マイクロソフト、2010年度はWindows 7やXbox LIVEを支柱に展開

樋口泰行氏

7月7日 開催



 マイクロソフト株式会社は7日、2010年度(2009年7月~2010年6月)の経営方針記者会見を開催。同社代表執行役社長の樋口泰行氏が、経営方針ならびに製品戦略などについて説明した。

 まず樋口氏は2009年を総括。世界経済はサブプライムローンに端を発した経済危機により、それまでの成長傾向から一転し深刻な不景気に転落。これによって世界中の企業は、経営手法、ビジネスモデル、営業スタイルなど、それまでのあらゆるやり方を見直す必要に迫られている。ITも例外ではなく、ダイナミックでローコストなシステムやソリューションが求められている。

2010年度に向けた土台

 しかし、樋口氏は2010年に関して、こういった外的環境の変化が同社にとっての好機になり得るとした。というのも、不景気が底を打った感があるのも一因だが、Windows Azureに代表される、クラウド関連製品が2009年以降、本格的に立ち上げることで、ユーザーに求められる、標準に基づき、より安価で、より長期間運用できるというソリューション/サービスが提供できると捉えているからだ。

 また、それ以外にも、Windows 7、Office 2010、Exchange Server 2010、bingといった強力な新製品が控えていることも、大きな追い風だ。全社一丸となった取り組みができるような社内体制づくりや、顧客から「顔が見える」と言われることを目指したパートナーとの連携は引き続き強化し、こういった土台のもと2010年は「飛躍の年」を目指すという。

堂山昌司氏

 コンシューマ関連の製品の具体的な取り組みについては、代表取締役副社長コンシューマー&オンライン事業担当の堂山昌司氏が説明にあたった。

 同社がコンシューマ分野で特に注力するのは、Windows 7、Windows Mobile、bing、Xbox LIVEの4つ。

 Windows 7については、日本でも全世界と同じ10月22日に発売されることが決定。今後は、メーカーや販売店パートナーなどとともに立ち上げに向けた活動を強化する。同社では、現在国内には、一般向けで約1,550万台、法人向けで約1,140万台のWindows 7アップグレード対応PCがあると試算。また一般向けで約1,980万台、法人向けで約2,310万台のPCはWindows 7に対応しないが、これらはWindows 7搭載PCの潜在的な買い換えユーザーと見ており、Windows 7には、合計で約7千万台の市場規模があるとしている。

 Windows Mobileについては、キャリアおよび端末メーカーと戦略的提携を行なうとともに、共同で商品やサービスの導入を図っていく。具体的には、米国同様、マーケットプレースを立ち上げ、ユーザーがモバイルアプリケーションをダウンロード購入できる環境を構築していく。

 検索エンジンのbingについては、ユーザーの意志決定を支援することを目的に開発/展開を進める。同社の調査によると、ユーザーが検索エンジンを行なう目的の多くは、「こういった製品を、いくらで買いたい」という意志決定を行なうためといい、bingでは、そういった要望に応えるための情報を1ページ目に出すと言った思想のもと開発されている。米国ではすでに正式サービスが開始されているが、日本ではもう少し時間をかけて、日本の文化や用途により合致したものへと改善させた上で、今のベータから正式サービスへと移行させる予定。

 Xboxについては、この4月に日本での販売台数が累計100万台を突破し勢いに乗るが、今後はLIVEサービスを拡大させていく。同サービスは全世界で2千万人のユーザーを持ち、オンラインで最大級のサービスに成長している。日本でもこの事実を差別化要因として訴求する構えで、コンテンツの配信を強化する。具体的には、フルバージョンのゲームのダウンロードや、米国に続き動画の配信も開始するべく準備中で、同社のデジタルエンターテイメントの中心事業に育てていくという。

コンシューマ分野での注力分野Windows 7は日本でも10月22日発売が正式決定Windows 7の市場規模

(2009年 7月 7日)

[Reported by 若杉 紀彦]