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SSD、HDDの性能を引き出し、使い勝手を向上させるWindows&アプリ設定の基本

 最近のストレージは優秀なので、ケーブルをつなぐだけで動作します。しかし、それだけでは本来備えているパフォーマンスを出し切れない場合もあります。また、設定次第で使い勝手やセキュリティを向上させることも可能です。

 DOS/V POWER REPORT 2018年10月号の「特集・SSD/HDD/NAS+αPCストレージ強化計画」では、たくさんの疑問に答える形で、Windowsやアプリケーションのストレージ関連設定を解説しています。ここでは、そのなかから8つの疑問を抜粋してお届けします。

TEXT:竹内亮介

Q:システムの入ったSSDは容量が小さいのでメディアファイルはHDDに保存したいのですが

A:ドキュメントフォルダなどを別のドライブに移動できます

 Windows 10では、「ドキュメント」や「ビデオ」、「ピクチャ」などのフォルダを、別のドライブに移動する設定があります。標準ではCドライブですが、Dドライブに変更すると、Dのルートフォルダにユーザーフォルダと各種フォルダを自動で作成します。以降はそこを、各アプリから参照する標準のフォルダとして利用します。

Q:SSDやHDDの調子がよくありませんどんな状態かを知ることはできませんか?

A:S.M.A.R.T.をチェックできるツールを利用しましょう

 ストレージの状態を示す「S.M.A.R.T.」と呼ばれる情報を表示できるアプリを利用しましょう。表示される「現在値」は現在の数値、「最悪値」は利用中にもっとも悪かった数値、「しきい値」はメーカーが定める限界値です。下の表で紹介した項目の現在値がしきい値に近付く場合、故障を疑いましょう。

Q:システムドライブにたまるゴミファイルを消したいです

A:ストレージセンサーで削除できます

 日々のWindows UpdateやWindows 10の大型アップデート適用など、システムに関するさまざまな操作に伴い、システムドライブにはテンポラリファイルがたまっていきます。その中には、数GBという容量のものもあります。

 こうしたゴミファイルを削除し、システムドライブをスリムに保つため、Windows 10では「ストレージセンサー」機能を搭載しています。これは、システムドライブに保存された利用済みのファイルをリストアップし、不必要なファイルだけを削除するという機能です。手動で即座にゴミファイルを削除する機能もありますし、スケジュールを設定して作業させることも可能です。

Q:USBメモリなどの挿入時にメニューが表示されるのがめんどうです

A:自動再生機能から利用したい機能を選びます

 Windows 10の設定アプリにある「自動再生」機能を利用しましょう。この機能では、そのドライブやメディアをWindows 10が認識したときにどんなアプリを起動するか、そのファイルを扱えるアプリをリストで表示して選択するダイアログを表示するか、あるいは何もしないかということを設定できます。

Q:ドライブの並び順を好きなものに変更したいです

A:ドライブレターはディスクの管理機能から変更できます

 ディスクの管理ツールでは、ストレージのマウントやフォーマットのほか、ドライブレターの変更を行なえます。仮想ドライブを利用しているときなど、物理的な光学ドライブの次にそうした仮想ドライブのドライブレターをつなげて、分かりやすくできます。

Q:Windows 10でドライブ上のファイルを保護する方法はありますか?

A:Windows 10の記憶域を利用する方法がオススメです

 Windows 10では、ディスクの管理機能から複数のHDDを利用してファイルの安全性を高めるソフトウェアRAID機能を利用できます。

 またそれとは別に、RAIDと同じような仕組で複数のストレージにファイルを分散して保存し、一部のHDDが壊れてもファイルを復旧できるようにする「記憶域」という機能があります。RAIDよりもドライブの追加や容量の拡張を柔軟に行なえますので、Windows 10ならこちらのほうがオススメです。

Q:USBメモリや外付けHDDをほかの人に使われないようにできますか?

A:BitLocker機能を使って「カギ」をかけましょう

 USBメモリやモバイルタイプの小型外付けHDDは、コンパクトで持ち運びやすい便利なデバイスです。しかしその半面、落としたり盗難にあったりする可能性も高く、情報が不正に漏洩する危険性があります。

 こうした不測の事態に備えるために活用したいのが、Windows 10の「BitLocker」です。これはドライブ全体を暗号化し、正しいパスワードを入力しないとドライブを開けないようにする機能です。万が一USBメモリなどが盗難にあっても、正しいパスワードを入力されない限り保存されているファイルは閲覧できないので、強力なセキュリティ対策となります。またこれは、HDDを廃棄するときにも便利な機能です。

 ただしBitLocker機能を利用してUSBメモリなどを暗号化できるのは、エディションがPro以上のWindows 10です。Homeでは、パスワードを入力してドライブにアクセスすることはできますが、暗号化自体は行なえません。

Q:HDDやSSDに消せない領域があります。どうすればいいですか?

A:OSのセットアップ画面から領域を消去できます

 SSDやHDDをシステムドライブとして利用していた場合、Windows 10のディスクの管理ツールからは消去できない領域が作成されています。しかしこの領域は、OSのセットアップ中に行なうディスクの領域確保機能で消去できます。

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本記事は、DOS/V POWER REPORT10月号「特集・SSD/HDD/NAS+αPCストレージ強化計画」からの抜粋です。この特集では、SSD(NVMe/Serial ATA)やHDD(内蔵、外付け)、NAS、USBメモリ、SDメモリーカードなど、旬の各種ストレージからお勧めの製品をピックアップして検証するとともに、ストレージを使いこなすためのコツや、ストレージやデータの処分方法について紹介しています。