エプソン、Wireless HD/3D立体視対応のホームプロジェクタ

EH-TW8000W



新製品の発売日と店頭予想価格

 エプソンは、3LCD方式の家庭向けプロジェクタ“dreamio(ドリーミオ)”「EH-TW8000」、「EH-TW6000」、「MG-850HD」を10月27日より順次発売する。価格はすべてオープンプライス。

 このうち上位のEH-TW8000/6000では、Wireless HD経由での投影に対応。Wireless HDユニットが付属したモデルも用意する。付属するユニットにはHDMI入力端子を1基備えており、無線経由でフルHD(1,920×1,080ドット)映像を転送できる。


●EH-TW8000

 EH-TW8000は3D投影に対応したモデル。発売は11月25日。店頭予想価格は単体モデルが299,980円前後、Wireless HDユニット付属モデルが329,980円前後の見込み。

 いずれも230Wの高出力「E-TORL」ランプと、480Hz駆動のD9パネルを採用。2,400ルーメンの輝度とパネルの高速駆動により、3Dメガネのブラックアウトタイムを短縮し、明るくクロストークを抑えた3D立体視を実現したという。

 また、超解像/フレーム補間技術や、2D→3D変換機能を搭載。正面からではなく左右からの投影にも対応できるレンズシフト機能も備える。吸気も前面のみとし、狭い箇所での設置も可能としている。

480Hz駆動のD9パネルを採用高速駆動によりクロストークを抑えつつ明るさを実現上下左右方向のレンズシフトを搭載
前面吸排気機構により、棚の中などにも設置可能Wireless HDにより設置性がさらに向上した付属のリモコン

 主な仕様は、解像度がフルHD、表示色数が約10億7,000万色、コントラスト比が20万:1。レンズは2.1倍マニュアルズームフォーカスで、Fは2.0~3.17、焦点距離は22.5~47.2mm、投影サイズは30~300型。

 インターフェイスは、HDMI×2、コンポジット、コンポーネント、ミニD-Sub15ピン、シリアルポート、トリガーアウト、RJ45(3Dエミッター用)などを備える。本体サイズは466×395×140mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約8.3~8.5kg。

●EH-TW6000

 EH-TW6000も3D投影に対応するが、輝度を2,200ルーメン、コントラスト比を40,000:1に抑えた下位モデル。発売は単体モデルが10月27日、Wireless HDユニット付属モデルが11月10日。店頭予想価格は前者が199,980円前後、後者が229,980円前後の見込み。

 TW8000から超解像/フレーム補間技術や、2D→3D変換機能も省かれているが、代わりに部屋の明るさに合わせて画質を調節する「オートカラーモード」と、左右設置時に斜め方向でも置けるタテヨコ台形補正機能、10W×2のステレオスピーカーを内蔵し、必要時にのみ設置して手軽に利用できることをウリとした。

TH-TW6000本体背面TH-TW8000との機能の違い

 主な仕様は、解像度がフルHD、表示色数が約10億7,000万色。レンズは1.6倍マニュアルズームフォーカスで、Fは1.51~1.99、焦点距離は18.2~29.2mm、投影サイズは30~300型。

 インターフェイスは、HDMI×2、コンポジット、コンポーネント、ミニD-Sub15ピン、シリアルポート、USB 2.0、ステレオRCA、RJ45(3Dエミッター用)などを備える。本体サイズは420×365×137.3mm(同)、重量は約6~6.2kg。

●MG-850HD

 MG-850HDはiPhone/iPod touch/iPad用のドックを備え、ミュージックビデオや動画/写真、YouTubeなどを投影できる。発売は11月10日。店頭予想価格は99,980円前後の見込み。

MG-850HDiPhoneの動画や写真などを投影可能

 3D機能などは備えていないが、10W×2のスピーカーを内蔵する。主な仕様は、解像度が1,280×800ドット(WXGA)、表示色数が約1,677万色、輝度が2,800ルーメン、コントラスト比が3,000:1。レンズは1.2倍マニュアルズームフォーカスで、Fは1.58~1.72、焦点距離は16.9~20.28mm、投影サイズは33~318型。

 インターフェイスはHDMI、コンポジット、コンポーネント、ミニD-Sub15ピン、USB 2.0(USBディスプレイ用)、モノラルミニジャック(マイク)、ステレオRCAなどを備える。本体サイズは340×291×115mm(同)、重量は約3.9kg。

●大画面と明るさで液晶TVに対抗
久保田孝一氏

 28日に都内で開かれた製品発表会では、セイコーエプソン株式会社 業務執行役員 映像機器事業部長の久保田孝一氏が、新製品の特徴を解説した。

 プロジェクタは大型のスクリーンに投影可能であり、視聴時は基本的に部屋を暗し、映画の鑑賞をメインとするなど、TVとは異なる基軸の「特別な製品」であることを踏まえながら、EH-TW8000シリーズは買い替えユーザーでも満足できる画質、EH-TW6000は初めてのユーザーでも導入しやすいコストパフォーマンスに追求した製品、そしてMG-850HDはプロジェクタをより身近にしてくれる製品であるとアピールした。

 また、480Hz駆動パネルによる明るくクロストークの少ない映像を実現できる独自の「Bright 3D Drive」技術、上下左右からの台形補正が可能なレンズシフト機能、そして前面吸排気機構、Wireless HDによる設置性の向上などを挙げ、これらのメリットにより、既存ユーザーの買い替えや新規ユーザーを喚起したいとした。


TVとは異なる基軸にプロジェクタを置く戦略3D対応モデルのそれぞれの製品が想定される購買順序それぞれのモデルのターゲットユーザー

 販売戦略について、エプソン販売株式会社 取締役 販売推進本部長の中野修義氏は、「デジタルTVの大画面化、エコポイント、フルハイビジョン化、3D対応などにより、ホームプロジェクタの市場規模は縮小しつつあるが、プロジェクタは依然として大画面、明るい3D映像を実現できるメリットがある。我々はラインナップを拡充することにより、既存ユーザーの確保と新規ユーザーの取り入れを行なっていく」とした。

中野修義氏TVの大型化などの要因によるホームプロジェクタ市場の低迷ユーザー層と同社のラインナップの対応

 また、プロモーションに関してはユーザー体験イベントを中心に展開し、全国を回るシアタートレーラーや、ショールーム、イベントスペース、写真イベントなどで展示することで、最終的に約1万人が体験できることを目指すとした。

 販売目標は、3機種合計で年間6,000台を目指す。このうち半数が主力のEH-TW6000となる見込み。また、ホームプロジェクタ市場全体の規模は2万台程度と予想しており、そのほかのモデルもあわせて12,000台のシェアで展開したいとした。

全国各地で開催予定の体験イベント

(2011年 9月 28日)

[Reported by 劉 尭]