【MWC 2011レポート】Acer、Android 3.0搭載予定のタブレットを展示
~縦長液晶のスマートフォンも

Acerブース

会期:2月14日~17日(スペイン時間)

会場:Fira de Barcelona(バルセロナ国際展示場)



 世界第3位のPCメーカーであるAcerは、近年PCだけでなくモバイル端末のビジネスも展開しており、Mobile World Congress(MWC)にもブースを構えて、スマートフォンやタブレットなどの展示を行なっている。今回のMWCには、ニューヨークの発表会で概要を明らかにしていたタブレット3製品を改めて展示し、詳細なスペックや実際に動作する様子などが公開された。

 さらに、スマートフォンでは、ユニークな縦長のディスプレイを備えた製品を展示し、Webブラウザなどによるコンテンツ閲覧時における優位性をアピールした。

●7型と10型のマルチタッチ液晶を採用したHoneycombタブレット

 Acerのタブレット(ICONIA TABというブランド名が採用されている)はAndroid 3.0(Honeycomb)ベースのものが2製品と、AMDのBrazosプラットフォームを採用したWindows 7ベースの1製品という合計3製品が展示されていた。

 Android 3.0ベースの製品としては7型のパネルを採用した「ICONIA TAB A100」、10型の「ICONIA TAB A500」の2製品が用意されており、それぞれ実際に触れる状態で展示されていた。ただ、展示機にインストールされていたのはAndroid 3.0ではなく、Android 2.2(Froyo)であり、すべての機能を試すことができる状態ではなかった。

 ICONIA TAB A100は7型のマルチタッチ液晶を搭載し、液晶の解像度は1,024×600ドット。マルチタッチは5点に対応可能で、複数タッチが必須なゲームなどにも対応できる。プロセッサにはTegra 250/1GHzを搭載しており、背面に500万画素、前面に200万画素のデジタルカメラ(単焦点)を備えている。

 内蔵メモリはRAMが512MB、内部ストレージが8GBとなっており、microSD(最大32GB)のスロットを利用してストレージ容量を増やすことが可能。さらに横の端子類には、microUSBの他に、mini HDMI端子を備えており、HDMIケーブルを経由してディスプレイやTVなどに映像を出力できる。

 対応する無線は、HSDPAに対応した3G(850/900/1,900/2,100MHz)、GSM(850/900/1,800/1,900MHz)だが、顧客の要求に応じて下り21MbpsのHSPA+やEV-DO Rev.Bに対応したモジュールに変更することも可能。このほか、Bluetooth 2.1+EDR、Wi-Fi(IEEE 802.11n、2.4GHz)などの無線をサポートする。

ICONIA TAB A100は7型の液晶搭載したタブレット展示状態では、Android 2.2搭載だったが、出荷時にはAndroid 3.0になる予定ICONIA TAB A100の背面。500万画素のカメラが搭載されている
microSDスロット、SIMカードスロットと思われる部分には蓋がしてあったので、展示機はWi-Fi版だと思われる右側面にはmini HDMI端子とmicroUSB端子が用意されていた

 ICONIA TAB A500は10.1型のWXGA(1,280×800ドット)のマルチタッチ液晶を搭載している。プロセッサはNVIDIAのTegra 250/1GHz、メモリはRAMが1GB、内蔵ストレージが16GBないしは32GBで、microSDスロットを備えており、最大で64GBまで対応可能になっている。A100と同じように、リア500万画素、フロント200万画素のカメラを備えている。

 端子類が特徴的で、microUSBとmini HDMI端子のほか、ホスト機能を備えたUSB端子が用意されており、Androidのドライバを備えたUSB機器などを利用することができる。対応する無線はA100とほぼ同じだが、3Gは顧客の要求に応じて下り21MbpsのHSPA+に対応したモジュールに変更できる。

ICONIA TAB A500は10型搭載のタブレット、ちなみにHoneycombタブレットにはホームボタンなどはなくソフトウェア的に表示される(Acer以外の製品も同様)ICONIA TAB A500も現状ではAndroid 2.2が搭載されていた、出荷時期にはAndroid 3.0になる予定背面には500万画素のカメラが用意されている
SIMカードとmicroSDのスロット左側面にはmini HDMI端子が用意されている右側面にはmicroUSB端子と、USBホスト機能を備えたUSB端子が用意されている

 なお、いずれのモデルも3G/GSMの機能は内蔵していないモデルも用意される。出荷時期だが、ICONIA TAB A500は4月に予定されており、ICONIA TAB A100は現時点では未定とのことだった。価格も現時点では未定だが、他のAndroid搭載タブレットと同じような価格帯にしたいとのことだった。

【表1】ICONIA TAB A100とICONIA TAB A500のスペック
 ICONIA A100ICONIA A500
プロセッサTegra 250/1GHzTegra 250/1GHz
メモリRAM512MB1GB
内蔵ストレージ8GB16GB/32GB
microSD32GBまで64GBまで
液晶ディスプレイ7型 1,024×600ドット10型 1,280×800ドット
ネットワーク3GHSDPA(850/900/1,900/2,100MHz)HSDPA(850/900/1,900/2,100MHz)
GSMEDGE(850/900/1,800/1,900MHz)EDGE(850/900/1,800/1,900MHz)
無線LANIEEE 802.11b/g/nIEEE 802.11b/g/n
BluetoothBluetooth 2.1+EDRBluetooth 2.1+EDR
カメラリア500万画素500万画素
フロント200万画素200万画素
バッテリ1,530mAh3,260mAh
OSAndroid 3.0Android 3.0
サイズ195×117×13.1mm260×177×13.3 mm
重量450g(Wi-Fiモデル)/470g(3Gモデル)700g(Wi-Fiモデル)/730g(3Gモデル)

●Windows 7を搭載したICONIA TAB W500

 「ICONIA TAB W500」は、AMDのC-50/1GHzを搭載したWindows 7 Home PremiumまたはProfessionalベースのタブレットで、基本はスレート型のタブレットだが、オプションでキーボードのドッキングステーションが用意されており、キーボードが必要なときにはクラムシェル型のノートPCとして利用できる。本体との接続は、USBを経由して行なわれるため、ホットドック、アンドックが可能だ。

 液晶は10.1型/1,280×800ドットで、マルチタッチ対応。メインメモリは2GB、内部ストレージは32GBのSSDが採用され、SDカードリーダが内蔵されている。リアが1,280×1,024ドット、フロントが640×480ドットのWebカメラを備えている。バッテリの容量は36Whで、HDビデオの再生で4時間利用可能。なお、重量は本体だけで970g、キーボードドッキングステーションは610gとなる。

 オプションで3Gにも対応可能で、HSDPA対応3G(850/900/1,900/2,100MHz)、GSM(850/900/1,800/1,900MHz)対応、21MbpsのHSPA+に対応したモジュールを内蔵することができる。このほか、Bluetooth 3.0、Wi-Fi(IEEE 802.11n、2.4GHz)に対応している。

ICONIA TAB W500のキーボード装着時ICONIA TAB W500のスレート時側面にはSDカードリーダ、HDMI端子などが用意されている
背面にはWebカメラが用意されている。なお、Webカムは前面にも底面にはキーボードドッキングステーション用のUSB端子と、もう1つのUSB端子が用意されている
ドッキング部分の端子、普通のUSB端子がそのまま利用されているこのようにドッキングする

 説明員によれば、ICONIA TAB W500はまもなく出荷が開始されるとのことで、今四半期中には市場に投入される可能性があるとのことだ。日本市場への投入は、現時点では未定とのことだった。

【表2】ICONIA TAB W500
 ICONIA W500
プロセッサAMD C-50/1GHz
メモリメインメモリ2GB
内蔵ストレージ32GB
SDカードリーダ内蔵
液晶ディスプレイ10.1型 1,280×800ドット
ネットワーク3GHSDPA(850/900/1,900/2,100MHz)
GSMEDGE(850/900/1,800/1,900MHz)
無線LANIEEE 802.11b/g/n
BluetoothBluetooth 2.1+EDR
カメラリア1,280×1,024ドット
フロント640×480ドット
バッテリ3,260mAh
OSWindows 7 Home Premium/Professional
サイズ275×190×15.95 mm(本体)、275×190×11~19.5 mm(キーボード)
重量970g(本体)、610g(キーボード)

●超縦長の4.8型液晶を搭載したスマートフォン「ICONIA SMART」

 Acerブースでもう1つの注目製品は、「ICONIA SMART」と呼ばれるスマートフォンだ。ユニークなのはその液晶で、4.8型で1,024×480ドットという解像度になっている。これにより、表示するエリアが増え、Webブラウザなども快適に表示できる。なお、スマートフォンではないが、日本の携帯電話にはこの解像度を搭載している製品がすでに存在しており、ソフトバンクモバイルから販売されていたシャープの931SHは3.8型ながら1,024×480ドットの液晶を搭載していた。

 CPUにはQualcomm MSM8255-1(Snapdragon)/1GHzを採用しており、ユーザーメモリは512MB、内蔵ストレージは8GBとなっている。対応する無線は、米国向けモデルがHSPA+(850/1,900/2,100MHz)、欧州向けモデルが(900/1,900/2,100MHz)とGSM(850/900/1,800/1,900MHz)に対応しているほか、Bluetooth 2.1+EDR、無線LAN(IEEE 802.11n、2.4GHz)、GPS(A-GPSに対応)をサポートしている。サイズは141.7×64.5×13.6mmで、重量は185gとなっている。

ICONIA SMARTは、4.8型1,024×480ドットの液晶を搭載したスマートフォンOSはGingerbreadことAndroid 2.3を採用している

 なお、販売時期、価格、日本への投入があるかなどを含めて現時点では未定とのことだった。

【表3】ICONIA SMART
 ICONIA SMART
プロセッサQualcomm MSM8255-1(Snapdragon)/1GHz
メモリメインメモリ512MB
内蔵ストレージ8GB
microSDSDHC
液晶ディスプレイ4.8型 1,024×480ドット
ネットワーク3GHSPA+(900/1,900/2,100MHz for EU、850/1,900/2,100MHz for US)
GSMEDGE(850/900/1,800/1,900MHz)
無線LANIEEE 802.11b/g/n
BluetoothBluetooth 2.1+EDR
カメラリア800万画素(フラッシュ付き)
フロント200万画素
バッテリ1,500mAh
OSAndroid 2.3(Gingerbread)
サイズ141.7×64.5×13.6mm
重量185g

(2011年 2月 18日)

[Reported by 笠原 一輝]