藤山哲人と愛すべき工具たち

ネジ山が潰れた! ネジ頭が取れた! 悲劇を救う天使の工具

本連載では、家電製品から実験機器の製作、プログラミングなど、幅広いジャンルで活躍するテクニカルライター藤山哲人氏がさまざまな工具をレビューしたり、多少無茶なことにチャレンジしたりしていきます。

 PC Watchのアダルティーな読者なら、「舐めまくったり」、「ブッ潰す」ほど、突っ込んだりしたことがあるだろう。もちろん“アレ”のことじゃない! 「ネジ」の話だ。

力の加減を誤ると、ドライバを差しこむネジの穴を潰してしまい、二度と抜けなくなったりする。別名ネジを舐める

 とくにPC Watch読者の場合は、妙なPCケースやら、光まくるマザーボードやビデオカード、変態的なカードやクレイジーな電源、STATのコネクタが足りなくなるほど大量のHDDにSSDなどなど、ネジ止めする機会が多いはず。しかもドライバーがきっちりかみ合う日本製のネジじゃなく、「なんかゆるくネ?」的な海外製のネジが大半だ。

 ココは目が肥えている人が多いので「焼入れしてんの? このネジ?」やら「え? 鉄なの、アルミじゃねーの?」的なヤワヤワのネジが多いのをよくご存知だろう。最近は少なくなってきたけれど、安い製品を買うとやっぱり10年前と同じ品質じゃんということもある。

PC用のネジの数々。ネジ穴がいまだに潰れやすいのは、ファンガードを固定するいもネジっぽいコレ!どうやれば、潰れないの?

 普通にネジを締めてたら、ネジ穴ブッ潰したり、なめちゃったりのは日常茶飯事だ。しかもトルク加減のわからない人の電動ドライバなんかを借りたら、もう3割打者! 3本に1本は、ネジ舐めちゃってMVPっすよ。

 しかも、PC/ATやDOS/Vなど、PCが現われてから、半世紀近く経つのに、相変わらずインチネジとミリネジが混在。インチなんて分解能の悪い単位系は早く絶滅させて、「国際単位系」のミリネジに統一すりゃいいものを、いまだに混在させてるから、これまたネジ穴をつぶす原因になっているのだ。

 我は問いたい!

  なぜ電源とマザボの固定はインチネジ?
  なぜHDDはインチで光学ドライブはミリネジ?

※SSDはミリネジに統一された唯一のエネミーラインというか、DMZ(非武装地帯)だ。

HDDはインチネジなのに、なんで光学ドライブはミリネジで止めなきゃならんのだ!

 PCのインチ&ミリネジ混在は、戦争になってもおかしくないほど、捻じ曲がっているのが現状だ。ネジだけにね。これを統一しただけでも、PCユーザーのネジ穴潰しや舐めはかなり解消され、年間の経済損失も改善されるはず。

 MKSの国際単位系ナメんなヨ!

 ということで、前置きが長くなったが、ここでは潰したり舐めて回らなくなったネジを外すための、天使のツールを紹介しよう。

舐めるなら回して見せよう天使の工具!

 ネジ穴を潰したり舐めてしまって、回らなくなったネジを抜くには、次の7パターンの手段がある。

ネジ外し剤

 チューブに入った液剤に滑り止め用の粒子が混ざっている。ネジ穴に1滴液剤をたらし、ドライバを押し込むと、粒子がサンドペーパーの摩擦のようになり、ネジとドライバをかみ合うというものだ。

ネジ外し剤。いろんなメーカーから出ているが、DIY店では兼古製作所(ANEX)をよく見かける

プライヤ外し

 なべネジやPC用のインチネジなど、母材(ネジと止めている材料)からネジ頭が出ているものなら、プライヤで強くつかんで回すと外れる。

母材からネジの頭が出る「なべネジ」やPC用のインチネジなら、プライヤで外せることも

 ただしプライヤの咥え部の溝の都合上、ネジを上からつかめない(すべる)、せまい場所のネジは外せない。また「皿ネジ」や「トラスネジ」はほぼ無理など制約が多い。

ネジの頭はなべのようなかたちをしているなべネジ
なべより薄くなっているトラスネジ
お皿のかたちをしている皿ネジ。コイツは母材の面と一体化している場合が多い。だからプライヤでつかめない

ネジザウルス

 ねじ外し専用のプライヤ。ネジ頭が少しでも母材から出ていれば、ネジ頭に食いついて外せる工具。プライヤと違い、滑り止め部分が鋭い歯になっているので、めちゃくちゃネジに食いつく。またネジを上からでも咥えられるように歯が付いてる。

ネジザウルスはいろいろなバリエーションがあるけど、機能的にはみんな同じ。握りやすさ、使いやすさをDIY店で実際に確かめてから買うことをオススメする

 プライやよりせまい場所のネジが外せるのが特徴。また小さいタイプのネジザウルスもある。トラスネジはもちろん、皿ネジでも母材から0.2mmほど頭が浮いていれば、がっつり食いつく。

ネジバズーカ(軽症)

 ネジザウルスと同じエンジニアという会社から発売されている、ねじ外し用の特殊ドライバ。通常のドライバなら単に十字になっているだけだが、反時計回りに回すとカギ爪がネジに食い込み、ネジをしっかり捕らえるようになっている。

ネジバズーカ(軽症)
ドライバの先端が単純な十字ではなく、反時計周りに回したときにカギ爪が引っかかるようになっている

 ネジザウルスでも太刀打ちできない、皿ネジを外すのにみピッタリ。また基本ドライバと同じなので、せまい場所でも使える。マザボを止めているネジや拡張カードのネジを外すのにも便利だ。

ネジバズーカ(重症)、貫通ドライバ

 同じネジバスーカでも重症用というものが用意されている。これは軽症用の刃が引っかかる場所もないほど、ネジ穴をなめてしまったネジ用。まさに箸にも棒にもかからない状態のネジ用。

重症用の先端部分。ちょうどノミのようになっていて、打撃することでネジ山を無理やり作る

 これはつぶれたネジ穴にドライバを差し込み、ハンマーでドライバを打ち込むっことで、無理やりネジ穴を作るというもの。ハンマーでネジをたたくので、マザーボードのねじ外しにはちょっと不向き。

 じつは同じようなツールが、先の滑り止め材の販売元の兼古製作所(ANEX)から「ビスブレーカードライバー」として出ている。でも打撃系なので、マザーボードなどには不向き。

 またドライバをハンマーでたたいて使える「貫通ドライバ」というものもある。これは錆などで母材に固着してしまったネジを外すための工具で、PC用ではあまり使わないだろう。

ネジ外しビット

 電動ドライバの先につけるドライバのような先端工具。先端はロボットアニメに登場するドリル型になっていて、グリップやドリルに取り付けて半時計周りに回すと、ネジ穴にドリルが食い込んで固定。そのままネジを回して外せるというもの。

左側はねじ外しビット。右は別売のグリップ。グリップの代わりに電動ドリルを使ってもいい

 ビットがいろいろあるので、どんな種類のネジ、どんなネジ穴の大きさでも回せるが、ステンレスのような硬い素材でできたネジだとドリルが食い込まないことも。

 またよく外れそうに見えるが、じつのところ成功率が低いので、これで抜けたらラッキー!ぐらいに思ったほうがいい。写真はドライバーでおなじみのVESSEL製。でもネジザウルスのエンジニアとネジ止め材の兼古製作所からも同様のものが発売されている。

ドリルで破壊

 これは最終手段。ネジ穴に太めのドリルを差し込んで、ネジ頭そのものを削り破壊するというもの。残ったネジの本体は、さらに細いドリルで削りネジそのものを破壊する。

母材は痛める、ねじ穴は潰れる、高い技術と忍耐力も要求されるので、ほんとのホントに最終手段

 こうすると、元のネジ穴がダメになるので、再びネジを締める場合に1サイズ大きなネジで止めたり、ネジ穴補修材で削れた部分を補修する。

工具によって特徴いろいろで一長一短

 適応できるネジや母材への影響などをまとめると、次のようになる。

【表】工具ごとの特徴
価格母材へのダメージ固着したネジネジ穴がほぼないなべネジトラスネジ皿ネジHEXなど特殊ネジステンレスネジネジの頭もげ
ねじ外し剤500円程度なし××なし
プライヤ1,000円程度××なし
ネジザウルス2,000円程度×可能性あり
ネジバズーカ(軽症)2,500円程度(重症とセット)なし×なし
ネジバズーカ(重症)2,500円程度(軽症とセット)打撃×なし
貫通ドライバ1,000円程度打撃×なし
ねじ外しビット1,000円程度なし×可能性あり
ドリルでネジ破壊1,000円程度頭破壊

 もし母材に傷が付いてもいい! と男気あふれるなら、ネジザウルスがいい。通常サイズなら、M3(直径3mm)のネジ以上から使える。もしそれ以下の小さいネジやスペースにかぎりがある場合はミニサイズがオススメだ。

ネジザウルスは左が通常サイズで、M3以上のネジに対応。右がミニサイズでM1~M3,M4ぐらいまで

 母材を傷つけたくない場合は、ネジバズーカの軽症用がオススメ。ネジ穴が完全に潰れている場合は、とりあえずネジ外しビットで慎重に試して見てほしい。

 また、ねじ外し剤は、ほかのツールとあわせても使えるので、工具箱に1つ用意しておくといい。

 以下、それぞれの工具の使い方を説明しよう。

ねじ外し剤はネジを締めるときにも有効

 一番リーズナブルで、少しでもネジ穴のかたちが残っていれば、母材を傷つけずに外せるので、まず試してほしい。通常ドライバーは押す力7に対して3の力で回すといわれている。しかし潰れたネジを外す場合は、押す力9に回す力1ぐらいで、とにかくネジに食いつかせるのが大事。

ネジ穴に1滴垂らす。結構さらさらなので、たくさん出てしまわないように注意

 ネジ外し剤を垂らしてドライバを押し込むと、「ジャリッ!」っと砂が潰れるぐらいの音がするまで押し込むこと。

 なおプラスネジだけでなく、六角やHEX、もしくはスパナを使うボルトに対しても有効なので、チューブ1本を工具箱に常備しておきたい。

ボルトを舐めちゃった場合にもねじ外し剤は有効
ドライバーと一緒に工具箱に常備しておきたい

 さらに言うと、ネジを締めるときに使うと、そもそもネジを舐めなくなるので、舐め潰し防止になる。

ねじ外しで困ったらネジザウルスが第1選択肢

 ネジザウルスの基本的な使い方は、ネジに対して90度横に向けて使う。握りを力いっぱい握りつつ、半時計回りに少しずつネジ回せばいい。

困ったらネジザウルス! 筆者の経験上、まずコレを試してほしい。ただし母材に傷がつく場合がある

 もしさびなどでネジが母材と固着している場合はKURE CRC556をネジの回りに吹きつける。30分ほど待つと、さびのなかに油が浸透するので、同様にしてネジを回すと意外なほど簡単に回るので試してほしい。ポイントはしっかり30分待つこと。あせりは禁物だ。

KURE CRC556は錆に対してものすごく浸透する。潤滑用だけでなく、工具の錆止めやメンテ用、固着したネジの緩めにも活用できる

 ネジザウルスがペンチやプライヤと違うところは咥え部分。横から見ると2カ所でネジを咥えられるように、半円の溝が切ってある。そこには、ネジをしっかり咥えられるように歯がつけられている点に注目。この歯がネジの金属に食いついて、硬いネジでも滑らずに回転できる。

ネジの周囲に食いつく鋭い歯、そしてネジに合うように円を描いているのが特徴
プライヤの滑り止めは、ネジザウルスに比べ丸い。根元の大きな部分で大きなナットを噛むのには便利だが、先端部でネジを噛むのは難しい

 力加減はつかみが7割、回転3割が基本というところ。固着が激しい場合はつかみをを強くするといい。注意点は、回転させたときに母材に擦れて円形の傷が入ってしまう点。母材を傷透けたくない場合は、マスキングテープなどでマスキングしてやればあまり傷つくこともないだろう。

ネジの周囲は食いついた刃でボロボロ。それだけ噛みつくということだ。ただし母材をマスキングしないと、回転傷が残るので注意

 またPC内部のマザーボードを固定しているネジなどは、頭を上から咥えこむこともできる。咥え部を正面から見ると、半円に溝が切られ、こちらにも歯が刻まれているのがわかるだろう。

咥え部の先端にも刃がついていて、ネジを上から噛めるようになっている
上からでもガッツり掴める

 ペンチやプライヤは、歯が丸く横方向のみについているので、ネジを頭から咥えることができない。しかしネジザウルスは、上からも咥えられるので、せまいところのネジも外せるようになっている。

左の緑が通常サイズ、右がミニサイズ。PC用ならミニサイズでもいい

 なお写真の緑の製品が通常サイズ。これ以外にM1~M3ネジに使えるミニサイズ(黒)も用意されている。さらにレーザーで名前を入れてくれるサービスもあるので、一生モノの工具としてぜひオススメしたい。

まぁ誰も気づいてくれないけど(笑)レーザーで名前を入れてくれるサービスもある

 舐めたネジを外す工具としても便利だが、筆者が長年使っていて感じたのは、キーホルダーなどのマルカンやチェーンをかしめたり、曲げたりするのに、咥え部がしっかり金属を咥えるので便利に使える。

ネジバズーカは軽症用の#1と#2をそろえたい

 ネジザウルスは、どんな太さのネジでも汎用性があって便利な反面、母材を傷つけがち&皿ネジには歯が立たないという弱点がある。もちろんメーカーは、そんなこと百も承知。なんてったって2019年は、ネジザウルス発売10周年なのだ! そこで最近になって現われたのが、皿ネジに対して超強力で、母材を傷つけないねじ外し工具「ネジバズーカ」だ。

ネジバズーカは、力を入れやすいグリップと、軽症と重症用の先端ツールが添付されているモデルのほか、先端ツールを個々に販売している

 こちらは軽症用よ重症用の2つの工具がセットになっている。まず軽症用は、少しでもネジ穴が残っている場合に有効。見た目は普通のドライバなのだが、先に紹介したとおり十字の左側にカギ爪がついている。

カギ爪がネジ穴の金属に食いついて、ネジが回せる。打撃を必要としないので、PC用としてかなり便利

 このドライバーを反時計周りに回すと、ドライバーではスベってしまうネジ穴でも、このカギ爪が食いつきネジを回せるというものだ。ただドライバーと同じで、サイズがあるという点が曲者。

 通常M3(直径3mm)のネジは、#2というドライバーがよく使われるが、#2のネジバズーカだとM3のネジ山が小さくてバズーカのカギ爪が食いついてくれないのだ。なので#1のネジバズーカを使う必要があるというちょっとしたクセがある。ちなみにM4以上なら#2で食いついているようだが、PC用の一般的なインチネジは食いついてくれなかった。

ご存知PC用のインチネジは、#2のネジバズーカが食いつかないので、#1を別途購入したい

 またプラス以外に六角穴用も用意されているが、これもサイズがいろいろあるので汎用性にはちょっとかける。

ネジザウルスでギリ噛みつけるのが、このトラスネジ。ただ噛みつける部分が、母材に近すぎてマスキングしても傷つけてしまうことも
ツライチになる皿ネジは、ネジザウルスの取りつく島もない!ネジザウルスが噛みつけないので、手も足も出ない(涙)

 とはいえ、ネジザウルスでは太刀打ちできない、皿ネジ(母材とネジが段差なく平面(ツライチ)になるので、ネジザウルスが咥える面がない)や、母材を傷つけやすいトラスネジ(食いつく面が母材近くのわずかな面なので、母材を傷つけやすい)などに対しては非常に有効だ。

ノミのように先端ツールをネジ頭に叩き込み、無理やりネジ穴を作る!

 また重症用はちょっと使い方が特殊。こちらはネジ穴がまったくなくなってしまったネジ用で、まずドライバをネジの頭にセットしてハンマーで打撃。こうするとノミのようにネジの頭にドライバが食い込むので、これを回すことでねじを外すというものだ。

叩き込んだ先端ツールにグリップをつけてネジを回す。M4以上のネジに対して有効(重症用#1という先端ツールがないため)

 こちらは#2のみとなっていて、M3ネジだと頭が小さく食い込むスペースがないため、M4以上と思っていいだろう。またHDDやマザーボードなど、打撃すると悪影響が出そうなものには利用できないので注意してほしい。なお付属のグリップ以外にも、一般的な差し込みビット用のグリップも使える。

VESSELのボールグリップは、押し込む力をかけやすいのでおすすめ

イチかバチかのねじ外しビットで運勢を占う!?

 こちらは最終兵器と言っていい「ネジ外しビット」だ。「ネジ穴がぶっ壊れちまったなら、とことんまでぶっ壊してネジをはずしたろーやないかい!」という諸刃の剣。

グリップは別売。右側がVESSELの#2用ねじ外しビット

 一見するとドライバーのように見えるが、じつは先端が昔のロボットアニメのドリルのように、三角ドリルになっている。つまり潰れたネジ穴にこのドリルをねじ込んで、引っかかった勢いでネジを外そうというものだ。だからネジ穴が今以上にぶっ壊れること確実なので最終手段となる。

まずこちら側の先端でネジ穴に少し穴を開ける。回す方向が通常と反対の反時計回りなのに注意
次に反対側の三角ドリルをネジ穴に差し込んで、食い込ませたところでネジを回す

 使い方は、まずドリルになっている形状をネジに指し、反時計回りにドリルやグリップを使い、ゆっくり回転させる。これで第2ステップ目のドリルを導く溝を作ってやるのだ。

固着したネジや硬く締まったネジだと、それを回せるほどの食いつきがないので、外せない場合が多々ある

 次にビットを反対にしてゆっくり反時計回りでネジを外していく。最初に作ったネジ山にうまく噛み付けばネジが外れる。筆者の経験から言うと、外れるかどうかは半々という感じだ。

 難点はねじ外し硬いステンレスネジには食いつかないので外せない、固着したネジを回すだけのトルクに耐えられないなど、弱点は多い。外せたらラッキーという感じだ。

 ミリネジの穴にインチネジを硬く締め込んでしまった!なんてことが、初心者にはありがちだが、ねじ外しビットではまず外せないので注意してほしい。そうきつく絞まりすぎで食いつき力がおよばないのだ。

貫通ドライバは固着したネジ用でPCには不向き

 このドライバを使って外すネジは、おもに錆で固着してしまったネジ。たとえば自転車やバイク、屋外で使うものに使われているネジを外す場合だ。たいていの製品は錆ないステンレスネジなどを使っているが、油を差すことが前提になっている部分には鉄のネジが使われている場合もある。

ドライバのグリップの後ろが金属になっているのが貫通ドライバ。ドライバの軸がそのまま出ているのでハンマーで叩ける

 錆で母材に固着したネジは、母材の置くまで錆が浸透してしまい、いくら力を入れても回らなくなる。そんなときは、まずKURE CRC556を吹いて30分後に、もう一度トライ!

 それでもダメなら、貫通ドライバをハンマーで叩き込んで、固着部分に衝撃を加えて緩めるというわけだ。PCの場合は、そこまで母材に固着することはなく、衝撃はPCにヤバイのであまり使うことはないだろう。

最終手段はネジ破壊!もしくはネジ頭がもげちゃった!

 どうにもネジが外れないという場合は、かなりの工具と腕が必要になるので、工作が得意で工具をいろいろ持っているひとにお願いするのがいい。

最終手段というか、もう裏技や奥義って感じなので注意

 と言っても、それでも俺は自分でやたいという変態紳士のみなさんには、軽く手順をご紹介。

 まずはネジの太さプラス4~6mmほどのドリルを用意。外したいネジのが、ステンレスの場合は、ステンレス用のドリル刃を用意する(鉄工用の黒い刃は、文字どおり刃が立たない)。これをネジ山の中心に置いて、頭の根元まで削る。すると、頭がポロリと取れる。まずはこの状態にしよう。

まずはネジ頭をドリルで削る。これで母材に固定していたものは取れる

 また「PCWatch読者あるある!」が、ネジの頭がもげた場合(笑)。ミリネジのネジ穴に無理やりインチネジを突っ込み、思いっきり強くしめるとネジ頭がボロリ……!もう何千人の読者のみなさんが、ディスプレイの前で「あるある!」ってうなづいているのが目に見えるよう。そんぐらいある。

あ! ヤベッ!

 ネジ山を取ったネジや、ネジ頭がもげちゃったネジの第2段階は、ネジと同じ太さのドリルで、ネジそのものをドリルで穴あけする!

残ったネジの軸部分をドリルで削る。中心出しが難しいけど、そこは腕でカバーするしかない!

 鉄(ユニクロ)のネジでもかなり硬く時間がかかるので、あとは努力と根性。母材を貫通したらネジは簡単に折って取れる。

こうして復旧したネジ穴は、元のネジ穴より大きくなってしまうので、元のネジで固定できなくなる

 こうしてネジを外すと、再び部材をネジ止めしようとしても、ネジ穴が大きくなってしまいネジ止めできない。そんなときはワンサイズ太いタッピングネジ(木ネジのようなもの)で済めるといい。

木ネジはネジ頭の元には、ネジが刻まれていない。タッピングは元まで刻まれたネジ

 ネジ穴の損傷が激しい場合は、以下のような商品を使って溝を復活させることも可能だ。

ネジ穴修復材を使うと、元の大きさのネジで固定できる

イザというときに備えてネジザウルスとバズーカ!

 しょぼいネジが多いPCの世界、いまだにインチとミリが混在する組み立てPC。おそらく世のなかで一番、ネジを舐めたり潰しているのは、われわれPCユーザー、しかも組み立て派である!

 にもかかわらず、今日までネジ穴潰しが絶えないのはなぜだ!(ふっ、ボウヤだからさ……)

 われらMKS国際単位系が何度インチ公国に踏みにじられたかを思い起こすがいい!
 戦いはこれからである!
 国民よ立て!
 悲しみを怒りに変えて、ネジザウルスをその手に持て!
 個の怒りを終結し、ネジバズーカをかまえよ!
 MKS単位系は諸君らの力を欲しているのだ!

 ジーク!祇園! ジーク!祇園!