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BIGLOBE、770円からで月1GB通信可能なLTE SIM

~歩いてると繋がないWi-Fi自動接続アプリ付き。IGZOスマホも月2,950円で

「Wi-Fiほぼスマホ」
12月2日 開始

 NECビッグローブ株式会社は2日、「BIGLOBE LTE・3G」に月額980円で1GBまで利用できる通信プランを追加した。

 LTEと3G(NTTドコモMVNO)による通信を月1GBまで980円で利用できるエントリー向けのプラン。980円のうち210円は基本料金に相当するものなので、すでにBIGLOBEの固定回線を利用している場合は、月額770円となる。

 LTEは、下り最大150Mbpsと、端末で対応する最大の通信速度に対応。通信量が1カ月で1GBを超えた場合は、128kbpsに速度が制限されるが、315円の追加料金で、100MBフルスピードにできる。最低利用期間は設定されていないので、いつ解約しても違約金は発生しない。

 SIMはnano、micro、標準の3形態で提供(加入時に、いずれか1つを選択)。同社で販売している「Nexus 7」などのほか、「Nexus 5」や、「iPhone 5s/5c」などのSIMロックフリー端末、およびドコモ端末で利用できる。

【12月3日11時追記】現時点では、SIMロックフリーiPhone 5s/5cにてこのSIMを利用した場合、通信は3Gのみとなり、LTEについてはSMS対応となる2014年2月発売予定のSIMにて対応予定との情報がメーカーより伝えられたので、追記いたします。

月額980円で1GB利用可能
固定回線ユーザーなら770円に
SIMは3種類でSIMロックフリーiPhone 5s/5cでも利用可能

 販売は、直販、Amazon.co.jpでの通販のほか、本州と四国の約200店舗でのイオンリテール店頭でも行なう。加入時は初期費用で3,150円がかかるが、イオンリテールで購入すると980円となる。

 また、データ通信に特化したシャープ製端末「Wi-Fiほぼスマホ」こと「AQUOS PHONE for BIGLOBE」(SH90B)も月額2,950円で2014年2月3日より発売する。この料金には、月額980円/1GBの通信料金が含まれており、端末代は24カ月で支払い完了となるため、3年目からは月額980円の通信料のみで利用できる。こちらについては、前述のサイトに加え、楽天でも販売する。

 本日より先行予約を開始し、先行予約者は、2カ月間の通信料金(1,960円)が無料となるほか、抽選で100人に1人は、Wi-Fiほぼスマホが2年間全額無料となる。2年間での端末+通信費は70,800円。通信費が5~6千円程度かかる普通のLTEスマートフォンよりも、10万円程度割安になるとしている。

 主な仕様は、CPUがAPQ8064 (クアッドコア1.7GHz)、メモリ2GB、ストレージ32GB、1,080×1,920ドット表示対応4.8型IGZO液晶、Android 4.2、210万画素前面カメラ、1,280万画素背面カメラ、2,600mAhバッテリ、IEEE 802.11ac(ドラフト)/a/b/g/n無線LANを搭載。本体サイズは約70×138×9.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約157g。防水仕様で、ワンセグ、ワイヤレス給電に対応する。

 090や080の電話番号は取得できないが、独自のVoIP通話アプリを使うと、050で始まる電話番号を取得でき、固定/携帯電話と通話できる(緊急通報やフリーダイヤルは非対応、契約時に携帯電話番号が必要)。月額料金は318.15円。アプリ間での通話料金は無料。また、2014年2月を目処に、SMSに対応させる(その際はSIM交換が必要)。

「Wi-Fiほぼスマホ」こと「AQUOS PHONE for BIGLOBE」
通信費込みで月額2,950円で購入可能

 また、これに併せ、Wi-Fiを優先接続するアプリ「オートコネクト」を無償提供する。このアプリは、Wi-Fiの「設定が難しい」、「不意に繋がる/途切れる」、「消費電力が上がる」といった問題を解決するもの。

 オートコネクトを利用すると、対応のホットスポットや家庭/職場のアクセスポイントなどをみつけると自動的に接続する。ただし、電波が弱く、低速な状態にあるアクセスポイントや、良好なアクセスポイントでも、ただその場を通過するだけの時は、エリア外に出たときに切断され、サーチし直すという不便を解消するため、自動接続しないようになっている。

 対応アクセスポイントは、主要なカフェ、鉄道の駅、空港、ファーストフード店、商業施設、ホテルなどで、2014年2月までに対応をさらに拡充。2014年度中には30万カ所となる。バックボーンはワイヤ・アンド・ワイヤレスが提供。

 省電力にも配慮され、デフォルトでは、Wi-Fi通信時は3G/LTEは自動的にオフになり、画面消灯時は両方の通信がオフにされる。なお、いずれの機能、およびオートコネクト自体もオフにできる。当初はAndroid用を提供し、iPhone用は2014年早々に公開予定。同社のSIMを利用していなくても、このアプリのインストール/利用は可能だが、ホットスポットの自動登録/接続は行なわれない。

 また、同社は、独立系プロバイダとして唯一Wireless Broadband Allianceに加盟しており、2014年中にもWPA2やIEEE 802.1x認証に対応させ、セキュリティを向上させるとともに、海外でも使える標準化技術に基づいた自動認証機能を実装していく。

Wi-Fiアクセスポイント/ホットスポットに簡単かつスムーズに接続し、節電も行なうオートコネクト
強い電波だけを選択する
移動中はWi-Fiに繋がない
古関義幸氏

 このように、オートコネクトを利用することで、Wi-Fi接続が簡単になり、かつ通信が高速化されるなど、ユーザーにとってのメリットは大きいが、実は、月額980円という戦略的な価格設定の背景には、Wi-Fiへのオフロードにより、3G/LTEでのトラフィックがかなり少なくなるとの目論みがある。

 2日に行なわれた発表会で、同社代表取締役執行役員社長の古関義幸氏は、今後の同社の方向性として「FMC(Fixed Mobile Convergence) Vertual Operator」、すなわち固定回線とモバイル回線の融合的な提供を行なう、柔軟なMVNOを目指しており、今回の発表はその実現の第一歩という位置付けなのだという。

 また、980円という価格設定はぎりぎりの下限であり、今後は今回のオートコネクトのような、独自アプリやサービスの拡充で差別化を行なっていく必要があるとした。さらに、時計型やメガネ型などのアプライアンス製品も企画/開発中であることを明らかにした。

(若杉 紀彦)