【COMPUTEX 2009 レポート】
会場で見かけた気になるパーツ
電源ユニット編

会場で展示されたPLUS 80電源

会期:6月2日~6日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



 「80 PLUS」は80 PLUSプログラムが推進する省電力化プログラムで、最上位の「GOLD」では、負荷に応じて87~90%という高効率が要求される。

 昨年までは、80PLUS GOLD認証を取得したATX電源ユニットは非常に数が少なかったが、今年に入って認証取得製品が増え、3月に開催されたCeBIT 2009でも複数のメーカーが展示を行なっていた。そして、COMPUTEX TAIPEI 2009の展示会場では、さらに多くのメーカーが、80PLUS GOLD認証を取得したATX電源ユニットを展示していた。そこで、会場で見かけた80PLUS GOLD認証電源をまとめて紹介しよう。

 ちなみに、展示数は比較的多かったものの、そのほとんどが発売時期や価格を未定としていた。その理由を聞いてみたところ、価格がかなり高くなってしまうために、あまり売れないと考えているから、という答えが多かった。おそらく、まだ市場の反応を見ながら販売計画を練っている段階と考えていいだろう。また、今回取り上げたメーカーは、全て日本市場で直接一般消費者向けに製品を販売しておらず、発売時期や価格を示している製品についても、日本市場では代理店経由での販売となるため、発売時期や価格が大きく異なる可能性がある点は、あらかじめ頭に入れておいてもらいたい。

●AcBel

 AcBelは、容量900Wの「R9 Power 900W PC8054」と、容量1100Wの「R9 Power 1100W PC8055」の、2種類の80PLUS GOLD認証電源を展示。Active PFC搭載。搭載されるコンデンサには日本製の固体コンデンサを採用。回転数自動制御の12cmファンを搭載し、静音性にも優れるとする。PCI-E電源は双方とも6個備える。サイズは、双方とも150×190×86mm(幅×奥行き×高さ)。発売時期および価格は未定だ。

容量900Wの80PLUS GOLD認証電源「R9 Power 900W PC8054」こちらは、容量1.100Wの80PLUS GOLD認証電源「R9 Power 1100W PC8055」
●CoolerMaster
容量900Wの80PLUS GOLD認証電源「UCP 900W Gold」。参考出品で、発売時期は未定だ

 CoolerMasterは、容量900Wの80PLUS GOLD認証電源「UCP 900W Gold」を展示。今回の展示は参考出品であり、詳しい仕様などは不明だが、型番や外見の形状から、80PLUS SILVER認証を取得している「UCP 900W」をベースとして、80PLUS GOLDの認証を取得できるように高効率化を果たしたものと思われる。現時点では、出荷時期は確定していないそうだが、市場のニーズを確認した上で出荷を検討するとしている。

●CWT
容量700Wの80PLUS GOLD認証電源「PUK 700」。他に容量500Wと600Wのモデルもラインナップされている

 CWTは、容量700Wの80PLUS GOLD認証電源「PUK 700」を展示。Active PFC搭載。回転数自動制御の14cmファンを搭載し、優れた静音性を実現。今回は、容量700Wのモデルのみの展示であったが、ラインナップには容量500Wの「PUK 500」および容量600Wの「PUK 600」も用意されており、全部で3モデルが用意されることになる。今回展示されていたPUK 700に関しては、9月頃の発売を予定。価格は未定だ。

●Enermax

 Enermaxは、3月にドイツで開催されたCeBIT 2009で公開していた、容量1,100Wの80PLUS GOLD認証電源「FG1100」を展示するとともに、新モデルとなる80PLUS GOLD認証電源を展示。容量450W、550W、650Wの3モデルが用意されるそうだが、製品名はまだ付けられていなかった。ツイスターベアリングと、コウモリの羽のような特殊な形状(バットウイング)のファンブレードを採用する、自動回転数制御のMAGMAファンを搭載するとともに、吸気口のメッシュも空気を取り込みやすい構造を採用することで、優れた静音性も実現している。また、電源ケーブルの一部はモジュラー式を採用している。発売時期および価格は未定だそうだ。

 ちなみに、80PLUSのサイトを見る限り、認証を受けているのは550Wおよび650Wのみとなっており、450Wモデルは登場が遅れる可能性がある。認証モデルの型番は、550Wモデルが「EDM550AWT」、650Wモデルが「EDM650AWT」となっている。

既に発表済みの、容量1,100Wの80PLUS GOLD認証電源「EG1100」80PLUS GOLD認証電源の新モデル。容量450W、550W、650Wの3モデルを用意
MAGMAファンを採用するとともに、吸入口のメッシュ構造を見直して低回転時でも風量を増やし、静音性を高めているモジュラー式の電源ケーブルを採用している

●FSP TECHNOLOGY
容量700Wの80PLUS GOLD認証電源「FSP700-90TGN」

 FSP TECHNOLOGYは、容量700Wの80PLUS GOLD認証電源「FSP700-90TGN」を展示。優れた効率を実現するとともに、13.5cmファンを搭載し、静音性にも優れるとする。本体サイズは、150×175×86mm(同)で、電源ケーブルは直付けタイプだ。発売時期は年内を予定しているそうだが、価格は未定だ。

●High Power

 HighPowerは、Absolute POWERシリーズの新モデルとなる、容量1,000Wの「HP-1000-G14C-Gold」と、容量1,200Wの「HP-1200-G14C-Gold」の、2種類の80PLUS GOLD認証電源を展示。Active PFC搭載。搭載されるコンデンサは日本製のものを採用。回転数自動制御の13.5cmファンを搭載し、静音性にも優れる。電源ケーブルは、直付けとモジュラー式を併用。本体サイズは、150×175mm×86mm(同)だ。今回展示されていたのは2モデルのみだが、ラインナップには容量850Wのモデル「HP-850-G14C」も用意されており、全3モデルとなっている。発売時期は2009年第3四半期(7月末頃)を予定。価格は未定だ。


容量1,200Wの80PLUS GOLD認証電源「HP-1200-G14C-Gold」こちらは、容量1,000Wの80PLUS GOLD認証電源「HP-1000-G14C-Gold」
●Rosewill

 今年がCOMPUTEX TAIPEI初参加となる、アメリカのPCパーツメーカーRosewillは、容量850Wの「RGD850-M」と、容量1,000Wの「RGD1000-M」の、2種類の80PLUS GOLD認証電源を展示。ActivePFC搭載により優れた電力効率を実現、13.5cmのデュアルボールベアリング静音ファンにより静音性にも優れるとする。850Wモデルと1,000Wモデルの違いは、PCI-E電源ケーブルの本数で、850Wモデルは4本、1,000Wモデルは6本となる。また、PCI-EやSATAなどの電源コネクタはモジュラー式を採用している(1,000Wモデルでは、PCI-E電源のうち2本は直付け)。COMPUTEX TAIPEI 2009終了後、間を置かず発売を予定しているそうだが、価格は未定だそうだ。


容量850Wの80PLUS GOLD認証電源「RGD850-M」(右)と、容量1,000Wの80PLUS GOLD認証電源「RGD1000-M」(左)双方ともモジュラー式の電源ケーブルを採用する
●Seasonic
容量650Wの80PLUS GOLD認証電源「SS-650KM」。容量750Wモデルも用意される

 Seasonicは、容量650Wの80PLUS GOLD認証電源「X-SERIES SS-650KM」を展示。日本製の105℃コンデンサを採用、回転数自動制御「Hybrid Silent Fan Control」による優れた静音性も実現。電源ケーブルは、全てモジュラー式を採用。PCI-E電源は4本用意される。本体サイズは、幅150×160×86mm(同)とコンパクト。ラインナップとしては、展示されていた650Wモデルに加え、容量750Wの「SS-750KM」も用意され、全2モデルとなる。発売時期は8月を予定しているそうだが、日本での発売時期や価格に関しては未定。

●Super Flower

 Super Flowerは、容量700Wの80PLUS GOLD認証電源「SF-700P14XE」を展示。展示されていた個体では、「SF-700“R”14XE」と刻印されていたが、80PLUSサイトの情報や同社のカタログの記載では「SF-700"P"14XE」となっており、こちらが正解だ。電源ケーブルは着脱式を採用しており、コネクタ部にはLEDが取り付けられ青く光る。また、13.5cmファンが搭載され静音性にも優れるとされる。展示されていた700Wモデルに加え、容量600Wモデルの「SF-600P14XE」、容量650Wモデルの「SF-650P14XE」も用意され、全3モデルとなる。先ほどの80PLUSサイトでは、容量550Wの「SF-550P14XE」も80PLUS GOLD認証を取得しているが、現時点ではラインナップには含まれていない。発売時期は2009年10月を予定しており、価格はSF-700P14XEについては$70を予定しているそうだ。

容量700Wの80PLUS GOLD認証電源「SF-700P14XE」。容量600W、650Wのモデルも用意される独特な形状のモジュラー式電源ケーブルを採用する

●Topower
容量850Wの80PLUS GOLD認証電源。量産モデルではないため型番は付けられておらず詳細な仕様も不明だ

 Topowerは、容量850Wの80PLUS GOLD認証電源を展示。ただし、展示されていた個体は量産モデルではないため型番はまだ付けられておらず、電源ケーブルの本数などの詳細な仕様も不明。それでも発売時期は2009年第4四半期を予定しているそうだ。

(2009年 6月 8日)

[Reported by 平澤 寿康]