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NEC、卓上サイズの小型ロボット「PaPeRo petit」を発表

〜クラウドを活用した「PaPeRoパートナープログラム」も募集開始

「PaPeRo petit」を紹介するNEC執行役員の保坂岳深氏
11月11日 発表

 NECは11日、新型のロボット「PaPeRo petit(パペロ・プティ)」と、それを活用したアプリケーションを提供するためのクラウド基盤から成る、クラウド連携型ロボットプラットフォームによる「PaPeRoパートナープログラム」を開始すると発表した。アプリケーションパートナー、ビジネスパートナー、そしてNECの3者が連携して、ロボットサービスをエンドユーザーに提供する。

 アプリケーションパートナー向けにはNECからロボットのAPIが開示されるほか、いくつかのサンプルプログラムが提供される。NECでは同事業を世界展開し、今後3年間で100億円規模の事業へと成長させていくとしている。パートナー企業の目標数は100社程度。

 新規に開発された「PaPeRo petit」は身長24cm、体重1.3kg。従来型「PaPeRo R500」に比べると半分のサイズになっている。カメラ、マイク、人検出用のセンサーを持ち、複数のセンサーを組み合わせることで温度、距離、角度から暗い場所でも人を検出できる。検出後は人の方向を見て話す、自然なコミュニケーションを行なうことができる。据え置き型で、従来型のパペロにあったタッチセンサーや移動機能はなくなった。画像認識や音声認識処理も基本的にはクラウド側で行なうことにより、ロボット自体のコストを下げた。

移動機能はなく、卓上据え置きタイプになった
従来型パペロとの比較
背面の端子群
身長24cm、重さ1.3kgと小型軽量化
側面
頭部では一部の色の変化で表現することができる

 具体的なサービスとしては、高齢者在宅時の“みまもり”や話し相手、高齢者向けの投薬や通院のスケジュール管理、異常検知などが想定されている。執行役員の保坂岳深氏は、「人がふれあう温かさ、人が介在することによるほんわかした雰囲気を大事にしながら、ITが苦手な人に対しても自然なコミュニケーション技術を使ったサービスを提供出来ないかと考えて来た。1つの答がこれ」と述べて、今回のプログラムを紹介した。ロボットはパートナーへのインターフェイスとしての役割を果たすことになる。実際のサービスを提供するのはNECではなく、今後募集されるパートナー企業が行なうことになるが、アプリケーションサービスにおいて共同マーケティングなども行なっていく予定だという。

 なお、ロボット単体での販売は予定されていない。具体的な価格はそれぞれのパートナーと決めることになるが、「1つか2つの機能であれば、月額1万円以下でサービスを提供したいと考えている」という。また音声認識の認識率は80%程度。「繰り返し話すことで認識率が向上すれば9割を超えるのではないかと考えており、実用レベルには達していると考えている」とのことだ。

NEC執行役員 保坂岳深氏
人と情報社会を繋ぐインターフェイス、パートナーとしてのロボットの提案

 今回のプログラムの特徴は、画像や音声認識などの重い処理はクラウド上で行なうこと。具体的にはNECによるM2Mサービスプラットフォームである「CONNEXIVE」の上に、ロボット用のプラットフォームを実装。ログ管理などもクラウド側で行なう。「クラウド展開なので、サービスアップデートも簡単」だという。また、パペロはCONNEXIVEに繋がっている端末の1つという形になるため、ほかのセンサーや機器との連携も技術的には可能であり、順次、CONNEXIVE上にあるものは追加していきたいとのこと。また、一部の機能についてはクラウドではなくローカルのPC上でも実行できるとのことだった。

CONNEXIVE上にロボット用プラットフォームを実装
みまもりや生活支援などのサービスを事業者と共同で展開していく予定

 具体的な活用シーンイメージについては、同社ソリューションプラットフォーム統轄本部シニアマネージャー 石嶋光氏からプレゼンテーションされた。NECが展開しているSNSサービス「BetterPeople」を用い、スマートフォンやPCを使えない高齢者であっても、パペロが提供する読み上げや音声認識機能を用いて、SNS上で遠隔地の家族とやりとりできるという例が紹介された。

 キーボードを使えない人でもパペロがSNSに代理投稿するといったことができるため、その場にいない家族もロボットが音声や光で表現することで緩やかな繋がりをもって見守れると考えているという。

NECソリューションプラットフォーム統轄本部シニアマネージャー 石嶋光氏
SNSとロボットによるみまもり
パペロを介して遠隔地(左側)とのやりとりを行なう例
パペロによる代理投稿
【動画】デモンストレーションの様子

 パートナーは、法人、団体を対象としており、アプリケーションやサービスの審査を行なった上で提携可否を決定する。NECとしてはロボット自体がキャラクター性を持っていることもあり「どんな使われ方でも良いとは考えていない」とのことで、API開示もパートナー企業のみが対象となる。

 現在、沖縄の株式会社オーシーシー、山梨のソフトウェア会社・株式会社システムインナカゴミが決まっている。また、NTTコミュニケーションズとも話を進めているという。サンプルプログラムは提供するが、NEC側で作り込みはせず、あくまで「現場に密着してサービスを提供してもらう方がユーザーにも受け入れられる」と考えているという。

 ユーザー側からロボットに対して追加機能の要望があった場合は、ソフトウェア側では対応していくが、ハードウェア面で対応するかどうかは反応を見ながら決めていきたいとのことだった。また、パートナー企業間のコミュニティやサービス連携などの促進についても考慮していくとのことだった。

 「PaPeRo petit」はNECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2013」(11/14日(木)〜15日(金)、東京国際フォーラム)で展示予定だ。