ニュース

Xiaomi、技術と芸術を融合させたSnapdragon 845スマホ「MIX 2S」

MIX 2S

 中国Xiaomi(小米)は27日(現地時間)、上海でスマートフォン新製品の発表会を開催し、同社の雷軍CEOがフラグシップとなる「MIX 2S」を発表した。

 MIX 2Sは2017年に投入した「MIX 2」の後継モデル。Xiaomiはかねてより、コストパフォーマンスや性能のみならず、デザインも重視して製品を設計しているが、MIXシリーズはそのなかでももっとも優れたデザインを体現するフラグシップのラインナップ。2017年にはそのデザインが評価され、フィンランド、フランス、ドイツのデザイン博物館に収蔵されたという。

 なかでも、フランスのポンピドゥー・センターでデザイン・インダストリアル・ビジョン・チーフキュレーターのMarie-Ange Brayer氏は、「MIXは技術と芸術のパーフェクトな融合であり、AI時代の設計やデザインを牽引する傑出した代表作である」と高い評価を与えている。MIXは、中国の工業製品としてはじめて世界クラスの博物館に収蔵されたマイルストーン的な製品となった。

MIX 2Sを手にする雷軍CEO
2017年には5製品が海外の8項目のデザイン賞を受賞
フランスのポンピドゥー・センターに収蔵されたMIX
Marie-Ange Brayer氏がMIX収蔵に寄せたコメント

 XIX 2Sもデザイン性を継承し、「一面科技 一面芸術」(技術の一面と芸術の一面を併せ持つの意)おり、セラミック製で艷やか、優れた質感を実現した筐体、MIX 2よりもさらに高い画面占有率を実現。本体色はホワイトとブラックの2種類だが、ホワイトモデルは画面占有率の高さを強調し、ブラックモデルはカメラを取り囲む金属のラインが18K金がアクセントとなっている。

ブラックモデル

 発表会ではカメラ性能についても多く語られた。MIX 2S背面カメラはMIX 2のシングルレンズからデュアルレンズとなり、メインセンサーには、ソニーのIMX363を採用している。このセンサーは1,200万画素で、画素あたりの受光面積は1.4μm。2017年モデルは1.25μmのものより受光面積は25%広くなった。もともとは2017年の時点で採用したかったそうだが、センサーサイズが大きいため、スマートフォンのサイズに収めるのに苦労したという。

 このセンサーの採用によって実現したのが、暗所での大幅な撮影性能向上だ。デュアルPDによるAFもあいまって、低光量時はiPhone Xと比較して高速なAFが可能なだけでなく、Snapdragon 845内蔵ISPにより、黒つぶれや白飛びを抑え、強力なノイズリダクションを実現。第三者がカメラ画質評価を行なうDxOMark mobileのPhotoで101のスコアを記録した。

 ただし、MIX 2Sは発売までの開発期間が短かったため、画質のチューニングは発展途上であるとしており、今後半年のあいだにさらなるチューニングでより高い画質を実現するとした。

 その一方で、雷軍氏は「発表会で使ったiPhone Xとの比較はあくまでもMIX 2Sが優れている部分の1つ」だと言い、iPhone XがMIX 2Sよりも優れているシーンはあることを認めている。

 AI技術を駆使し、25ジャンル/206種類のシーンを自動で認識し、画質を最適化する機能も搭載。一例として、曇の日のくすんだような印象の写真を自動で改善したり、多肉植物を認識して画像をより鮮やかにしたりできる。

 また、発表会や会議のスライドを認識し、1.5倍の超解像化を行ない、その後スライドというジャンルに振り分け、撮影日や撮影場所ごとに自動で分類する機能も備える。

 さらに、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、日本語、韓国語、インド語の7言語に関しては、レストランで撮影したメニューの料理名を中国語に変換する機能を搭載。米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円、韓国ウォンに関しては、自動でそのときのレートに合わせて人民元に変換する機能も備えている。

 前面カメラもAIによる背景ぼかし機能を搭載している。この背景ぼかしは、点光源をハート状にしたり、螺旋放射線状にしたりするフィルタも適用でき、ボケの大きさも後から自由に調整できるようになっている。また、ボケの大きさを徐々に変更させていく動画への変換も可能だ。

ソニーのIMX363を採用し、受光面積を25%広げた
デュアルPDAFにより、iPhone Xと比較して暗所でのAF性能に優れる
暗所での写真サンプル拡大比較。輪郭でその差は一目瞭然だ
iPhone Xと暗所での動体撮影比較
白飛びが抑えられ、トーンがなめらかだ
高感度によりブレの少ない撮影も可能
MIX 2Sで実際にプロが撮影した写真
スマートフォンのカメラにとってもっとも厳しい暗所/逆光環境でも優れた撮影性能を実現
“プロの写真では説得力に欠ける”という理由で、Xiaomiのスタッフが撮影した写真
25ジャンル/206シーンの識別機能
遠目のスライドを超解像技術により読みやすくする機能
スライドを時間と撮影場所ごとに分類
レストランの食事のメニューを自動的に翻訳。通貨も変換
まだチューニング中だが、DxOMark MobileのPhotoではスコア101を記録
前面カメラも背景のボケが可能
前面カメラもAIは点光源のボケをカスタマイズできる
螺旋放射線状の効果も

 SoCがSnapdragon 835からSnapdragon 845となり、性能が大幅に向上。CPUクロックは最大2.8GHzに達し、AI処理に特化したエンジンも搭載。GPUの性能も3割向上した。同社の測定によればAntutu Benchmarkで277,178点をマークし、現時点で市場にあるどのスマホよりも高速だという。

 また、GoogleのARCoreもサポート。発表会では、ARを使った3Dリアルタイムストラテジー「The Machines」のプレイデモもなされた。なお、MIX 2S発売時点ではまだAndroid版がなく(iOS版のみ)、約1カ月後にリリースされる予定だとした。

 そのほかの3Dゲームプレイにも好適としており、中国で流行しているモバイル向けMOBAゲーム「王者栄輝(Honor of Kings)」のプレイでは、iPhone Xより長時間バッテリが持続し、フレームレートも安定、なおかつ表面温度が抑えられる。

Snapdragon 845の採用
AI処理に特化したエンジン
Antutu Benchmarkで277,178点をマーク
Xiaomi Note3やMi6との比較
ゲームをプレイしていてもiPhone Xより快適で、温度が低く、バッテリも持つ
Honor of Kingsを3ラウンドプレイした後の温度比較
ARを使ったリアルタイムストラテジーゲーム「The Machines」のAndroid版もプレイ可能

 同社が2017年に投入したAIスピーカーの技術を応用した音声アシスタント「小愛同学(同学はクラスメイトの意味)」を実装している点もユニーク。ここでも、中国語の認識が苦手で、中国での利用シーンに適した機能が充実していないAppleのSiriとの比較がなされ、小愛には「去年10月に上海で撮影した写真を探して」と言うとフォトアルバムを自動的に開いて人物や場所、撮影時期を絞り込んで検索する機能や、「明日は●●に行くんだけどどんな服を着ていけばいいのかな?」と聞くと温度や天気を調べ、それに合う服を着るように促してくれる機能、WeChatの個人間送金「Red Packet」を音声コマンドで実行できる機能などが紹介された。

音声アシスタント「小愛同学」とSiriの比較。WeChatで「66元のRed Packetを送って」と語りかけると、「66元のRed Packet」という文字列を相手に送ってしまうSiriに対し、小愛同学はちゃんと66元送金できる

 MIX 2SはQiによる7.5Wの無接点充電もサポート。iPhoneやSamsungにも同様の機能はあるが、さほど多くのユーザーに使われていない理由の1つに「無接点充電器が高すぎる」ことを挙げ、Xiaomiは99人民元(約1,670円)の低価格モデルを投入すると発表。「iPhone Xでも使えるので、iPhone愛好者にプレゼントしてあげるといい」と雷軍氏は笑う。

NFCもサポートし、銀行カードや交通系のカード、ドアロックのカードなどをまとめられる
99元の無接点充電器は、iPhone Xも充電可能

 MIX 2Sの価格だが、メモリ6GB+ストレージ64GBモデルが3,299人民元(約55,740円)、メモリ6GB+ストレージ128GBモデルが3,599人民元(約60,810円)。また、メモリ8GB+ストレージ256GBで、無接点充電器を無償添付、そしてワールドワイドのバンド帯に対応した「陶瓷尊享版」もあり、価格は3,999元(約67,570円)となっている。

 液晶は2,160×1,080ドット表示対応の5.99型で、DCI-P3色域やHDRのサポートが謳われている。センサーは指紋、ホール、ジャイロ、加速度、電子コンパス、気圧、近接。本体サイズは74.9×150.86×8.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は189g。