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NVIDIA、フレームレートの上限設定が可能になった新ドライバ

~VRゲームを高画質化する機能なども追加

 米NVIDIAは6日(現地時間)、GeForceシリーズ向けのゲーム用ドライバの最新版「CES 2020 Game Ready Driver」を発表した。ユーティリティソフトのGeForce Experienceを通じて利用できる。

 今回追加や改善が行なわれたおもな機能は4つ。1つ目は「Max Frame Rate」という機能で、3Dアプリケーションを利用しているさいに、NVIDIAコントロールパネル上でフレームレートの上限を任意に設定できるようになった。

Max Frame Rate

 「Optimal Power」の電源設定と組みあわせると、GPUの動作周波数を抑え、電力消費を減らす。ノートPC向けのBattery BoostモードやWhisper Modeの場合でも上限設定は有効。一方「Prefer maximum performance」と組みあわせると、GPUの動作周波数を高く維持しレイテンシを軽減する。

 また、G-SYNCによる可変フレームレートとディスプレイの対応フレームレートの範囲を一致させることも可能で、Ultra Low Latency Modeと垂直同期をあわせて有効にすれば、より滑らかなゲームプレイが行なえるとしている。

Variable Rate Supersampling(VRSS)

 2つ目は「Variable Rate Supersampling(VRSS)」で、おもにVRコンテンツをプレイするさいに有用な機能。Turingアーキテクチャ搭載ビデオカードで使える「Variable Rate Shading(VRS、可変レートシェーディング)」を利用して、視線が集中する画面中心部のシェーディングレートを最大8倍に引き上げる。画面全体をスーパーサンプリングする場合と比べて、少ない負荷で視覚的な品質を向上できるという。

Boneworksを使った検証結果。Core i7-6700K/32GBメモリ/GeForce RTX 2080 Ti/Windows 10の環境でHTC Vive Proを使用して実施

 同社がVRゲーム「Boneworks」を使って行なった検証では、画面全体に4倍のスーパーサンプリングを適用した場合では90FPSが維持できなかった一方で、4倍のVRSSを適用した場合では90FPS以上が維持できたという。

VRSSあり/なしの比較

 VRSSはドライバ側で提供されるためゲーム側への統合は不要で、DirectX 11またはフォワードレンダリングおよびMSAA(Multisample Anti-Aliasing)をサポートしたゲームで動作する。現時点で20タイトル以上が利用可能だとしている。

 3つ目はゲーム画面にリアルタイムでポストプロセスフィルタを適用できる「NVIDIA Freestyle」に追加された「Splitscreen Filter」。画面を分割するかたちで2つのフィルタを適用したり、2つを混ぜあわせたフィルタを適用したりできる。

Splitscreen Filterで分割してフィルタを適用した場合
Splitscreen Filterで2つのフィルタを混ぜあわせた場合

 4つ目はゲーム画面の鮮鋭化機能(Image Sharpening)の改善。ユーザーからのフィードバックに基づいて、GPUスケーリング機能のみを利用するオプションが新たに用意され、カスタム解像度もサポートされる。

ゲーム画面の鮮鋭化機能(Image Sharpening)

 そのほか、「Wolfenstein: Youngblood's」でのレイトレーシング、DLSS、NVIDIA Highlights機能のサポートや、Quake II RTX v1.3への対応なども行なわれている。