BCNが明らかにした2009年5月の量販店店頭におけるノートPCの販売動向調査によると、ノートPC全体におけるミニノートの構成比率が33.3%となった。BCNでは、液晶の大きさでノートPCを分類しているため、「ミニノート」の大半はネットブックを指している。
4月の30.0%に比べて、3.3ポイント上昇しており、ネットブックの登場以来、初めて3台に1台の比率にまで達したことになる。
2009年5月のA4ノートPCの構成比は64.2%、B5ノートPCは2.5%となった。
ノートPC タイプ別販売台数構成比、BCN調べ |
メーカー別販売台数シェアでは、ASUSTeKが28.2%とトップシェア。続いて日本エイサーが18.8%となり、台湾勢のトップの体制は変わらない。だが、特筆できるのは3位となった東芝の動きだ。16.5%と急速にシェアを拡大しており、2位の日本エイサーとの差は2.3ポイントと肉薄してきた。
続いて、4位はレノボ・ジャパンの7.9%。5位以下は富士通の5.2%、工人舎の4.6%、オンキヨーの4.4%と国内PCメーカーが続いた。
また、8位には日本ヒューレット・パッカードの3.3%、9位はデルの2.6%、10位はソニーの2.5%。製品の入れ替え期に当たったNECは、1.6%のシェアとなり、12位と低迷した。
BCNの調査によると、現在、ミニノート市場に製品を投入しているのは、国内PCメーカーでは、東芝、NEC、ソニー、富士通、シャープ、工人舎、オンキヨー、マウスコンピューターの8社。一方、海外PCメーカーは、ASUSTeK、日本エイサー、レノボ・ジャパン、日本ヒューレット・パッカード、デル、MSIなど12社となっている。
これをもとに、国内PCメーカーと海外PCメーカーの市場シェアを比較してみると、2008年5月のデータでは、国内PCメーカーの構成比が35.9%となった。2008年12月の17.3%、2009年3月の27.6%と比較しても、国内PCメーカーの市場構成比が高まっているのがわかる。
言い換えれば、国内PCメーカーのネットブックの販売増加が、ミニノートの構成比を引き上げているともいえよう。
事実、東芝がdynabookブランドによるネットブックを初めて投入。さらに、富士通も4月から、国内のネットブック市場に新規参入するなど、国内大手の動きが影響しているのは間違いない。
台湾勢もラインアップを広げているものの、NECが6月2日から第3世代となるネットブックの新製品を投入。また、シャープも光センサー液晶を搭載したネットブックを発売するなど、国内PCメーカー製のシェア拡大に向けた動きも今後も見逃せないだろう。
今後、ネットブック全体の構成比がどう変化するのかといった動きに加えて、ネットブック市場における国内PCメーカーの構成比がどこまで拡大するのかも注目されよう。
(2009年 6月 3日)
[Reported by 大河原 克行]