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AMD、リアルタイムレイトレーシングを次世代RDNAでサポート

~Windows 10 May 2019 UpdateでCPUが高クロックへ復帰する時間が20倍高速に

AMDのCPUロードマップ

 AMDは10日(現地時間)、製品ロードマップを更新し、次世代CPUとGPUの計画を明らかにした。

リアルタイムレイトレーシングのHW対応は次世代のRDNAに持ち越し

Zen、Zen+、Zen2までがリリース済みで、Zen3を開発中

 大成功を収めたZenの第2世代のアーキテクチャとなる「Zen2」を搭載した第3世代Ryzenを発表したばかりのAMDだが、同時に次世代の計画に関して明らかにした。

 AMD CTO兼テクノロジー/エンジニアリング担当副社長のマーク・ペーパーマスター氏は「Zen 2をリリースしたばかりだが、我々は7nm+でZen 3を開発しており、これは計画通り進展している。その先にはZen 4をデザインしている状況で、我々は複数年にわたる複数製品を進めている」と述べ、AMDのZenベースの製品が1世代だけの製品ではなく、複数世代にわたって強力な製品を計画しており、競合に対して今後も優位であるような開発を続けていくと説明した。

AMDのGPUロードマップ

 GPUに関しても同様の計画を持っており、RDNAアーキテクチャに基づく最初の製品としてRadeon RX 5700シリーズを発表したばかりだが、今後同じく7nmの改良版となる7nm+を活用したRDNA 2と呼ばれる第2世代のRDNAアーキテクチャに基づく製品を開発中だ。

AMDのレイ・トレーシングに関する考え方

 AMD Radeonテクノロジー事業部担当上席副社長のデビッド・ワン氏はNVIDIAがAMDに先駆けて導入したリアルタイムレイトレーシング向けのハードウェアの実装に関して「GCNとRDNAではシェーダーレベルでのサポートになる。そして次世代のRDNAではリアルタイムゲーム向けのいくつかのライトエフェクトに関してハードウェアサポートを実装する計画だ。フル機能の実装はコンピューティングパワーに余裕があるクラウドコンピューティングでのサポートになる計画だ」と述べ、RDNAの最初の世代ではハードウェアによるリアルタイムレイトレーシングのサポートはなく、シェーダーを利用したソフトウェアサポートにとどまると説明した。

Windows 10 May 2019 Updateでクロック切り替え時間が20倍高速に

2つCPUが1つのCCXとなっていることから生じるクロックがあがるまでの遅延が解消

 このほか、AMD CPUが、4つのCPUコアが1つのCCXとなっていることから生じている、クロックが上がるまでの遅延に関して、Windows 10の最新版となるWindows 10 May 2019 Update(19H1、1903)において解決し、低クロックから高クロックへの切り替え時間が、従来のWindowsでは30msかかっていたのが、Windows 10 May 2019 Updateでは1~2msと20倍高速になった。

ベンチマーク結果

 これにより、Windows 10 October 2018 Update時と比較して「Rocket League」の1080p Low設定で15%の性能向上、「PCMark 10」のApp Launchが6%とベンチマークでも効果があることが確認できたという。このベンチマーク結果はRyzen 7 3800X上での結果になるが、従来のZen、Zen+ベースの初代Ryzenや第2世代RyzenもCCXの仕組みそのものは一緒なので、同じような効果があるものと考えることができる。