西川和久の不定期コラム

3万円切りでAI対応ダブルレンズカメラ搭載のファーウェイ「nova lite 3」

製品写真

 ファーウェイ・ジャパンは1月30日、しずく型ノッチを採用し、画面占有率89%、前面/背面ダブルレンズ共にAI対応のカメラを搭載したSIMロックフリースマートフォン「nova lite 3」を発表、2月1日から販売を開始した。

 前モデルに相当する「nova lite 2」も筆者がレビューしているので、その違いが気になるところ。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

nova lite 2から大幅にパワーアップしたエントリーモデル

 ちょうど1年前の2018年3月16日に前モデルに相当するHuawei「nova lite 2」の記事を掲載しているが、まだ読んでいない読者の方は、できれば今回の記事を読む前にご覧いただきたい。

 まず、掲載している写真のルックスが懐かしいレトロな感じだ。ノッチがどうのという前のクラシックタイプで、パネルも小さい。加えてダブルレンズでアパーチャ対応だが、AIというキーワードはどこにもなく、写りも色が薄めで平凡な写りだった。

 「たった1年でこれだけ進化するのか」と思ってしまうのが、今回ご紹介するHUAWEI「nova lite 3」だ。マイナス要素があるとすれば、25,980円前後だった価格が26,880円と気持ち高くなった程度だろうか。おもな仕様は以下のとおり。

HUAWEI「nova lite 3」の仕様
SoCHUAWEI Kirin 710 オクタコア(2.2GHz A73×4+1.7GHz A53×4)
メモリ3GB
ストレージ32GB
OSAndroid 9+EMUI 9.0.1
ディスプレイ約6.21型2,340×1,080ドット、しずく型ノッチ、画面占有率89%
ネットワークIEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.2
SIMnanoSIMカードカードスロット×2(DSDV、デュアルVoLTE対応/auVoLTE)
GSM850/900/1800/1,900MHz
WCDMABand 1/2/5/6/8/19
FDD-LTEBand 1/2/3/8/17/18/19
TD-LTEBand 41
インターフェイスMicro USB 2.0、microSDXCカード(SIM2と排他/最大512GB)、3.5mmイヤホンジャック
センサー加速度、コンパス、環境光、近接、指紋認証、GPS、GLONASS、AGPS
前面カメラ1,600万画素
背面カメラf/1.8 1,300万画素+200万画素(深度測定用)
サイズ/重量約73.4×155.2×7.95mm/約160g
バッテリ約3,400mAh
カラーバリエーションオーロラブルー、コーラルレッド、ミッドナイトブラック
税別店頭予想価格26,880円

 SoCはHUAWEI Kirin 710で、オクタコア(2.2GHz A73×4+1.7GHz A53×4)の構成となる。前モデルのKirin 659と比較して、シングルコアで75%以上、マルチコアで68%以上の性能を謳っている。ただしNPUは搭載しておらず、AI系の処理はCPUで行なっている。

 メモリは3GB、ストレージは32GBと変わらず。OSはAndroid 9+EMUI 9.0.1。旧モデルはEMUI 8.0(Android 8.0ベース)だったので、新しくなっている。

 ディスプレイは約6.21型2,340×1,080ドット(19.5:9)。5.65型2,160×1,080ドット(18:9)からなので結構なスケールアップ。加えてしずく型ノッチを採用し、画面占有率89%。デザイン的にもご覧のように今風だ。

 DSDV、デュアルVoLTE(auVoLTE含む)対応のnanoSIMカードカードスロットは2つあり、対応バンドは表のとおり。なお、auVoLTE対応は今後のソフトウェア更新によるとのこと。

 ネットワークは、先のnanoSIMに加え、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.2。Bluetoothのコーデックは、設定/開発者向けオプションで調べたところ、SBC/AAC/aptX(HD)/HWAに対応しているようだ(aptX HDは接続を確認)。

 インターフェイスは、Micro USB、microSDXCカード、3.5mmイヤフォンジャック。microSDカードはSIM2との排他で最大512GB。センサーは加速度、コンパス、環境光、近接、指紋認証、GPS、GLONASS、AGPSを搭載。ただしNFCはない。USBがType-CではなくMicroなのが、唯一今風らしくないところか。

 カメラは前面1,600万画素、背面f/1.8 1,300万画素+200万画素(深度測定用)。一番の違いは前面カメラが倍の画素数になり、これによって自撮りが強くなった上、前面/背面共にAI対応になったことだ。誰でもより簡単に綺麗な写真が撮れるようになる。

 サイズは約73.4×155.2×7.95mm(幅×奥行き×高さ)、重量が約160g。約3,400mAhのバッテリを内蔵し、カラーバリエーションはオーロラブルー、コーラルレッド、ミッドナイトブラックの3色。税別店頭予想価格は26,880円。前モデルと比較して気持ち高くなったものの、これだけ違えば納得か。

前面。パネル中央上にしずく型のノッチを設け前面カメラを配置している。写真からは分からないが、充電中などを示すステータスLEDは下中央より少し左寄りにある
背面。色はオーロラブルー。左上に背面カメラ。下側がカラーセンサー。中央少し上に指紋センサー
左/下。左側面には何もなく、下側面に3.5mmイヤホンジャック、USB2.0(Micro-B)、モノラルスピーカー
右/上。上側面にnanoSIM/microSDXCカードスロット。右側面に音量±ボタンと電源ボタン
nanoSIMスロット付近。奥側がSIM1、手前がnanoSIM(SIM2)/microSDXCカード
付属品。ケース、イヤホン、イジェクトピン、USB式ACアダプタ(約4.7×3.7×2.2cm/47g/5V2A)、USBケーブル
重量は実測で161g
iPhone Xとの比較。パネルサイズ分だけ高く少し幅もある。厚みは若干厚いもののほぼ同じ。明るさは目測だが最大でiPhone Xの半分ほど

 筐体は3D湾曲デザインでメタリック。今風なデザインだ。サイズ約73.4×155.2×7.95mm(同)、重量約160gなので、持った時のバランスもなかなかいい。

 前面は、パネル中央上にしずく型のノッチ。写真からは分からないが、充電中などを示すステータスLED(緑色)は下中央より少し左寄りにある。また標準で画面保護フィルムが貼られており、今回は物撮りも含めてそのまま試用している。

 背面は色がオーロラブルー。左上に背面カメラ。下側がカラーセンサーだ。中央少し上に指紋センサーがある。

 左側面にはなにもなく、下側面に3.5mmイヤフォンンジャック、USB、モノラルスピーカー。上側面にnanoSIM/microSDXCカードスロット。右側面に音量±ボタンと電源ボタンを配置。nanoSIMスロットは奥側がSIM1、手前がnanoSIM(SIM2)/microSDXCカード。

 付属品は、ソフトケース、イヤフォン、イジェクトピン、USB式ACアダプタ(約47×37×22mm/47g/5V2A)、USBケーブル。

 ディスプレイは、約6.21型2,340×1,080ドット。しずく型ノッチを採用し画面占有率89%。昨今、狭額縁が流行っているが、この程度がちょうどよく、さらに占有率が上がると、持った指に画面が被り、逆に見えづらくなる(これを防ぐためにケースに入れるなど本末転倒)。

 発色は、本機だけ見てると気にならないが、iPhone Xなどのハイエンド機と比較すると、少し色が薄めでコントラストも浅めだろうか(おそらく保護フィルムを外せば少し良くなる)。最大輝度も十分明るいものの、iPhone Xと比較すると、目視で半分ほどとなる。とはいえ、価格を考えれば十分以上の品質だ。

 また「視力保護モード」、いわゆるブルーライトカットも搭載している。オンにすると色温度を寒色から暖色まで調整できるものの、いずれにしてもかなり黄色い。

 ノイズや振動はもちろん皆無。発熱も映像を長時間連続再生すると少し暖かくなるが、許容範囲だ。サウンドはモノラルなのは残念だが、低音もそこそこ出ており、またボーカルが前に出る。加えてパワーがあり出力50%でもうるさいほど。ただし、最大だと少し歪み気味だ。イヤホン出力は、ピラミッド型のバランスでパワーもある。ただ、全般的に少し粗目だろうか。

 サウンド関連で面白いのは、同一セグメントのWi-Fi上にあるスマートフォン最大8台で音楽をシンクロして再生できる「HUAWEI Party mode」にも対応していること。各端末の位置を指定することで、サラウンド効果も得られるという。

 全体的に、税込でも3万円を切るというのが、後述するカメラも含めて信じがたいレベルに仕上がっている。ハイエンドと比較するとそれなりにアラは目立つが、コストパフォーマンスはかなり高い。

エントリーモデルにも関わらずアパーチャモード/マスターAIを搭載した高画質カメラ

 カメラは前面カメラが1,600万画素/FF、背面カメラが約1,300万画素+200万画素/像面位相差+コントラストAFでLEDフラッシュを搭載。背面カメラの絞りはf/1.8、物理的な焦点距離は4mm、35mm換算で26mmとなる(Exifより)。

 撮影モードは「アパーチャ」、「夜景」、「ポートレート」、「写真」、「ビデオ」、「その他」(プロ/パノラマ/ARレンズ/ライトペインティング/HDR/コマ抜き/フィルタ/ステッカー)。アパーチャはほかの機種同様、撮影後でも編集でピンの位置やボケ味を調整できる。前面カメラは、「ポートレート」、「写真」、「ビデオ」、「ARレンズ」、「ステッカー」に対応する。

 なお、アパーチャとポートレートは、背景がボケるという意味では同じだが、後者の方が肌のスムージング、少し明るめ、彩度高め、シャドウが少し起こし気味など、よりそれっぽく加工された写真となる。人などを撮る時は(とくに女性)、ポートレートモードがお勧めだ。ただし、あとで編集からピンの位置やボケ味などは調整できない。

 設定は解像度: 13MP/10MP/8MP(ビデオでは1080p FHD/60fps/720p HDなど)、GPSタグ、カメラグリッド、ミラー反射(前面のみ)、タイマー、音声シャッター、スマイルキャプチャ、ウルトラスナップショット。出力は13MPで通常3,120×4,160ピクセル。AIモード、アパーチャ、ポートレートを使うと2,448×3,264ピクセルとなる。

 標準の写真モードで上にあるアイコンは左から順に「AI Vision」、「フラッシュ: オート/OFF/ON/常時ON」(前面含むが、フラッシュではなく画面が光る)、「アニメーション写真」、「AIカメラ」(前面含む)、「設定」。AI Visionは後述のアプリのところで解説する。

 プロモードは、測光モード、ISO: 50-1,600、シャッタースピード: 8-1/4,000秒、EV: ±4、AFモード: AF-S/AF-C/MF、WB: 2,800-7,000Kなどの設定が可能だ。

写真
その他/プロ
その他
設定

 以下、作例を26点掲載するので参考にして頂きたい。基本オート、必要に応じて露出補正、一部AIモード、アパーチャを使っている。起動やAFも速くサクサク撮れ、AE/AFも結構正確(AEが気持ちオーバー目か)。連続でシャッターを切っても熱も持たない。シャッター音は「チッ」と小さく鳴る程度で、多くのケースで気にならないだろう。

 写りは色域が広くsRGBモニタで見ると普通だが、AdobeRGBで観るとより彩度が高くなる。「nova lite 2」では、色乗りが薄くソーシャルに加工してアップするなら十分と書いているが、本機は何も加工しなくても十分と、よりレベルアップしている。

 掲載した中で一番ISO感度が高い、つまり暗いのは「夜景の川」。f/1.8, ISO1250, 1/12秒。等倍で観ると流石に溶けた感じで、水墨画っぽくなっているものの、かわりにノイズはない。

 全般的に、税抜26,880円のスマートフォンでこれだけ撮れれば文句なし。というより驚きだ。ご存知のように、同社のハイエンドモデルに搭載しているカメラは評価が高く、可能な限りローエンドにもフィードバックしているのだと思われる。

作例※リンク先画像 原寸大

セットアップ/指紋認識と顔認識にも対応

 初期設定は、SIMなし、アカウントの設定などは基本スキップもしくはキャンセルで行なった。画面数は11と少し多い方だろうか。

ようこそ
利用規約
SIMカードを挿入してください。(スキップ)
データのインポート
ネットワークへ接続
Googleログイン(スキップ)
Googleサービス
HUAWEI ID(スキップ)
端末保護(スキップ)
拡張サービス(有効にしない)
ユーザー体験向上計画

 指紋認識と顔認識は、パスワード(PIN)を設定した後で行なえる。指紋登録、顔登録共に問題なく行なえ、顔登録はメガネありで行なったがなしでも認証された。機能しているので問題ないが、顔認識は画面キャプチャのように枠内に顔を収めるのだが、収めようと右往左往している間に半端な位置で登録される。もう少し待って欲しいものだ。

 デュアルSIM設定およびAPNは従来と変わらず。手持ちのOCNモバイルONE(LTE)で試したところ、サクッとつながった。

指紋を登録
登録に成功しました
指紋管理
顔を登録
顔を枠内に入れてください
顔認証
APN
デュアルSIM設定

扱いやすいAndroid 9ベースのEMUI 9.0.1

 OSはAndroid 9ベースのEMUI 9.0.1。初期起動時、32GB中9.43GBが使用中(若干の画面キャプチャを含む)。Androidのバージョンは9.0.1。IMEはiWnn IMEとGboardが設定済みだ。

 ホーム画面は3画面、1画面目にGoogle。2画面目、Dockに電話、連絡先、メッセージ、Chrome、カメラを配置。2画面目3画面目にあるアプリやフォルダは下記を参考にして欲しいが、多過ぎず少な過ぎず、バランスよくまとまっている。

 ナビゲーションバーは設定/システム/システムナビゲーションで「ジェスチャー」(iPhone X系風)、「3つのキーによるナビゲーション」(Default)、「ナビゲーションメニュー」の3つを選択できる。通知パネルは上から下へスワイプ、壁紙/ウィジェット/エフェクトの設定は壁紙をピンチイン。

Home(1/2)
Home(2/2)
Googleフォルダ(1/2)
Googleフォルダ(2/2)
ツールフォルダ
通知パネル
画面分割
ストレージ
端末情報
言語と文字入力

 アプリは、「電話」、「連絡先」、「メッセージ」、「Chrome」、「カメラ」、「端末管理」、「テーマ」、「音楽」、「ビデオ」、「ヘルスケア」、「Playストア」、「メール」、「設定」、「ギャラリー」、「HiCare」、「時計」、「カレンダー」、「ファイル」、「メモ帳」、「AppGallery」、「ヒント」、「ウィルスバスター」、「Messenger」、「Facebook」、「Booking.com」。なお、「Messenger」と「Facebook」はツインアプリに対応している。

 Googleフォルダに「Google」、「Gmail」、「マップ」、「YouTube」、「ドライブ」、「Play Music」、「Play ムービー&TV」、「Duo」、「フォト」、「ドキュメント」、「スプレッドシート」、「スライド」。ツールフォルダに「天気」、「電卓」、「音声レコーダー」、「懐中電灯」、「コンパス」、「バックアップ」、「Phone Clone」、「ダウンロード」、「パーティーモード」。

 本来であればカメラパートに含めるべきかも知れないが、「AI Vision」が面白い。先に説明したカメラ左上のアイコンをタップするとこのモードに切り替わり、ECサイトで同種のアイテムを一覧表示、翻訳、建物は関連情報、食品はカロリー表示(100gあたり)などを行なうことができる。

 手持ちのYAMAHA SG-1000で調べたところ、ピックガードを外し、ピックアップをEMGに交換しているにも関わらず第一候補に出てきたのは驚いた。

 「Huawei Share」は結構前から同社のスマートフォン、タブレット、PCに入ってる同一セグメントのWi-Fi上にあるデバイスにファイルなどを送受信する仕掛けだ。

AI Vision/ECショッピング
AI Vision/翻訳
端末管理
Huawei Share

 今回は試していないが、本機はグラフィック性能を向上しつつ、消費電力を抑える「GPU Turbo」を搭載している。日本市場での対応ゲームアプリとしては「伝説対決 -Arena of Valor-」「Vainglory 5V5」「モバイル・レジェンド:Bang Bang」「PUBG MOBILE」「Rules of Survival」の5つ。この機能をON/OFFする仕掛けはなく(つまり比較できない)、対応アプリはアップデートで増える予定だ。

 ウィジェットは、「画面ロック」、「天気」、「カレンダー」、「ギャラリー」、「連絡先」、「スプレッドシートの新しいスプレッドシート」、「スライドの新しいプレゼンテーション」、「時計」、「ドキュメントの新しいドキュメント」、「ドライブ」×2、「ヘルスケア」、「Google」、「メール」、「メモ帳」、「マップ」、「音楽」、「高速化」、「設定のショートカット」、「電源管理」、「Booking.comホテル」、「Chrome」、「Gmail」、「Gmailのラベル」、「Google Play Music」、「Musicプレイリスト」、「Sound Search」。

 エフェクトは「デフォルト」、「パースペクティブ」、「スクイーズ」、「ボックス」、「フィリップオーバー」、「回転」、「ページ」、「風車」とお馴染みのもの。

壁紙/ウィジェット/エフェクト/ホーム画面設定
ウィジェット(1/2)
ウィジェット(2/2)
エフェクト(1/2)
エフェクト(2/2)

価格を考えると十分なパフォーマンスとバッテリ駆動時間

 ベンチマークテストは簡易式だが「Google Octane 2.0」と「AnTuTu Benchmark」を使用した。Google Octane 2.0のスコアは9,860、AnTuTu Benchmarkのスコアは128,447。

 前者は1万を越えればOKと個人的には思っているので、ギリギリだ。後者はHUAWEI nova 3(Kirin 970/4GB/128GB/54,720円)の半分ほどだ。Kirin 970は、1世代前のハイエンド(現在はMate 20 ProなどがKirin 980)であり、その半分程度の性能なので、普段使いであれば問題ない。

AnTuTu Benchmark(1/2)。128,447
AnTuTu Benchmark(1/2)。ランキングは最下位。HUAWEI nova 3の半分ほど
Google Octane 2.0。9,860
残5%で使用時間9時間と13分

 バッテリ駆動時間は、Wi-Fi接続、音量と明るさ50%でYuTubeを全画面連続再生したところ、約10時間で電源が落ちた。明るさ50%でも室内であれば明るく、音量50%はうるさいほど。このクラスでこれだけ持てば十分だろう。

 余談になるが、個人的には正直ハイエンドモデルに興味を失いつつある。

 というもの、今後も速度は向上するだろうが、すでに使う側の人間がそこまでの速度を必要としないこと、そしてカメラも同社のP20 Proで十分な品質だ。これ以上のレベルはソーシャルに投稿する程度であれば不要だろう。

 狭額縁も率が高過ぎると握った位置が見えなくなるなど不都合が発生し、ノッチは実質あっても邪魔にならないので、小細工はどうでもいい、などと考えると、10万円超の価値自体が意味のないものになってしまう。今後ハイエンドに期待するとすればNPU関連だろうか(折りたたみ式はまた別の話)。

 そう考えると、このクラスは極論すれば1年(以上)前のハイエンドの内容がフィードバックされる機種であり、まだ当面は、目に見えていろいろと向上する。おそらく来年はNPU搭載になるだろう。

 性能ではなく、使い道として頭打ちのハイエンドより、これからお下がりで性能向上するローエンドの方が面白いのではと思っている(所詮ハイエンドの後追いなので、トレンドは見えてしまい、そういった意味からは面白くないが)。今回「nova lite 3」を触って改めて痛感した次第だ。


 以上のように、HUAWEI「nova lite 3」は、Kirin 710/3GB/32GB、しずく型ノッチで画面占有率89%の約6.21型2,340×1,080ドットパネル、そして前面背面ともにAI対応のカメラ搭載、税込でも3万円を切るSIMロックフリースマートフォンだ。パネルを含めた質感、ベンチマークテストの結果やカメラの写りなどを考慮すると、コストパフォーマンスは異様に高い。

 仕様上、とくに気になる部分もなく、おサイフケータイが必要なく、安くてもオールマイティにキッチリ使えるスマートフォンを求めているユーザーにお勧めしたい1台だ。