ASUSTeK、Androidタブレット「Eee Pad Transformer」を6月25日発売
~発表会でタブレット兼スマートフォンの「Padfone」も展示

「Eee Pad Transformer TF101」

6月25日 発売
価格:59,800円



 ASUSTeK Computerは10日、NVIDIAと共同で「Eee Pad Forum」というイベントを開催し、先だって発表されたAndroidタブレット「Eee Pad Transformer TF101」(以下、TF101)の解説やデモのほか、COMPUTEXで披露されたタブレットに変身するスマートフォン「Padfone」の展示が行なわれた。

 TF101は、専用のキーボード式ドックと合体し、クラムシェル型で利用できるAndroidタブレット。すでに国内でも製品発表が行なわれ、弊誌でプロトタイプのフォトレビューも行なっているが、仕様を再確認すると、Tegra 2、メモリ1GB、内蔵ストレージ約32GB、1,280×800ドット(WXGA)対応10.1型ワイドLEDバックライト付きIPS液晶ディスプレイ、Android 3.0を採用する。

 インターフェイスは、microSDカードリーダ、USB 2.0×2、Mini HDMI出力、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、500万画素背面カメラ+120万画素正面カメラなどを備える。このほか、ライトセンサーや重力センサー、ジャイロスコープ、電子コンパス、GPSなどを内蔵。

 キーボードドックには、Android用ショートカットキーなどを備えた日本語キーボード、タッチパッド、USB 2.0×2、SDカードスロットを装備。また、セカンドバッテリを内蔵し、タブレット単体では約9.5時間のところ、合体すると約16時間の駆動が可能となる。

 本体サイズは、タブレットが271×177×12mm(幅×奥行き×高さ)、重量約680g。モバイルキーボードドックを装着すると271×185×28mm(同)、重量約1.3kgとなる。

TF101のタブレット本体。フォトレビューで紹介したものはAndroid 2.2だったのでホームなどのハードウェアキーがついていたが、製品版ではなくなるキーボード。ファンクションキーの1つは、押すとスクリーンショットが撮れる合体させたところ。ノートPCと見紛う
もちろん折りたたんで持ち運ぶこともできるキーボードの左右にはUSB 2.0×2とSDカードスロット

 今回のイベントでは、いくつかの追加情報が明らかにされた。まず、発売日は当初6月中旬とされていたが、6月25日に決定した。価格は発表通り、キーボードセットで59,800円。

 OSは、Android 3.0が標準搭載だが、現在3.1の検証中であり、近々にアップデートを行なう用意があるという。

 日本語変換システムは「FSKAREN」を採用。TF101はMicrosoft Officeと互換性のある「Polaris Office」が標準搭載されるが、このPolaris Officeで文書入力を行なう際、FSKARENのソフトキーボードには、カーソルキーやUndoキーなどが表示され、より効率的に文書編集ができるようになっている。

 また、標準で「ファイルマネージャー」を搭載し、SDカードおよびUSBメモリ/HDDなどをつなぐと、自動的に認識され、ファイルの閲覧やコピーなどができる。

 このほか、容量無制限で1年間無償利用できるWebストレージや、Windows PCのリモートデスクトップ機能などを搭載した「MyCloud」(独自アプリ)や、DLNAクライアント/サーバー機能搭載の「MyNet」(同)、電子書籍アプリ「BookLive!Reader」などが標準でインストールされる。

FSKERENのソフトキーボードはこのようにカーソルキーなどを表示可能ドッキング時は予測変換だけが表示されるSDカードとUSBストレージに対応
ファイルマネージャーでファイルの閲覧やコピーなどができる細かい点だがOptimus PadやXOOMとホームボタンのデザインが異なる
Polaris OfficeによりWord/Excel/PowerPointおよびPDFの表示、編集が可能独自ソフトのMyCloudにはWindowsリモートデスクトップ機能が搭載事前に行なわれた街頭デモの一幕。カッターでこすっても傷がつかない。ただし、保証の範囲外の行為なので注意

 発表会で製品説明を行なった、アスース・ジャパン株式会社マーケティング部マーケティングマネージャーのシンシア・テン氏によると、「Eee PC」に端を発する「Eee」ブランドは、TF101以降、ネットブックや一体型含め、クラウドコンピューティングに適した製品のブランドへと変更するという。

 諸外国で開催されたCOMPUTEXやMobile World Congressなどでは、TF101以外のタブレット端末も発表/展示があったが、テン氏によると、まだ日本での発売は決定していないものの、日本のタブレット市場は有望であり、積極的に展開していきたいとの意気込みを語った。スライド式キーボードを備えた「Eee Pad Slider」と、タブレットの背面にスマートフォンが合体する「Padfone」は、実機(モックアップ)の展示も行なわれた。

 国内でのTF101の販売は8月末までに5万台を目論むが、同社は2010年より法人部門を立ち上げ、タッチ対応製品を主軸に営業活動を行なっており、TF101についても企業での採用に向けたヒアリングを行なっているという。

 イベントを共同開催したNVIDIAは、Tegra 2のグラフィック能力の高さを示すゲームのデモを行なった。Tegra 2に最適化をしたいくつかのゲームでは、Tegra 2搭載機ではグラフィックが高画質化されたり、専用のアイテムが追加されるものなどがあるという。でも内容については動画を参照されたい。

アスース・ジャパンのシンシア・テン氏Eeeブランドは今後クラウド向け端末のブランドとして訴求TF101の訴求点
参考展示されたPadfoneこのスマートフォンが本体でタブレットの背面に装着すると、タブレットになる
まだモックアップの段階で細かな仕様は未定スライド式キーボードのEee Pad Slider
NVIDIAの平柳太一氏非Tegra 2搭載機(iPad)とTegra 2搭載機でのゲームの画質の比較

【動画1】Vector UnitのRiptide GP

【動画2】MadfingersのShadow Gun

【動画3】イニスのEuphoria

(2011年 6月 10日)

[Reported by 若杉 紀彦]