イベントレポート

Philipsの5,120×1,440ドット液晶など、32:9超ワイドモデルが各社から登場

Philipsの32:9ウルトラワイド液晶「499P9H」

 IFA 2018開催に合わせ、ディスプレイメーカー各社が新製品を発表し、IFA会場に展示した。本稿では、それらディスプレイ新製品をメーカーごとに紹介する。

Philips

 Philipsは、アスペクト比32:9の49型ウルトラワイド液晶「499P9H」を発表し、展示した。

 最大の特徴となるのが表示解像度で、499P9Hでは5,120×1,440ドット表示対応と、WQHD(2,560×1,440ドット)パネル横2枚分。また、ディスプレイ面は湾曲している(湾曲率は未公開)。

 アスペクト比32:9のウルトラワイド液晶はすでに各社から登場済みだが、その多くは表示解像度が3,840×1,080ドットと、フルHD(1,920×1,080ドット)を横に2枚並べたものと同等。499P9Hはそれら既存製品よりも高解像度で、より高精細な表示が可能となっている。また、ディスプレイを2台並べるよりも省スペースですむため、マルチタスク用途を多用する業種に最適としている。

 ディスプレイ上部には、Windows Helloの顔認証機能に対応する赤外線カメラを搭載。このカメラユニットはポップアップ式で、不要なときには収納可能。接続端子にはUSB Type-Cポートを備え、PCとUSB Type-Cケーブルで接続できる。

5,120×1,440ドット表示対応の32:9型液晶を採用
液晶面は湾曲している
ディスプレイ上部にはWindows Hello対応の顔認証機能に対応するIRカメラを搭載
カメラユニットはポップアップ式で、使わないときは収納できる
スタンドは角形
側面
入力端子は、HDMI、DisplayPort、USB Type-Cを用意。USB 3.0ハブ機能も備え、有線LANポートも見える

5,120×2,160ドット表示対応の34型液晶を搭載する「349P9H」

 「349P9H」は5,120×2,160ドット表示対応の34型、「329P9H」は3,840×2,160ドット表示対応の32型液晶を搭載するディスプレイ新モデル。

 いずれも4辺狭額縁仕様の省スペース性が特徴。また、499P9Hと同様に、ポップアップ式のWindows Hello顔認証機能対応IRカメラを搭載し、USB Type-C接続による利用も可能となっている。

 なお、現時点ではこれら新製品の詳細なスペックは公表されておらず、展示品はいずれもプロトタイプだったが、年内には発売するとのことだ。

349P9H
側面
接続端子部分。USB Type-C接続に対応している
329P9H
3,840×2,160ドット表示対応の32型液晶を搭載する「」
側面
349P9H、329P9Hともにポップアップ式のWindows Hello顔認証機能対応IRカメラを搭載
接続端子部分。こちらもUSB Type-C接続に対応している

Samsung

3,840×1,200ドット表示対応、アスペクト比32:10の43型ウルトラワイド液晶「C43J89」

 Samsungは、2018年7月に発表したウルトラワイド液晶「C43J89」を展示。こちらは、表示解像度が3,840×1,200ドット、アスペクト比が32:10となっている点が特徴。

 パネルの方式はVAで、リフレッシュレートは最大120Hz。ディスプレイは1,800Rの湾曲仕様となる。視野角は水平/垂直とも178度、輝度は300cd/平方m、コントラスト比は3,000:1。

 映像入力は、HDMI 2.0、DisplayPort 1.2、USB Type-C×2。このほかUSB 3.0×1+USB 2.0×2のUSBハブ機能も用意。内蔵スピーカーは5W+5Wのステレオ。

 また、2台のPCを接続しピクチャーバイピクチャーで左右にそれぞれの映像を表示しつつ、ディスプレイに接続した1組のキーボードとマウスで双方のPCを切り替えて操作できる「KVM Switch」という機能も搭載する。

 サイズは1062.7×314.4×524.6mm(幅×奥行き×高さ)。米国では2018年末に発売を予定しており、価格は900ドル。

ディスプレイは1800Rの湾曲仕様
側面
背面
スタンドはY字型

3,440×1,440ドット表示対応の21:9ウルトラワイド液晶新製品「S34J55W」

 また、IFAに合わせて発表した新製品「S34J55W」も展示。こちらは表示解像度が3,440×1,440ドット、アスペクト比が21:9のウルトラワイド液晶パネルを採用。

 パネルの種類はVAで、フラット型のパネルとなる。応答速度は4ms(GTG)、リフレッシュレートは60Hzで、AMDのディスプレイ同期技術FreeSyncをサポート。輝度は300cd/平方m、コントラスト比は3,000:1。

 映像入力はHDMI 2.0、HDMI 1.4、DisplayPort 1.2の3系統。サイズは828.1×242.8×470.8mm(同)。発売時期および価格は未定。

側面
背面
映像入力はHDMI 2.0、HDMI 1.4、DisplayPort 1.2の3系統を用意
スタンド

LG

3,440×1,440ドット表示対応の34型Nano IPSウルトラワイド液晶新製品「34GK950G」

 LGは、ゲーミングディスプレイとThunderbolt 3接続の4Kディスプレイ新製品を展示した。

 ゲーミングディスプレイ新製品は「34GK950G」で、3,440×1,440ドット表示対応の34型Nano IPSパネルを採用。DCI-P3カバー率98%の広色域表示に対応し、ゲーム画像を鮮やかに表示できるという。

 リフレッシュレートは120Hzをサポートしており、NVIDIAのディスプレイ同期技術G-SYNCを利用可能。応答速度は5ms(GTG)、輝度は400cd/平方m、コントラスト比は1,000:1。ディスプレイは湾曲仕様で、表面は非光沢となる。

 スタンドはチルト角度、高さ調節、スイベル、ピボット機構を備え、背面にはフルカラーRGBのイルミネーション機能も備わる。映像入力はHDMIとDisplayPortの2系統。サイズは819.4×286.5×462.6mm(同)。発売時期および価格は未定。

ディスプレイは湾曲仕様となる
側面
背面にはフルカラーLEDイルミネーション機能を用意
映像入力はHDMIとDisplayPortの2系統。USB 3.0ハブ機能もある
スタンドはY字型で、チルト角度、高さ調節、スイベル、ピボット対応

Thunderbolt 3デイジーチェーン接続対応の32型4Kディスプレイ新製品「32UL950」

 「32UL950」は、Thunderbolt 3接続の4Kディスプレイ新製品。3,840×2,160ドット表示対応のNano IPSパネルを採用しており、DCI-P3カバー率98%の広色域表示をサポート。

 また、VESAが定めるDisplayHDR 600準拠のHDR表示にも対応するなど、映像クリエイターをターゲットとした製品となっている。輝度は450cd/平方m、コントラスト比は標準1,300:1、ダイナミックコントラスト時5,000,000:1、応答速度は5ms(GTG)。

 PCにつないだThunderbolt 3ケーブル1本で動作可能。しかもデイジーチェーン接続にも対応しているため、32UL950を2台用意し、PCからThunderbolt 3ケーブル2本でつなぐだけで、4K×2のマルチディスプレイ環境を構築できる。また、60Wの電力供給も可能。ブースでは、MacBook Proを利用して32UL950を2台デイジーチェーン接続して展示を行なっていた。

 映像入力はThunderbolt 3×2、DisplayPort 1.4b、HDMI。サイズは715.2×231.2×594.4mm(同)。こちらも発売時期および価格は未定だ。

Thunderbolt 3ケーブルでデイジーチェーン接続するだけで、4K×2のマルチディスプレイ環境を構築できる
側面
背面
映像入力はThunderbolt 3×2、DisplayPort 1.4b、HDMIを用意。USB 3.0ハブ機能も備える
スタンド