やじうまミニレビュー

気づいたらUHS-II対応のSDカードが3,500円だったので買ってみた

〜リード260MB/secのハイスペックがこの価格で

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
EXCERIA PROとBSCR20TU3BK

 東芝が2013年10月に発売した、高速転送“UHS-II”規格に準拠したSDカード「EXCERIA PRO」。リード260MB/sec、ライト240MB/secというSATA 3Gbps世代のSSDに迫るスペックを誇っているが、発売当初の価格は16GBモデルで1万円台前半、32GBモデルが2万円台半ばという“高嶺の花”であった。欲しくてもなかなか手が出なかったユーザーも少なくなかったはずだ。

 しかしこの2年間で価格は大幅に下がり、Amazon.co.jpでは16GBモデルが3,500円、32GBモデルが5,980円と、同容量の一般的なSDカードと比較して割高であることには変わりないが、1万円超えと言った“べらぼうに高い”価格ではなく、プレミアムSDカードとしては購入しやすい価格帯に落ち着いてきている。

 筆者は普段の取材で多くの写真を撮るので(1取材あたり少なくとも200枚)、こうした高速伝送に対応し、なおかつ安心できるブランドのSDカードは欠かせない。そこで今回1枚購入してみた。

 もちろん、UHS-IIのカードの速度を享受するためには、対応のカードリーダも用意しなければならない。今回はUHS-II対応を謳っているバッファローの「BSCR20TU3BK」も合わせて購入した。なおこちらもAmazonでの価格は3,121円と、通常のカードリーダと比較して高いが、UHS-II対応を考えればリーズナブルな価格設定となっている。

 カメラ側は、ハイミドル以上のモデルを中心にUHS-II対応製品が増えており、インフラとしては整えられつつあるが、メインストリームまで落ちてきたとは言いにくい。とは言え、カメラは手持ちのものをそのまま継続使用していても、SDカードやカードリーダがUHS-II対応であれば、PC取り込み時に速度のメリットを享受できるし、将来的にUHS-II対応カメラ購入時期が来たらそのまま対応できるので、インフラに先行投資する意味では十分にアリだ。

EXCERIA PROとBSCR20TU3BKの製品パッケージ
パッケージ内容は至ってシンプル
UHS-II対応なので、高速転送用のピンが増えている
BSCR20TU3BKはSDのほかに、CF、microSD、メモリースティック(PRO)などに対応している
SDカードスロットは珍しく飛び出しが少ないタイプ

 筆者もUHS-II対応カメラを持っていないので、PCへの転送での活用という視点で速度計測をしてみた。EXCERIA PROとBSCR20TU3BKの組み合わせで、CrystalDiskMark、およびATTO Disk Benchmarkで速度を計測した。計測環境は、Core i7-5820K(4GHzにオーバークロック)、メモリ16GB、512GB SSD(Plextor M5P)、Radeon R9 290Xビデオカード、Windows 10 Pro(64bit)といった自作システムである。

CrystalDiskMark(1GiB)の結果
CrystalDiskMark(100MB)の結果
ATTO Disk Benchmarkの結果

 結果を見れば分かるが、どのベンチマークでも公称のリード260MB/sec、ライト240MB/secには及ばず、240MB/secと210MB/secに留まった。テスト項目によってはやや書き込みに不安定な部分も見られたが、シーケンシャルアクセス速度の値はSATA 3Gbps時代のSSDに十分匹敵し、SDカードとして非常に高い性能を誇っていることに疑いの余地はない。

 なおBSCR20TU3BKでは、独自の高速化ソフト「TurboPC EX」が利用できる。こちらを導入したところ、100MBブロックでのCrystalDiskMarkのシーケンシャルリードが380MB/secまで跳ね上がった。これはPCのメインメモリの一部をキャッシュとして動作させるためだ。一方書き込みは、ある程度データがまとまってから書くようで、数値は正常だがベンチマークの実行に時間が掛かった。

 実利用ではどうなるか? ということで、試しに5.5GB分のRAW+JPEGデータをコピーし、タイムを計測してみた。Windows 10ではコピーのアルゴリズムが改善されているため、TurboPC EX FileCopyの導入による効果はあまり見られなかったが、SDカード→SSDへのコピーはおおよそ33秒前後、SSD→SDカードへのコピーはおおよそ50秒前後であった。換算すると、概ねリードは平均170MB/sec、ライトは平均112MB/secだ。RAWのように1ファイル当たりの容量が大きいとアクセスは速いが、JPEGのように1ファイル当たりの容量が小さいとアクセス速度が低下する傾向が見られる。

TurboPC EXを導入すると、デバイスマネージャー上での表示が変わる
TurboPC EX導入後のCrystalDiskMark(1GiB)の結果
TurboPC EX導入後のCrystalDiskMark(100MB)の結果
TurboPC EX導入後のATTO Disk Benchmarkの結果
【表1】5.5GB分のRAW+JPEGデータ転送にかかった時間
コピー先 転送モード TurboPC EX FileCopy 経過時間
SSD→SD UHS-II あり 57秒48
SSD→SD UHS-II なし 49秒00
SD→SSD UHS-II あり 32秒88
SD→SSD UHS-II なし 34秒06

 とは言え、SDカードとしてはやはり高速なレベルにある。EXCERIA PROはUHS-Iにも対応しているため、以前レビューした、UHS-I対応の3.5インチベイ内蔵用カードリーダ「FD-321F/T81UEJR」に挿して計測したところ、SDカード→SSDへのコピーはおおよそ1分10秒、SSD→SDカードへのコピーはおおよそ1分24秒掛かった。つまり、UHS-IIはUHS-Iと比較してリードで約半分、ライトで約3分の2に時間を短縮できた。ことリードについては、大容量を扱うユーザーにとって欠かせない要素だろう。

UHS-I接続時のCrystalDiskMark(1GiB)の結果
UHS-I接続時のCrystalDiskMark(100MB)の結果
UHS-I接続時のATTO Disk Benchmarkの結果
【表2】5.5GB分のRAW+JPEGデータ転送にかかった時間
コピー先 転送モード TurboPC EX FileCopy 経過時間
SSD→SD UHS-I あり 1分23秒91
SSD→SD UHS-I なし 1分25秒77
SD→SSD UHS-I あり 1分09秒18
SD→SSD UHS-I なし 1分10秒88
UHS-II対応を謳うパナソニックのCF-RZ5でテストしたところ、UHS-Iを超える速度は達成したが、フルスペックを発揮できなかった

 筆者はプロカメラマンではないため、あまりSDカードを買い換えず、数年前のSDカードも“使えている”ならずっと使い続けているのだが(SDカードが寿命で読み書きできなくなった経験は1回しかない)、EXCERIA PROのサムネイル表示の高速性やファイル転送速度に惹かれてしまった。これを機に手持ちをUHS-IIに切り替えていこうと思っている。

 なおカードリーダの方だが、CFが必要ないのであればエレコムの「MR3-A007BK」の方がやや安価である。質感を重視するのであれば、アイ・オー・データ機器からアルミボディの「US3-U2RW/B」が用意されているので、これらも選択肢に入れていただきたい。

(劉 尭)