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石油と同等の燃料を合成できる植物プランクトン。海洋研究開発機構が世界初の発見

植物プランクトン「Dicrateria rotunda (D. rotunda)」

 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と、豊橋技術科学大学 生理学研究所は19日、石油と同等の炭化水素を合成する能力を持つ植物プランクトンを世界で初めて発見したと発表した。

 研究グループが発見した植物プランクトン「Dicrateria rotunda (D. rotunda)」は、炭素数10~38までの一連の飽和炭化水素(炭素と水素からできている有機化合物)を合成する能力を有しており、炭素数10~15のガソリン、同16~20のディーゼル油、同21以上の燃料油に相当する炭化水素を作成可能なことを意味する。

 Dicrateriaは海洋地球研究船「みらい」により、2013年に北極海で採取されたが、太平洋や大西洋など、ほかの海域でも広く生息している。Dicrateriaが作る飽和炭化水素の成分は石油と同等で、バイオ燃料の質としては申し分ないという。ただし、合成する量に問題があり、合成機能をいかに増強させるかが課題となる。