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Microsoft Teamsに自動議事録作成機能など、大規模アップデート

Together Modeで追加される新しいビュー、人数により動的にシートが増えたり減ったりする

 Microsoftは7月8日(現地時間)、コラボレーションツール「Teams」に今後追加する予定の新機能を発表した。

新しいビデオ会議のかたちを提案するTogether Mode、動的に見え方を調整していくDynamic Viewを追加

Together Modeのカフェモード

 COVID-19の世界的な流行による在宅勤務やテレワーク、リモートワークなどで呼ばれる在宅勤務が世界規模で広まっていることに伴い、Teamsのようなコラボレーションツールには大きな注目が集まっている。

 今回Microsoftが発表した機能のなかでもっとも注目を集めているのは「Together Mode」、「Dynamic View」と呼ばれる機能だ。

Together Modeに切り替えるにはメニューから行なう、新しいTeamsではメニューがビューの上でなく、上部に移動する。これにより、プレゼンにメニューバーがかかったりということがなくなり、画面キャプチャも容易になりそうだ

 ビデオ会議の表示方法としては、「分割ビュー」などと呼ばれる出席者のWebカメラで撮影している動画を1つのウインドウのなかに複数表示するかたちが一般的だ。一方Together Viewでは、出席者のWebカメラで撮影されている動画から、背景を切り替えたり、ぼかしたりするのと同じAIを利用した手法で人物だけを切り出し、その動画をシアターやカフェにいるような背景に1つ1つ貼り付けていくという仕組みになっている。

 発表時点では、シアターとカフェが用意されているが、順次新しいビューが追加される予定。これにより、味気ないビデオ会議のビューをより楽しいものに変えることができる。Together Viewは8月に導入される予定だ。

 もう1つのDynamic Viewは、会議に利用しているコンテンツ(例えばPowerPointやWebブラウザでの資料表示)や、誰がしゃべっているかなどに合わせて動的にビューを変更していく機能。従来はしゃべっている人を「ピン」で指定すると、その相手で大きく表示されていたが、Dynamic Viewではその必要がなく自動でしゃべっている人が大きく表示されたり、プレゼンの資料が大きく表示される。

Dynamic View
動的にビューが切り替わっていく

 Microsoftはすでに「Lager Gallery View」と呼ばれるビューを8月に導入すると明らかにしているが、今回のDynamic Viewはそれを自動で切り替える点が大きな違いになる。また、「Virtual Breakout Rooms」と呼ばれる機能も追加される予定で、大会議の後少人数でのミーティングを別途行なえるようになる。リアルなカンファレンスなどで基調講演の後に、小規模のブレイクアウトセッションが行なわれる仕組みをバーチャルでも実現する仕組みだ。

すでに英語版では実装されているライブ文字起こし機能は話者も認識し、会議終了後に自動で議事録を作成

 このほかにも、Microsoftは複数の新機能を追加する。

 「Video Filter」はSNSなどにアップロードする写真を“盛れる”のと同じことをビデオ会議でも行なえる仕組みだ。肌を綺麗にしたり、動画の明るさを調整したりなどをTeamsから行なうことができる。Zoomの「外見を補正する」機能に相当する機能だと考えることができる。

Video Filter

 「Reflect messaging extension」ではチーム内のやりとりに「絵文字」で気持ちを伝える機能や10段階評価で評価を伝える機能などが追加される。こうした絵文字の機能は「Slack」などでは一般的に使われている機能で、Slackでは人気を集めている。そうした機能がTeamsにも実装される。

Reflect messaging extension

 「Live reactions」は誰かがプレゼンテーションをしているときに、リアルでは視聴者の反応を見ながら話を変更したりできることをバーチャルでも実現する仕組みだ。視聴者は絵文字を使って、プレセンターに対して「面白い」とか「つまらない」のようなリアルなプレゼンであれば視聴者が首を振ったり表情などで示すものを、絵文字で表現できる。これにより、プレゼンターもある程度は視聴者の反応を把握しながら話の内容をかえたりといったことを可能にする。

Live reactions

 また、「PowerPoint ライブプレゼンテーション」の機能をTeamsにも実装する計画であることを明らかにしている。

 さらに、プレビュー機能として自動で話者がしゃべったことを文字起こしする機能を追加しているが、今回はその文字起こし機能に、話者を認識して文字起こしする機能が追加される計画だ。会議終了後にはその文字起こしされた内容がWord形式でファイルに保存される機能が追加される。

 現時点では米国英語のみの機能となっており、日本でいつ使えるようになるかは明らかになっていないが、これが使えるようになると、面倒な会議の「議事録」を作成する手間が大幅に減ることになる。

自動文字起こし機能
しゃべっている人を認識して文字起こしをしてくれる
議事録を保存できる

 このほかにも、Microsoft Whiteboardのアップデート機能向上(新機能や速度の向上)、Teamsにタスクアプリの追加、ユーザーにお薦めのリプライを示す「Suggested replies」、CortanaのTeamsへの統合、「Microsoft Teams Displays」と呼ばれるTeams会議専用ハードウェアが発表され、Lenovoから「ThinkSmart View」という専用ハードウェアが349.99ドルで提供されることなどが明らかにされた。

Microsoft Whiteboardのアップデート
タスク機能の追加
Suggested replies
Microsoft Teams Displays、左がLenovoのThinkSmart View