イベントレポート

【東京ゲームショウ2014】ALIENWAREの超小型ゲームPCが日本上陸

~GPUの詳細が世界初公開。ライバルはゲームコンソール

ALIENWAREブース

 東京ゲームショウ2014でひときわ大きなブースを構えるのは、日本マイクロソフト、ソニー・コンピュータエンタテインメント、セガ、コナミデジタルエンタテインメント、エレクトロニック・アーツ、カプコン、バンダイナムコゲームス、コーエーテクモゲームス、スクウェア・エニックスなどなど、言わずと知れたハードウェア/ソフトウェアベンダーで、招待制のビジネスデイでも多くの来場者で賑わっている。

 そんな中、PCゲームは市場性から言っても、ややマイナーな立場にあると言えるが、デルは会場中央にゲーミングPC「ALIENWARE」で巨大なブースを構え、本日18日付けで予約販売を開始した超小型デスクトップ「ALIENWARE Alpha」(以下、Alpha)の試遊機を多数並べて、その高い性能や優位性を声高にアピールしている。

「ALIENWARE Alpha」

 同ブースの主役はAlpha。20台のデモ機が用意され、全てに違うタイトルがインストールされており、さまざまな人気タイトルをプレイできるようになっている。

 Alphaは、200×200×55mm(幅×奥行き×高さ)、容積2.2Lと、デスクトップPCとしてかなり小型だが、Haswellと上位のGeForceを搭載し、ゲーミングPCとして高い性能を発揮するとしている。

 さらにユニークなのは、プラットフォームはx86 PCだが、同社ではゲーミングコンソールという扱いをしており、ValveのSTEAM経由で提供されるゲームのプレイに特化させた設計となっている。実際、OSに通常のWindows 8.1を搭載するが、その上に独自の「Alpha UI」をかぶせており、ゲームコントローラのみで操作可能となっている。もちろん、デスクトップモードに移ることで、Officeなど通常のWindowsアプリを動かすこともできる。

 ラインナップは、スタンダード、プレミアム、プラチナの3つ。スタンダードは、Core i3-4130T(2.9GHz)、メモリ4GB、HDD 500GBを搭載し、価格は64,584円。プレミアムは、Core i5-4590T(2GHz)、メモリ8GB、HDD 1TBを搭載し、価格は81,864円。プラチナは、Core i7-4765T(2GHz)、メモリ8GB、HDD 2TBを搭載し、価格は96,984円。

 このほか、共通の仕様として、GeForce GTX 860M、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN(スタンダードは1x1、プレミアム以上は2x2 MIMO)、USB 2.0×2、USB 3.0×2、Gigabit Ethernet、HDMI 1.4a出力、HDMI入力、音声入出力を備え、Xbox 360ワイヤレスコントローラーが付属する。

 発売は11月21日だが、9月18日よりAmazon.co.jpで先行予約を受け付けている。

ALIENWARE Alpha試遊台
かなりコンパクトな筐体
電源を入れるとエイリアンのレリーフが光る
背面もPCとしてかなりシンプル。基本的には電源とHDMIさえ繋げば使える
側面
Xbox 360コントローラが付属

 ブースでは米Dell ALIENWARE Product Marketing Groupのマーク・ダイアナ氏がステージに登場し、同製品の見所を紹介。ダイアナ氏は、本製品を他のPCと比較するのではなく、PlayStation 4(PS4)、Xbox Oneといったゲーム専用機に対してさまざまな優位性を持つのだとアピールした。

Dellのマーク・ダイアナ氏

 具体的には、ネイティブで1080pでプレイできる点、4K動画の出力、ゲームの平均価格が低い点、過去のタイトルとの互換性、ゲームの数など。ゲームの数については、Xbox Oneが59本、PS4が111本に対して、Alphaは3,200本をサポート。2.2Lというサイズについても、PS4は4.8L、Xbox Oneは7.4Lと、Alphaの方がかなり小さいという数値を示した。

 一方、性能については、これまでAlphaのGPUは「GeForce」とだけ紹介されていたが、これがMaxwellアーキテクチャのGeForce GTX 860Mを、NVIDIAと共同でカスタマイズしたものであることを初めて明らかにした。型番には特に変更はないので、抜本的な変更ではないと思われるが、ダイアナ氏は性能を引き上げたと語っており、高クロック化しつつ、小型の筐体に収まるよう低いTDPでも性能が発揮できるようにしたようだ。

 デモでもグラフィックが重めのゲームが1080pにおいて、平均60fps程度出ていることがアピールされた。また、消費電力についても、両ゲーム機の150Wに対し、130Wに抑えている。

 もう1つユニークなのが拡張性で、Alphaは、底面のネジ4本を外すだけで、上蓋が取れる。中には、CPU用とGPU用のクーラーがあるが、これはワンタッチで外すことができ、中のCPUとメモリにアクセスできる。また、裏蓋を外せば、HDDにアクセスできる。この3つの部品については、汎用品を使っているので、ユーザーがより上のものにアップグレードすることもできる。さらにデルは、ユーザーが購入後に自分でアップグレードした場合でも、本体の保証を継続するとしている。GPUはモバイル用で基板に直付けと思われ交換ができないものの、ゲーム専用機にはないPCプラットフォームならではのメリットと言えるだろう。

PS4、Xbox Oneとの比較その1
PS4、Xbox Oneとの比較その2
GPUはGeForce GTX 860Mをカスタマイズしたもの
筐体は底面のネジ4本を外すだけで開けられる
内部。CPUとGPUのクーラーが見える
クーラーはワンタッチで外れる
2つとも外したところ
その内部。SO-DIMMはユーザーが交換可能。ヒートシンクを外せばCPUも換えられる
裏面にHDDがあり、これも換装可能。交換しても保証は切れない
バットマン、スカイリム、バイオショックといったヘビー級のゲームもフルHDで高いフレームレートを維持できる

 このほか、同ブースでは、SLIにも対応する超ハイエンドゲーミングデスクトップ「ALIENWARE Area-51」を展示。こちらは、YouTubeなどに紹介動画も上がっているが、まだ全貌は明らかにされておらず、参考展示に留まっている。ただし、日本でも発売に向けて動いており、早ければ年内にも投入されるかもしれない。

 また、スクウェア・エニックスとのコラボで「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」PvPフロントラインコーナーが用意されており、ALIENWAREノートPCを使って、スクウェア・エニックスブースの人と8対8対8という特別な設定でオンライン対戦ができるようになっている。

「ALIENWARE Area-51」
側面は角を切り取った三角形という特異な形状
中心から伸びるLEDは色を変えられる
正面もLEDで縁取り。こちらに光学ドライブやUSBなどを装備
背面は一般的なPCと同じで、ちょっと安心する(?)
斜めから見たところ
「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」の特別対人戦コーナーも

(若杉 紀彦)