NVIDIA、Arm採用で初のデータセンター向けCPU「Grace」

Grace

　米NVIDIAは12日(現地時間)、Armアーキテクチャを採用した同社初のデータセンター向け高性能CPU「Grace」を発表した。2023年初頭に発売する予定としている。

　Graceは、米国のコンピュータプログラミング先駆者であるグレース・ホッパーにちなんで名付けられた。高いエネルギー効率を実現したArmのデータセンター向け「Neoverse」コアと、低消費電力のLPDDR5xを組み合わせることで、高い性能と電力効率を実現。これまででは考えられなかったような大量のデータ処理を可能にし、AI技術を発展させるとしている。

　具体的には、現在最先端のx86 CPUベースのDGXシステムより、10倍速い1兆パラメータのNLPモデルのトレーニングが可能。また、LPDDR5xメモリサブシステムは、DDR4メモリのシステムと比較して2倍の帯域幅と10倍のエネルギー効率を達成した。

　CPUとGPUの接続には、第4世代NVLink技術が用いられ、900GB/sの転送速度を実現。これは現代的な主要サーバーより約30倍も広い帯域幅となる。また、システムメモリとGPU側のHBMは、単一メモリアドレス空間でキャッシュコヒーレンスを提供し、プログラミングを簡素化する。

　Graceを採用したシステムHewlett Packard Enterpriseからリリースされ、スイスのスーパーコンピューティングセンターと、米国エネルギー省のロスアラモス国立研究所で導入、2023年の稼働を目指す。