イベントレポート

JMicron、microSD Expressリーダなど「USB 3.2」関連製品

JMicronが展示した、SD7.0、PCIe Gen3 x2、SATA 6Gbps to USB 3.2 Gen2ブリッジチップ「JMS581」を利用したmicroSD Expressカードリーダーのプロトタイプ

 台湾JMicron Technologyは、COMPUTEX 2019開催に合わせて台北市内のホテルにプライベートブースを構え、USB 3.2 Gen2対応ソリューションの展示を行なった。

 まず、プロトタイプとして展示していたのが「JMS581」で、こちらは、SD7.0、PCIe Gen3 x2、SATA 6Gbpsに対応するUSB 3.2 Gen2ブリッジチップとなる。

 同チップでは、SD 7.0で追加された、インターフェイスにPCIe Gen 3を採用する高速SDカード規格「SD Express」カードを、USB 3.2 Gen 2経由で読み書き可能となる。

 ブースでは、microSD Express対応カードリーダーのプロトタイプを用意し、実際にSanDisk製の128GB microSD Expressを利用した性能テストを行なっていたが、リード820.4MB/s、ライト474.4MB/sと、非常に高速な転送速度が確認できた。

 合わせて、同じSanDiskの128GB microSD ExpressカードをマザーボードのPCI Expressスロットに直接接続した性能テストも行なわれており、そちらではリード818.9MB/s、ライト494.3MB/sを記録。

 このことから、JM581を介してUSB 3.2 Gen2経由でアクセスした場合でも、microSD Expressのパフォーマンスが最大限引き出せるとアピールしていた。

 また、JM581を利用することで、SD 7.0、PCIe Gen3 x2、SATA 6Gbpsの間でのオフラインファイルコピーも実現可能だという。PCを介することなく、SD ExpressからSSDやHDDにファイルをコピーできるため、容易にデータのバックアップが可能になると説明していた。

SanDiskのmicroSD Expressカードを利用してデモを行っていた
アクセス速度はリード820.4MB/s、ライト474MB/sを記録していた
これが実際の稼働モデル。microSD Expressスロットにはヒートシンクが装着されており、発熱の大きさがうかがえる
ブースでは、microSD ExpressをPCのPCIeポートに直接接続した状態での性能テストも実施
microSD ExpressをPCIeに直接接続した場合の速度、JMS581を介してUSB 3.2 Gen2で接続した場合とほぼ同等の速度だった
JMS581では、SD 7.0、PCIe Gen3 x2、SATA 6Gbpsの間でのオフラインファイルコピーも実現可能

 同じくプロトタイプとして展示した「JMS586」は、PCIe Gen3 x4/NVMe SSDに対応するUSB 3.2 Gen2x2ブリッジチップだ。USB接続のポータブルSSDや超高速USBメモリなどでの利用をターゲットとしている。

 USB 3.2 Gen2x2では、USB 3.1までは片側しか使われていなかった、USB Type-Cコネクタの表裏に用意されている信号線の双方を利用することでデータポートを2ポート束ね、20Gbpsの高速アクセスを可能としている。

 そしてJMS586では、PCIe Gen3 x2とUSB 3.2 Gen2x2をブリッジすることで、USB経由でPCIe Gen3/NVMe SSDの高速アクセスが可能となっている。ブースのデモでは、PCIe Gen3 x4/NVMe対応SSDをUSB 3.2 Gen2x2を介してPCに接続しており、リード・ライトともに1,000MB/sを上回るアクセス速度が確認できた。

PCIe Gen3 x4/NVMe SSDに対応するUSB 3.2 Gen2x2ブリッジチップ「JMS586」の仕様
JMS581のプロトタイプを利用したデモ環境。PCIe Gen3 x4/NVMe対応SSDをUSB 3.2 Gen2x2でPCに接続して性能テストが行なわれていた
リード、ライトとも1,000MB/s超の速度が発揮されることを確認

 さらに、USB 3.2 Gen2x2またはeSATAとSATA 6Gbps×5 RAIDのブリッジチップ「JMS591」も展示。

 SATA 6Gbpsを5ポート備え、RAID 0/1/5/10をサポート。PCからはeSATAまたはUSB 3.2 Gen2x2を経由してRAIDボリュームへとアクセスできる。RAIDボリュームへのアクセス速度はリード、ライトともに2,000MB/sに達するとのことで、SATA SSDを利用したRAIDボリュームを構築した場合でも、十分なアクセス速度を確保できるとしている。

USB 3.2 Gen2x2またはeSATAとSATA 6Gbps×5 RAIDのブリッジチップ「JMS591」の仕様。USB 3.2 Gen2x2接続でリード、ライトとも2,000MB/sでRAIDボリュームにアクセスできる
JMS591のプロトタイプにSATA SSDを4台接続してデモが行われた