イベントレポート

Lenovo、6コアCPUとGeForce GTX 1050 Tiを搭載した「ThinkPad X1 Extreme」

ThinkPad X1 Extreme、15.6型4K UHDないしはフルHDのIPS液晶を採用している

 Lenovoは8月31日よりドイツ共和国ベルリン市で開催されるIFAに先立ち、現地時間8月30日の20時30分から記者会見を開催し、同社が年末商戦向けに投入を予定している新製品を発表した。

 このなかでLenovoは同社のビジネス向けPCのブランド「ThinkPad」シリーズのハイエンドブランド「ThinkPad X1」の新製品として、ThinkPad X1 Extremeを投入することを明らかにした。

プロシューマ向けの市場にThinkPad X1 Extremeで参入するLenovo

 LenovoのThinkPad X1シリーズは、同社のビジネス向けPCのThinkPadシリーズのなかでもプレミアムモデルとなっており、クラムシェル型のThinkPad X1 Carbon、2in1のThinkPad X1 Yogaという2製品がこれまでラインナップされてきた。

 しかし、いずれの製品もビジネス向けとしてはプレミアム向けであることは間違いないのだが、たとえばビデオ編集を行なったり、写真の編集を行なったりというPCでヘビーな編集を行なうユーザーにとって、dGPUが搭載されていなかったり、ディスプレイが14型だったりと、やや力不足が否めなかった。

 プロ向けの市場ではMacBook Proを販売するAppleの存在感が強いが、近年はDellやHPなどがMacBook Proにはないペンを特徴した製品を投入するなどして存在感を強めており、Lenovoもその市場にこのThinkPad X1 Extremeで参入することになる。

X1はThinkPadのプレミアムブランド
X1に新しく追加されるThinkPad X1 Extreme
高機能を実現
ThinkPad X1 Extremeの中身

 今回発表されたThinkPad X1 Extremeは、CPUにTDP 45Wの第8世代Coreプロセッサ・Hシリーズ(開発コードネームCoffee Lake-H、CFL-H)を採用しており、最大でCPUは6コア/12スレッドのCore i9-8950HKまで搭載が可能になっている。

 GPUは標準でGeForce GTX 1050 Ti Max-Qが搭載されており、ビデオメモリは4GB GDDR5となっている。メモリはSO-DIMMで実装するかたちになっており、32GBのDDR4-2666のモジュールを利用して最大64GBまで増設できる。

 ストレージは2つのM.2 2280に、M.2モジュールで実装するかたちになっており、1TB+1TBで最大2TBまで増やすことができる。

デバイスマネージャの表示、デモ機はCore i7-8850Hを搭載していた
AES 2.0に対応したペンで操作が可能だった(なおペンはLenovo製ではなく筆者の私物)

 ディスプレイは15.6型4K UHDないしはフルHDのIPS液晶ディスプレイで、Adobe RGB 100%のカバー率を実現している。輝度は4Kが400cd/平方m、フルHDが300cd/平方mとなっている。

 4Kモデルはオプションとして用意されているペンが利用できる。サポートされている方式はワコムのAES 2.0で、筆圧検知は4,096段階、傾き検知機能も用意されている。なお、LenovoからはAES 2.0のペンとしてLenovo Pen Proの発売が予告されている(CESで発表されているが、未だ発売されてはいない)。

インターフェイスも充実

 15.6型のノートPCの場合には、テンキーが用意されている場合があるが、ThinkPad X1 Extremeはテンキーがなく、ThinkPadのスタンダードな6列配列キーボードが中央に配置されている。

 指紋認証センサーが用意されているほか、Windows Helloに対応した前面カメラを選択することができる。インターフェイスはUSB 3.0が2つ、Thunderbolt 3に対応したUSB Type-Cが2つ、HDMI 2.0、SDカードスロットなどが用意されており、オプションのドングルを利用すると有線LANも利用できる。

 バッテリは80Whで公称値で15時間のバッテリ駆動が可能になっている。サイズは361.8×245.7×18.4mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.7kg~。

ThinkPad X1 Yoga(右)と比較しているところ
本体の左側面
本体の右側面
ほかのThinkPad X1シリーズと同じように底面を外すだけで内部へアクセスできる
タッチ、ペンに対応しているが、2in1デバイスではないので液晶が開く角度は180度まで
キーボードとタッチパッド、右側には指紋センサー

 Lenovoによれば、ThinkPad X1 Extremeは9月から受注が開始される予定で、米国では1,859ドル~という価格設定がされている。なお、Core i9搭載モデルは遅れて12月からの受注となる予定。

 日本での発表時期、価格に関しては現時点では未定だが、日本市場はThinkPad X1シリーズはほぼ例外なく発売されていることを考えると、なんらかのかたちで販売される可能性が高いだろう。

【表】ThinkPad X1 Extremeのスペック
CPU第8世代Coreプロセッサ・Hシリーズ(6コア)
GPUGeForce GTX 1050 Ti/Max-Q/4GB GDDR5
メモリ最大64GB(2×SO-DIMM、DDR4-2666)
ストレージ最大2TB(2×M.2 2280、PCIe/SATA)
ディスプレイ15.6型 4K UHD IPS 400cd/平方mまたはフルHD IPS 300cd/平方m、Adobe RGB 100%
ペンオプション:AES2.0(4Kモデルのみ、筆圧検知4086段階、傾き検知対応)
Wi-FiIEEE 802.11ac
Bluetooth5.0
USB2×Standard-A(USB 3.0)
Thunderbolt2×Type-C
有線LANドングルで対応
HDMI2.0
SDカードスロット1
カメラWindows Hello対応/ThinkShutter
指紋認証センサー
キーボード6列配列/バックライト
ポインティングデバイス高精度タッチパッド
バッテリ駆動時間(公称)80Wh(15時間)
OSWindows 10 Pro
サイズ361.8×245.7×18.4mm
重量1.7kg~