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2017年自作PC市場は好調で、単体PC市場と対象的な結果に

主要PCパーツ販売台数伸び率 出典:BCN

 株式会社BCNは1日、自作PC用パーツ類が前年比プラスで推移していると発表した。

 同社の家電量販店/ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」をもとに算出された結果で、デスクトップPCやノートPCの販売数量は前年を下回っているのと対象的に、自作PC用パーツ類は好調となった。

 マザーボード/CPU/電源/HDDベア/PCケースの5ジャンルを「主要PCパーツ」として調査した結果、過去1年間の販売数量伸び率(前年同月比)を算出すると、おおむねCPUの売れ行きに連動する傾向を示していたという。

 CPUの売れ行きは、2017年2月~7月までは前年割れで推移していたが、8月以降はほぼ120.x%台に好転し、2018年1月は130.9%と高い伸び率を記録。同月はマザーボードが前年比131.6%、電源が128.4%、HDDベアが104.3%、PCケースが103.9%と好調な結果を見せている。

 8~9月のCPUの売り上げが好調だったのは、2016年の「Windows 10無償アップグレード」の反動で、2016年8月に販売数量が下落したため。本格的な販売数量の伸びは11月以降となっている。

Coffee Lakeの好調が要因、市場のPC自作機運も上昇か

 BCNアナリストの山口渉氏は、販売数量を伸ばした要因として2点を挙げており、1点目が、2017年10月末に第8世代Coreプロセッサ(Coffee Lake)が発売されたことで、2017年1月にも第7世代Coreプロセッサ(Kaby Lake)が発売されているが、第8世代のほうが好調な売れ行きを示しているという。

 Intel CPUの製品別にみると、11月の販売数量構成比ではCore i7が5割以上で、このうちの約半数を第8世代Core i7が占め、貢献度が大きいとしている。

 もう1つは、2コアのCeleronプロセッサの売れ行きが堅調に推移している点で、CPU全体に占める数量比率は、2016年1月には4.9%だったのに対し、翌2017年には20%超まで高まっており、廉価であることから安定した需要が続いているという。

Intel製CPUの種類別販売台数構成比 出典:BCN

 同氏は、PCパーツ市場全体が活況傾向にある理由として、PCの自作機運が高まったことが大きいとしており、背景には、PCゲームや動画編集の需要の増加があるとの見方を示している。今後、オンラインゲームやeスポーツがさらに盛り上がれば、PCパーツ市場も拡大につながる可能性は大きいとしている。