西川和久の不定期コラム

エプソンダイレクト「Endeavor PU100S」
〜21.5型フルHDでバッテリ駆動可能な液晶一体型PC



 エプソンダイレクトは液晶一体型PCの「Endeavor PU100S」を発表した。セパレートタイプのPC+液晶ディスプレイより30%以上の省スペース化が可能になり、加えてオプションであるが、バッテリ駆動も可能。発表に先駆け編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けする。

●Endeavor Sシリーズの液晶一体型PC

 これまで同社製PCは、小型でスリムなものからハイパワーのタワー型までいろいろなタイプのマシンをご紹介してきたが、液晶一体型PCはラインナップ上に無かった。

 昨今、液晶パネルは全体的にクオリティが上がりつつ、価格は大幅に下がっている。加えてPCを構成する各モジュールも小型化が進み、一体型を開発するのも、いろいろな意味ややり易くなったものと思われる。

 またセパレートタイプと違って、少なくとも液晶の電源ケーブルとビデオケーブルの2本(場合によってはスピーカーケーブルも)が不要となり、机の周りもよりスッキリする。余談になるが、丁度先日、知合いの事務所に新しいセパレート型PCが入り、セットアップを手伝っていたのだが、電源コンセントが1つ足りず、四苦八苦したところだ。

 PU100Sは、Endeavor Sブランドで、カスタマイズ項目が少なく、限定されたサポート、国際エネルギースター5.0を取得していないなど、コストのかかる部分を削り、その分価格が抑えらている。今回届いた構成は以下の通り。

【エプソンダイレクト「PU100S」の仕様】
CPU Intel Core i5-3470S(4コア/4スレッド、2.9GHz/TB 3.6GHz、キャッシュ6MB)
チップセット Intel H61 Express
メモリ 4GB、スロット×2(空き1)、最大8GB
HDD 500GB(3.5インチ/SATA 6Gbps/7,200rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドラブ
OS Windows 7 Home Premium(64bit)
ディスプレイ 21.5型(非光沢)、フルHD/1,920×1,080ドット
グラフィックス Intel HD Graphics 2500
ネットワーク Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n
その他 USB 2.0×4、USB 3.0×2、メディアスロット、マイク、音声入出力、HDMI入力、HDMI出力
付属品 PS/2 キーボード、マウス
サイズ 540×165×406mm(幅×奥行き×高さ、傾き15度時/最大50度まで)
重量 約6.3kg
価格 68,040円

 プロセッサはCore i5-3470S。4コアだがHyper-Threading非対応で4スレッドとなる。クロックは2.9GHz。Turbo Boost時3.6GHzまで上昇する。キャッシュは6MB。TDPは65W。チップセットはIntel H61 Expressで、メモリスロットは2つ。カスタマイズで2GB/4GB/8GBとあり、8GBのみ2スロットを使用する。なおプロセッサはCeleron G550が標準で、Core i7-3770Sも選択可能だ。

 OSは64bit版Windows 7 Home Premium SP1。ストレージは500GBのHDDと、DVDスーパーマルチドライブを搭載。オプションで1TBのHDDとBDドライブも用意されている。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 2500(CeleronはIntel HD Graphics、Core i7はIntel HD Graphics 4000)。ディスプレイは21.5型の非光沢フルHD(1,920×1,080ドット)液晶パネルが使われている。またHDMI出力に加え、HDMI入力もあり、フロントのボタンでPCかHDMI入力かを切り替えできる。AV機器などいろいろなものを接続できるので、ポイントが高い。

 ネットワークは有線LANがGigabit Ethernet、無線LANはオプションでIEEE 802.11b/g/nとBluetooth V4.0。今回は前者のみ内蔵されていた。

 その他のインターフェイスはUSB 2.0×4(右側面と背面にそれぞれ2ポート)、USB 3.0×2、カードスロット、音声入出力と、eSATAは無いものの、一通り揃っている。このクラスのマシンなら、特に不足を感じることは無いだろう。

 面白いのがオプションであるものの、バッテリ駆動ができること(差額7,350円)。11.1V/5,600mAhでどの程度動くのか、後半のベンチマークテストで検証したい。

 サイズは540×165×406mm(幅×奥行き×高さ、傾き15度時/最大50度まで)、重量6.3kgと、サイズや内容の割りには軽量なので、屋内での持ち運びならそこまで苦にならないだろう。

 価格は今回の構成で68,040円。最小構成のWindows 7 Home Premium SP1、Celeron G550、メモリ2GB、HDD 500GB、DVDスーパーマルチドライブ、無線なし、マウス/キーボード込みで48,930円と、5万円を切る魅力的な価格に設定されている。

正面。非光沢の液晶パネルで映り込みが少ない。中央上にマイク、中央下に各種ボタン、左右にスピーカー 左側面。カードスロット、USB 3.0×2、HDMI入力、HDMI出力 右側面。DVDスーパーマルチドラブ、音声入出力、USB 2.0×2
背面。スタンドのチルト角は最大50度まで調整可能 正面ボタン群。各種ステータスLED、メニュー項目選択↓/↑、メニューボタン、入力切替、電源 コネクタ部周辺。PS/2×2、Ethernet、USB 2.0×2、電源入力
ここにオプションのバッテリが入る ACアダプタのコネクタはミッキータイプ。結構大きい。バッテリは11.1V/5600mAh その他付属品。キーボードとマウスはPS/2タイプ、ドライバCDなど

 筐体はホワイトを基調とした、少しだけ厚みのあるほとんど液晶ディスプレイの下にスピーカーを内蔵した雰囲気そのもの。特別高級感がある分けでは無いものの、逆に言うと奇をてらってないので、オフィスの机の上はもちろん、自宅でも違和感無く設置できるだろう。スタンドのチルト角は最大50度まで調整可能だ。下の部分には空間があり、使わない時に、キーボードなどを入れることができ、手前を広く使える。

 液晶パネルは非光沢タイプで、映り込みは非常に少なく長時間操作しても眼が疲れにくい。輝度、発色も共に十分。21.5型でフルHDという解像度も個人的には丁度良いバランスだ。視野角は左右が広めで上下は平均的だろうか。画像処理系のプロが使わない限り、特に不満になることも無いだろう。

 左側面にはカードスロット、USB 3.0×2、HDMI入力、HDMI出力。右側面にはDVDスーパーマルチドラブ、音声入出力、USB 2.0×2を装備。背面にはPS/2ポート×2、Ethernet、USB 2.0×2、電源入力がある。いまだにPS/2ポートがあるのは同社の拘りだろう。できればUSB 3.0はアクセスの速い外部HDDなどを接続したいので、背面側にあった方が目立たないが、この点に付いての考え方は個人差もあり、何とも言えない部分だ。

 パネル中央下にある、各種LEDそしてメニュー項目選択↓/↑、メニューボタン、入力切替、電源ボタンは、小さいもののアクセスしやすく使い勝手は良い。欲を言えばボリュームもあればさらに便利そうだ。

 振動や発熱、ノイズに関しては試用した限り全く気にならなかった。マシンの性格上、直ぐ目の前にあるだけに、少しのノイズでもあれば気になるが、本製品は合格点を与えられる。

 サウンドはスピーカーの幅がそれなりにある分、ステレオ感は一般的なノートPCなどと比較しても十分にある。パワーもそこそこだ。音質は比較的筐体が大きいためか、詰まった感じでは無く、抜けがよい爽やかな雰囲気と言える。Realtek HD オーディオマネージャーで適度に調整すればさらに音が広がる。

●約2時間のバッテリ駆動が可能

 OSは64bit版Windows 7 Home Premium。プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 2500を使っているだけに、できればメモリは4GBではなく、8GB欲しいところか。

 デスクトップは、同社お馴染みの「初期設定ツール」など、いつものパターンで、使い慣れたユーザーなら安心感があるだろう。

 HDDは3.5インチSATA 6Gbps/7,200rpmの「ST500DM002」を搭載。この手の一体型PCは、筐体をできるだけ薄くするため、2.5インチのHDDを搭載するケースが多いが、本機は3.5インチを採用することで、価格容量比を上げている。

 C:ドライブのみの1パーティションで約463GB割り当てられ、初期起動時C:ドライブの空きは約438GB。光学ドライブは「MATSHITA DVD-RAM UJ8C0」が使われていた。

 そのほか、Wi-FiはRealtek製。チップセットはIntel 6系なのでUSB 3.0のネイティブサポートは無く、TIのコントローラを搭載する。

起動時のデスクトップ。同社お馴染みの壁紙と、初期設定ツールなどのショートカットが左側に並ぶ デバイスドライバ/主要なデバイス。HDDはSATA 6Gbps/7,200rpmのST500DM002。光学ドライブはMATSHITA DVD-RAM UJ8C0。Wi-FモジュールはRealtek製 HDDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティション。約463GBが割当てられている

 インストール済みのソフトウェアは、Corel WinDVD、Nero 10、Nero Kwik Media、初期設定ツールなど、あっさりしている。またセキュリティ関連は届いたマシンには入っていなかった。

 このPU100Sに特化したものとしては、正面下部にある各種ボタンと連動したOSDがあげられる。上から順に輝度/音量/Wi-Fi/Bluetoothの設定ができる。

OSD。下部のボタンに連動し輝度/音量/Wi-Fi/Bluetoothの設定できる Power Life。Performance/Balance/Energy Starの設定が可能 御馴染み初期設定ツール

 ベンチマークテストはWindowsエクスペリエンス インデックスとPCMark 7、BBenchの結果を見たい。参考までにCrystalMarkの結果も掲載した(今回の条件的には特に問題は無い)。

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 4.8。プロセッサ 7.5、メモリ 5.9、グラフィックス 4.8、ゲーム用グラフィックス 4.9、プライマリハードディスク 5.9。PCMark 7は2885 PCMarks。CrystalMarkは、ALU 72831、FPU 59780、MEM 36734、HDD 13806、GDI 17045、D2D 2630、OGL 8563。

 Core i5-3470Sと内蔵Intel HD Graphics 2500としては平均的な結果だ。グラフィックスがIntel HD Graphics 2500のため若干低いスコアになっているものの、普通の処理をするなら十分なパフォーマンスとなる。

 BBenchは、省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、Wi-Fi/ONでの結果だ。バッテリの残5%で7,035秒/1.9時間。予想以上の結果で、約2時間バッテリ駆動が可能だ。ピークシフトするには不足気味だが、これだけ動けば思わぬ停電や、ちょっとした移動などの時に役に立つ。

Windows エクスペリエンス インデックス。総合 4.8。プロセッサ 7.5、メモリ 5.9、グラフィックス 4.8、ゲーム用グラフィックス 4.9、プライマリハードディスク 5.9
PCMark 7。2885 PCMarks
BBench。省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、Wi-Fi/ONでの結果だ。バッテリの残5%で7,035秒/1.9時間

 以上のようにエプソンダイレクト「PU100S」は、21.5型で非光沢の液晶パネルを搭載した液晶一体型PCだ。HDMI出力に加えHDMI入力があるのも魅力的。加えてバッテリ駆動で約2時間ほど動くため、思わぬ停電など何かの時に役に立つ。

 カスタマイズ可能で最小構成は48,930円。長年Windows XPマシンを使っていたり、机の上を広く使いたいなど、特に一般的な事務処理を行なっているユーザーの買い換えマシンとして候補になりうる1台と言えよう。