【Imagine Cup 2011レポート】
イマジンカップ世界大会に向け、代表2チームが日本を出発
~全世界70カ国が参加し、7月8日からニューヨークで世界大会

会期:7月8日~13日(現地時間)
会場:米国ニューヨーク



 米国時間の2011年7月8日に、ニューヨークで開催される「ImagineCup(イマジンカップ) 2011世界大会」に参加する日本代表チームの壮行会が、7月7日午前10時30分から、東京・品川の日本マイクロソフト本社で行なわれた。

 イマジンカップは、全世界の学生を対象に実施しているIT技術コンテストで、9回目となる今回は、183の国と地域、35万人以上の学生が参加。世界大会は、各国の予選を通過した70カ国400人、128のプロジェクトによって競われることになる。

 日本からは、4月17日に行なわれた日本大会で優勝したソフトウェアデザイン部門の同志社大学大学院の「MI3」、組み込み開発部門では、京都大学大学院などによる「SunDonation」の2チームが参加する。

 MI3は、アフリカなどの医師不足や病院へのアクセスが困難な地域に対して、SNSを利用した簡易総合診察および医療クラウドを用い、Windows Phone 7などの端末によって地域住民による自立的解決支援を提案する「Dr.ONE」を、SunDonationは、Azureとタッチディスプレイおよびデジタルサイネージを利用し、継続的に募金ができる新たなシステムを提案した。

 MI3のリーダーを務める同志社大学大学院の今井祐介さんは、「これまで多くの時間を割いてきた、後悔がないように、一気に力を出し切っていきたい」と挨拶。また、SunDonationのリーダーである西脇春名さんは、「日本大会とはメンバーがごっそりと変わったが、力を出していきたい」とした。

世界大会のスケジュールガッツポーズで世界大会に出発した2チームおよびその関係者
MI3のリーダーを務める同志社大学大学院の今井祐介さんSunDonationのリーダーである西脇春名さん

 そのほか、すでに、Windows 7 Touch Challengeで3位入賞が決定したIUVOの2人の高校生が参加。その1人である筑波大学駒場高校の金井仁弘さんは、「昨年の大会では第1ラウンドで敗退して悔しい思いをしたが、今年はこの分野で3位となった。高校生レポーターとして、代表2チームをサポートする」と語った。

 また、Social Media Student EnthusiastとしてMSPsの2人が日本から参加することになっている。

壮行会で挨拶する日本マイクロソフトの最高技術責任者である加治佐俊一氏

 日本マイクロソフトの最高技術責任者である加治佐俊一氏は、「英語も、プレゼンテーションもブラッシュアップされている。1週間前に大阪で行なったプレゼンテーションでは、厳しいことを言ったが、若い人たちの限界は広がっていくもの。期待している。自分の力を全部出し切り、周りのすごい連中と競争して欲しい。また、周りのすごい連中のいいところを学び、自分をアピールすることにも力を注いでほしい」と激励した。

 また、マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部アカデミックテクノロジー推進部の伊藤信博部長は、「大阪でのプレゼンテーションでは、ビル・ゲイツ氏が開発の前線に取り組んでいた当時に、厳しいレビューを受けた開発者たちによって、世界大会でも出ないような厳しい質問があった。学生が夢を持って挑むことが大切であるという原点に戻ってサポートをしてきた。世界大会で優勝するんだという気持ちを持って、これを成し遂げたい。日本は絶対に立ち上がるんだということを証明したい」と熱く語った。

 壮行会に駆けつけた文部科学省副大臣の鈴木寛氏の秘書である日下部恵一郎氏は、「いまの経験は未来につながる。英語でプレゼンテーションをすることで、日本語の大切さも理解できるだろう。がんばってください」とコメント。さらにビデオメッセージで鈴木寛氏が、「参加される学生は、日本の未来、世界の未来、そして新しい時代の創造者である。日本の情報技術能力の高さを発信してほしい。がんばってください」とメッセージを送った。

 日本代表は、過去にはビジュアルゲーミング部門で優勝した実績を持つが、ソフトウェアデザイン部門、組み込み開発部門での優勝実績がない。

 世界大会では、初日に米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOの講演が行なわれたあと、2日目となる米国時間の7月9日午前8時から競技が開始され、同日午後9時には第2ラウンドへの進出チームが発表される。また10日午後9時にはファイナルステージへの進出チームが発表され、12日にファイナルステージが行われ、13日午後4時に優勝チームが発表される予定だ。

 なお、今回の世界大会では、65人の女性が参加。昨年の30人から大幅に増加しており、4チームは女性だけで構成されているという。日本からは2人の女性が参加する。

 また、世界大会参加プロジェクトの25%が環境をテーマにしたものであり、Windows Phone 7を活用したプロジェクトが47%、Windows Azureを活用したプロジェクトが32%、Kinectテクノロジーを採用したプロジェクトが10プロジェクトあるという。

マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部アカデミックテクノロジー推進部の伊藤信博部長文部科学省副大臣の鈴木寛氏の秘書である日下部恵一郎氏ビデオメッセージを送った文部科学省副大臣の鈴木寛氏
世界大会に参加する2チームのほか、Windows 7 Touch Challengeで3位入賞が決定したIUVO、そして、Social Media Student EnthusiastとしてMSPsの2人が日本から参加する壮行会で行なわれた2チームによるプレゼンテーション
日本代表チームに配られたTシャツ。デザインは、SunDonationのメンバーの1人である田中天さんによるものだ。日本マイクロソフト本社に最寄りのJR品川駅から成田エクスプレスに乗り込む参加者

(2011年 7月 7日)

[Reported by 大河原 克行]