イベントレポート
399ドル以下のノート市場に注力するAMDの第7世代APU
~搭載ノートが8モデル展示される
2016年6月2日 00:00
AMDは1日(日本時間)、台湾・台北で開かれているCOMPUTEX TAIPEI 2016において記者会見を開催し、Bristol Ridgeこと第7世代AシリーズAPUを正式発表した。発表されたSKUなどに関しては、速報記事を参照されたい。本記事では発表会の模様をお伝えする。
第7世代APUはCarrizoと同じExcavatorコアを採用しながら、シャドウPステートの導入やプロセスの成熟などにより、従来と同等のTDPでありながらより高い動作クロックを実現し、絶対性能および電力効率を高めた。
発表会で第7世代AシリーズAPUの解説を行なったSVP AND GM,Computing and GraphicsのJim Anderson氏は、「現在、1日あたりユーザーがPCを使う時間を全世界で合計すると、10兆秒(約31万7,100年)にも上る。我々はその膨大な時間の中で、PCユーザーに良い体験を与えることを使命としている。それを担う最新製品が第7世代AシリーズAPUである」と語った。
第7世代AシリーズAPUの最大の特徴としては、ゲームへの最適化、オフィスへの最適化、そして電力効率の最適化の3つ。Anderson氏は、APUの最大の強みである内蔵GPUについての説明で終始し、HEVCコーデックの4Kビデオのデコードへの対応、3D性能の強化によるLeague of Legendといったゲームへの最適化、GPGPUを利用したOpenOffice CalcやAdobe Photoshop、WinZipなどのオフィスアプリの性能向上に伴う生産性の向上、そして電力効率の最適化などを挙げた。
さらに、世界の4人に1人は、399ドル以下のノートPCを購入しているとしており、その市場向けには「A9」シリーズが最適であるとする。同価格帯向け前世代APUの「A8-7410」からはCPUで150%、GPUで140%性能が向上していることを紹介した。
発表会には、MicrosoftのPartner Group Program ManagerのMatt Perry氏が招かれ、AMDとのパートナーシップにより、Windows 10におけるAPU向けの最適化が、この夏登場予定のWindows 10 Anniversary Updateで提供されるとした。また、HPのVP, Consumer Product Management, Notebook and PremiumのJosephine Tan氏、DellのVP, Consumer Product GroupのRay Wah氏も登壇し、第7世代AシリーズAPUを搭載したノートPCを披露した。