イベントレポート

写真で見るASUSのHDR対応21.6型4K有機ELディスプレイ

~スタンドは折りたたみ式で分離でき、軽量設計で持ち運びもできる

ASUS ProArt PQ22UC

 台湾ASUSTeK Computer(以下ASUS)は、CES 2018が開催されている会場近くのホテルで、CESに合わせて発表された製品の展示を行なった。

 このなかでASUSは、JOLEDのRGB印刷方式有機EL技術で製造された有機ELパネルが供給されると明らか(別記事参照)にされた「ProArt PQ22UC」も展示していた。

JOLEDのRGB印刷方式有機EL技術を採用したProArt PQ22UC、モバイル用途も意識した構造

 ProArt PQ22UCは、既報のとおり、JOLED製21.6型4K UHD(3,840x2,160ドット)の有機ELを採用しており、最大輝度350cd/平方m、HDR10に対応したディスプレイ。コントラスト比は100万:1を達成し、DCI-P3比99%という広色域をカバーしている。

 応答速度も最大で0.1msと高速で、コントラストがハッキリしており、豊かな色表現の実現と高速な応答速度が特徴となっている。

 実際に実機で確認したみたところ、アメリカのホテルの部屋という、暗めな屋内環境であっても、非常に高精細で美しい映像が表示できていることが確認できた。

高精細で、高いコントラスト比を実現していることがJOLEDの印刷方式有機ELの特徴。HDR未対応なカメラで撮影した画像ではなかなか伝わらないが、実際黒を表示させるとかなり綺麗な黒が再現できていた

 ASUSとしては、ProArt PQ22UCはデザイナーや医療現場といったプロ用途をターゲットとしており、価格はコンシューマ向けの製品よりは高くなる見通しだという(ただし現時点では価格などは発表されていない)。

 色の再現性に関しては、出荷段階でキャリブレーションが行なわれているほか、ASUS独自の「ProArt Calibration Technology」を使って、複数のコンピュータで使う場合のキャリブレーションが可能になる。

 ポート類は左側面に集中しており、USB Type-Cが2つ、Micro HDMIが1つという構成になっている。USB Type-Cが2つあるのは、1つをUSB Power Deliveryによる給電に利用するためで、映像入力は、残り1つのUSB Type-C(DisplayPort Alt Mode)ないしは、microHDMIで行なう。

 このため、たとえばUSB Type-Cが2つあるPCで、USB PDなどの高出力給電に対応していれば、USB Type-Cケーブル2本で利用することも可能だ(ただしその場合、PC側のACアダプタの出力には、相当の余裕が必要になるだろう)。PCが高出力の給電に対応していない場合でも、USB Type-CのACアダプタをもう1つ持っていけば対応できる。

ポート類はUSB Type-Cが2つと、Micro HDMI端子が左側にある

 なお、スタンドは折りたたみが可能になっており、パネル部分と取り外して持ち運ぶことができる。

 ASUSによれば、一般的な22型の液晶ディスプレイに比べて3分の1程度の重量になっており、前述のとおりUSB Type-C/PDのACアダプタで給電できることも含めて、モバイル用途での利用も考えられているようだ。

 ただし、展示員によれば、当然のことながら「スーツケースに入れて預け入れ荷物に入れる」といった利用は想定していないとのこと。

 ASUSによれば現時点では出荷時期や価格などは未定だが、「一般的な14型や15型のモバイルディスプレイでは大きさが足りない」というデザイナーや、医療関係者などのプロモバイルユーザーには要注目の製品になりそうだ。

スタンドから取り外したところ
スタンド。基本的には置いているだけだが、しっかりとしており、ぐらぐらしたりはしない。折りたたむことも可能