており、価格は129.99ドル。