【COMPUTEX 2011レポート】
【MSIブース編】世界初PCIe Gen3対応Z68マザー
~X79、AMD 9マザーやCedarviewタブレットなども

会期:5月31日~6月4日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



 MSIのブースでは、世界で初めてPCI Express Gen3をサポートするIntel Z68 Expressマザーボードなど特色ある新製品が多数展示されている。

 「Z68A-GD80(G3)」は、Intel Z68 Expressチップセットを採用し、現行の第2世代Coreプロセッサおよび、次期Ivy Bridge(コードネーム)をサポートするとともに、世界で初めてPCI Express Gen3への対応を果たしたマザーボード。

 PCI Express Gen3は現在のGen2から帯域をさらに2倍に広げたもの。その恩恵を最も受けると思われるビデオカードについては、Gen3対応製品はまだ存在せず、かつこのマザーボードでGen3を利用するには、CPUがIvy Bridgeである必要があるものの、同社がSATAカードやRAIDカードなどで検証したところ、Gen2に対して2~3割の性能向上が見られたという。

 ビデオカード回りについては、NVIDIA SLIとAMD CrossFireに対応するほか、VirtuによるCPU内蔵GPUとの動的切り換えに対応。また、オーバークロック機能「OC Genie II」や高耐性/長寿命を謳う「Military Class II」など同社製品の特徴を踏襲する。

 メモリは4スロット、拡張スロットはPCI Express x16×2、同x4×1、同x1×2、PCI×2、SATAは6Gbps×4を備える。

 そのほか、すでに日本でも発表されている「Z68A-GD80」の下位モデルにあたり、拡張スロットの構成などを変更した「Z68A-GD55」も展示されていたが、日本での発売は未定。

 COMPUTEX 2011で事実上の解禁となっている、Intel X79 Expressチップセット搭載品も「X79A-GD65」という製品を展示。同チップセットは次期デスクトップ向けハイエンドCPUである「Sandy Bridge-E」に対応するもので、Socket 2011を搭載する。

 まだ細かな情報は公開されていないが、ヒートシンク上には「Military Class III」のロゴが刻印されており、さらなる耐性や長寿命を実現しているものと思われる。

 メモリは4スロット、拡張スロットはPCI Express x16×3、同x1×3、PCI×2、SATAは6Gbps×10を備える。

 一方のAMDプラットフォームについては、AMD 990FXチップセットを採用する「990FXA-GD80」を展示。現行のPhenom IIやAthlon IIに加え、ブランドが「FX」になることが明らかになったBulldozerに対応する。

 目を引くのは、PCI Express x16スロット(8レーン接続)を4本搭載する点で、3wayまでのSLIか4wayのCrossFireX構成が可能となっている。

Z68A-GD80(G3)Z68A-GD55
X79A-GD65990FXA-GD80

 タブレットとしては、AMD Brazos搭載の「Windpad 110W」のほか、ほぼ同デザインでNVIDIA Tegra 2搭載の「Windpad 100A」、そしてIntel Cedarview搭載の「Windpad 120W」と、が展示されていた。

 Cedarviewは現行のPineviewの後継となるAtomで、32nmプロセスで製造される。デバイスマネージャを見ると、1.86GHz駆動の論理コアが4基と、GMA 3600というビデオ機能が確認できた。

 また、Windowsエクスペリエンス・インデックスは、プロセッサが3.5、メモリが5.1、グラフィックス5.2、ゲーム用グラフィックスが3.4と、全般にPineviewより強化され、特にWindows Aeroの描画性能が向上している。

Brazos搭載Windpad 110W上面右側面
左側面底面背面
Cedarview搭載Windpad 120WデバイスマネージャーWindowsエクスペリエンス・インデックス
Tegra 2搭載Windpad 100A検索ボタンなどのほかに、一番上にポインティングデバイスを装備レディー・ガガの衣装も手掛けるファッションデザイナーのジェレミー・スコット氏との協業モデルもある

 ビデオカードの変わり種と言えるのが、GeForce GTX 580を搭載する「N580GTX Lightning Xtreme Edition」。同社の他のハイエンド製品のように、冷却はファンを2基搭載する「Twin Frozr III」なのだが、本製品の青いファン2つは、電源投入時に30秒間、通常とは逆方向に回転する。これにより、ファンに付着した埃を吹き飛ばすようになっている。また、この色は特殊なインクを使っており、周辺温度が45℃程度になると白く変化するようになっている。もちろんファンの色はケース内を覗かないと確認できないが、脱塵機能はユニークな機能だと言える。

 このほか、ノートPCで、SteelSeriesと協業し、同社のキーボードを採用し、GeForce GTX 560Mを搭載したゲーミング向けの「GT780R」が展示された。10キー迄の同時押しに対応するほか、最近の製品では珍しくノングレアの液晶を採用するのが特徴。日本でも6月に発売の予定。

「N580GTX Lightning Xtreme Edition」強制的に温度を上げてみたところ。部分的に白くなってきてるのが分かるSteelSeriesのキーボードを搭載する「GT780R」。5色のバックライトも内蔵

(2011年 6月 2日)

[Reported by 若杉 紀彦]