イベントレポート

【詳報】AMD、32コア/64スレッドの第2世代Ryzen Treadripperを第3四半期に投入

AMDの第2世代Ryzen Treadripper

 AMDは、6月5日~10日(現地時間)に台湾・台北で開催されているCOMPUTEX TAIPEIの2日目に、台北市内の会場で新製品などに関する記者会見を開催した。

 このなかでAMDは、同社が昨年(2017年)発表した16コア/32スレッドのHEDT(ハイエンドデスクトップ)向けのCPUとなるRyzen Threadripperの後継製品として、第2世代Ryzen Threadripperを発表した。第2世代Ryzen Threadripperは、12nmプロセスルールで製造される第2世代Ryzenのダイを4つ搭載して32コア/64スレッドを実現しているというモンスターCPUで、初代のRyzenとピン互換で、同じX399チップセットを搭載したマザーボードで動作する。

第2世代Ryzenのダイを4つ搭載して32コア/64スレッドというモンスタースペックを実現

 AMD上席副社長兼コンピューティング/グラフィックスビジネス事業本部本部長のジム・アンダーソン氏は「われわれは第2世代のRyzen Threadripperを発表する。この製品は32コア/64スレッドというHEDT(ハイエンドデスクトップ)向けの製品になる」と述べ、第2世代のRyzen Threadripperを発表した。

第2世代Ryzen Treadripperを手に持つAMD上席副社長兼コンピューティング/グラフィックスビジネス事業本部本部長のジム・アンダーソン氏

 第2世代Ryzen Threadripperは、第2世代Ryzenと同じ12nmプロセスルールで微細化されたダイ(8コア/16スレッド)を利用している。初代では8コア/16スレッドのダイをCPUの基板上に2つ搭載することで、16コア/32スレッドという性能を実現していた。

 第2世代Ryzen Threadripperでは、CPU基板上のダイが4つになり、32コア/64スレッドというスペックを実現している。このため、TDPは若干上がっているが、初代の標準CPUクーラーでも十分に冷却でき、そのまま利用可能と説明している。

第2世代Ryzen Treadripperは32コア/64スレッド

 利用しているCPUソケットは初代のRyzen Threadripperと同じCPUソケットになっているため、CPUコアの数は増えたが、メモリのチャネル数やPCI Expressのレーン数は増えず、同じスペックになるという。

 その代わり電気的な部分も含めてCPUソケットに関しては初代と互換性があり、既存のX399を搭載したマザーボードでBIOSアップデートさえ行なえば対応可能。つまり、初代Ryzen ThreadripperのシステムでBIOSアップデートを行なえば、第2世代にアップグレードできる。

Core i9-7980XEと第2世代Ryzen Threadripperを比較
Intelのほうはまだ終わっていないが、AMDのほうは終了している
64スレッドであることがわかる

 今回の記者会見では、第2世代Ryzen ThreadripperとCore i9-7980XE(18コア/36スレッド、LLC24.75MB、ベース2.6GHz、Turbo Boost時最大4.2GHz)とベンチマークで比較する様子が公開され、32コアの第2世代Ryzen Threadripperのほうは早々と処理が終わったが、Core i9-7980XEのほうはなかなか終了しないという様子が披露された。

第2世代Ryzen ThreadripperとCore i9-7980XEの比較

 AMDによれば、第2世代 Ryzen Threadripperのリリース次期は第3四半期を予定しており、さらなる詳細はそのさいに公開される予定とのことだ。