イベントレポート

Dell、15型有機ELゲーミングノートと55型4K/120Hzゲーミング有機ELディスプレイの開発意向を表明

Alienwareのデザイン意匠で設計される55型4K/120HzのOLEDゲーミングディスプレイ

 米DellはCES初日にあたる1月8日に、会場近くのシアターで記者会見を行ない、同社の2019年向け新製品を発表した。

 この記者会見の中で、Dell 副社長 兼 XPS/Alienware/Gシリーズ責任者のフランク・アゾール氏は「今後我々はさらなる新製品を計画している」と述べ、有機EL(OLED)を採用したゲーミング製品の開発意向表明を行なった。

新カラーとDolby Visionに対応したXPS 13、コンパクトな2-in-1となるLatitude 7400 2-in-1にも注目

 Dellは昨年(2018年)と同じく、CESの2つ目のメイン会場にあたるSANDS EXPOに隣接するシアターにおいて記者会見を行なった。

 この中でフィーチャーされた製品は3つあり、1つ目は新しいXPS 13(別記事参照)、2つ目は新しいLatitude 7400 2-in-1(別記事参照)、3つ目がAlienware Area-51m(別記事参照)となる。

XPS 13

 Dellが発表したXPS 13は、既報のとおり、2.5mmという超小型カメラを開発したことで、従来のXPS 13ではディスプレイの下部にあったカメラを3辺が狭額縁のまま上部に移動し、ディスプレイの下部から見上げるような映像になってしまう問題を解決している。

 また、ディスプレイはDolbyVisionに対応しており、コンテンツの再生時の表示品質が上がっている。

小型カメラを開発して上部にカメラを移動した
XPS 13は熱設計に力を入れており、暖まってきても性能が低下しないとアピール

 Latitude 7400 2-in-1は14型のディスプレイを採用した2in1型デバイスだが、ディスプレイが狭額縁になっており、底面積は13型と同じというコンパクトな製品に仕上がっている。イメージとしてはXPS 13 2-in-1を、Uプロセッサにして、かつディスプレイを14型にした製品、そうしたイメージの製品だ。

 XPSシリーズがコンシューマ向けとされているのに対して、Latitude 7400 2-in-1はビジネス向けとされており、企業やSOHOなどの市場をターゲットにしている。

Latitude 7400 2-in-1の紹介
Latitude 7400 2-in-1の各部

HPに対抗してカウンターを打ってきたDell、240Hz表示のノートPC、15型のOLEDゲーミングノートPC、55型OLEDゲーミングディスプレイの開発意向を表明

 そして今回の記者会見で最後に紹介されたのがAlienware Area-51mだ。

 Alienware Area-51mは、本来はデスクトップPC向けとされている、第9世代Coreプロセッサ(Coffee Lake-S Refresh)をCPUとして採用しており、最大でCore i9-9900Kを選択することができる。

 もちろんCore i9-9900KはLGA版しかないので、この小さな筐体の中にLGA版のCPUが内蔵されている。

Alienware Area-51m

 GPUは、NVIDIAから発表されたばかりのノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ(N18)で、Dellオリジナルのモジュール上に搭載されている。

 このため、将来アップグレードできる可能性があるとされており、将来新しいGPU(例えばGeForce RTX 30シリーズ?など)が販売された暁には、アップグレードモジュールが提供される可能性がある。

 DellではCPUとGPUがアップグレードできると説明しており、BIOSのアップデートなども含めて対応していく計画ということだろう。

CPUはLGA
GPUはモジュール上に実装
Alienware Area-51mを紹介する米Dell副社長兼XPS/Alienware/Gシリーズ責任者 フランク・アゾール氏(左)
Alienware Area-51mの強み

 そうした製品を紹介し終わった米Dell副社長兼XPS/Alienware/Gシリーズ責任者のフランク・アゾール氏は、「今回発表した製品で終わりということはない。我々はまだまだ新しい製品を計画しており、まず4月にリフレッシュレートが240HzになるノートPCを投入する。また、我々は13型のOLEDディスプレイの製品を2年前に発表して提供してきたが、それを15型にも拡大する」と開発中の新製品について言及。

 Dellにもリフレッシュレート240HzのノートPC、さらには15型OLEDを採用したゲーミングノートPCの計画があることを明らかにした。

 ただし、240HzのノートPCに関しては、Alienware m15に240Hzのディスプレイを搭載したモデルがあることをDellは公開しており、4月に投入というのはそれを意味しているのだろう。

最後に今度の製品計画をアップデート

 筆者がDell「にも」という表現をしたのはもちろん理由がある。

 というのも、Dellの記者会見が行なわれた1月8日(現地時間)の2日前となる1月6日には、Dellの直接の競合となるHPが報道発表を行ない、リフレッシュレートが240HzになったゲーミングノートPCの「OMEN 15 Laptop」(別記事参照)、さらにはゲーミングノートPCではないが「Spectre 15 x360 15」のAMOLED版(別記事参照)の発表を行なったからだ。

 また、アゾール氏はDellが55型4K/120HzのOLEDを採用したAlienwareデザインのゲーミングディスプレイの計画があることも明らかにしており、こちらもHPの65型HDR/144Hz対応液晶「OMEN X Emperium 65」に対抗する製品と考えられる。

 Dellがこのタイミングそうした将来の製品に言及するのは異例で、HPのそうした動きに素早く「カウンター」を打ってきたと言えるだろう。

Dellの展示ブースに展示されていたAlienware m15の240Hzディスプレイ版
Dellの展示会場で参考展示されていたAlienwareブランドの55型OLEDゲーミングモニター