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NVIDIA、30fpsの動画から高品質スローモーションが作り出せるAI技術

 米NVIDIAは6月18日(現地時間)、カリフォルニア大学およびマサチューセッツ大学の研究者ら共同で、30fpsのビデオから高品質のスローモーション映像を生み出すディープラーニング(深層学習)ベースのシステムを開発したと発表した。

 スマートフォンや市販のカメラでも、240fpsの高速撮影などによって、スローモーション映像を作り出せるものがあるが、ごく短時間しか撮影できなかったり、大きな記憶容量を必要とするといった欠点がある。

 NVIDIAらは、複数のTelsa V100と深層学習用ライブラリのcuDNN、深層学習フレームワークのPyTorchを用い、毎日11,000本以上の240fpsで撮られたスポーツ活動の映像でトレーニングを行ない、これによって畳み込みニューラルネットワークで追加フレームを予測。

 システムの正確性を検証するために、分割されたデータセットが用いられたが、結果として低fpsの動画であってもスムーズでブレの少ない映像を生み出せたという。

Research at NVIDIA: Transforming Standard Video Into Slow Motion with AI

 NVIDIAは、このマルチフレーム方式のアプローチによって、空間的および時間的に一貫性のある複数の中間フレームを生成できるため、最先端のシングルフレーム方式よりも優れていると主張している。

 この技術を使えば、すでに撮影済みの映像であってもスローモーション化できるため、日常的に撮影した映像をシネマチックに編集可能という。

 同技術はユタ州のソルトレイクシティーで開催されるComputer Vision and Pattern Recognition(CVPR)にて公開される予定。