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NEC「LaVie U LU550/TSS」

〜Core M最新モデル搭載の11.6型2-in-1モバイル

NEC「LaVie U LU550/TSS」

 NECは、本体を立てかけて利用可能な専用キーボードが付属する2-in-1モバイルの新モデル「LaVie U LU550/TSS」を12月18日に発売した。基本的な仕様は10.1型液晶搭載の「LaVie Tab W」に近いものの、11.6型液晶を採用するとともに、Core Mプロセッサの最上位モデルの採用により性能が高められている。価格はオープンプライスで、実売価格は172,600円前後。

Core M最上位の5Y71を搭載

 「LaVie U LU550/TSS」(以下、LU550/TSS)の外観は、10.1型液晶搭載のBay Trail-Tタブレット「LaVie Tab W」にかなり近い。液晶サイズが11.6型に大型化されていることもあり、タブレット部のサイズは301.1×192.5×9.6mm(幅×奥行き×高さ)と、LaVie Tab Wよりも一回り大きくなっているものの、背面のフラットな形状やシルバーを基調とした本体色、裏面カメラの位置など基本的なデザインはほぼ同じで、事実上兄弟機と考えて良さそうだ。

 タブレット部の重量は、公称では約822gだが、実測では776gと800gを下回っていた。公称の数値では、11.6型のWindowsタブレットとして特別軽いというわけではないが、実測の数値を考慮すると十分に軽量であると言っていいだろう。

 液晶の大型化と合わせて内部のシステムもLaVie Tab Wから強化されており、プロセッサは開発コードネーム「Broadwell-Y」こと「Core M-5Y71」を採用している。当初はCore M-5Y70を採用して11月に発売予定だったが、最新の最上位モデルへと変更され、発売が約1カ月延期されていた。Core Mの採用により、LaVie Tab Wと比べて性能を大きく向上させるとともに、長時間の駆動時間も両立。しかも、本体は薄型軽量でファンレス仕様も実現している。

LaVie U LU550/TSSのタブレット部本体。11.6型液晶搭載で、フットプリントは301.1×192.5mm(幅×奥行き)となっている
下部側面。超省電力CPUのCore M-5Y70の採用で、高さは9.6mmと1cmを切る薄さを実現
左側面
上部側面
右側面
裏面。フラットで凹凸のないシンプルなデザインとなっている。カラーはシルバーを採用
重量は実測で776gと公称の重量(822g)よりもかなり軽かった

キーボードは打鍵感に優れるもやや重い

 LU550/TSSには、標準で専用のキーボードが付属する。LaVie Tab Wに付属するキーボード同様に、キーボード後方に用意された溝にタブレット本体を立てかけて利用するタイプのものとなっている。タブレット下部側面とキーボード後部溝に用意される専用端子で接続され、ワイヤレスでの利用には対応しない。

 キーボード後部の溝にタブレット本体を装着すると、ぐらつくことなくしっかり固定され、膝の上に置いても不安なく利用できる。また、液晶を下にしてキーボードと水平に装着することで、ノートPCを畳んだような状態で持ち運んだり、液晶面を上にして水平に装着することでタブレットドックとして利用することも可能。ただし、タブレットを立てかけて利用する場合に、タブレットの角度を調節することは不可能。このあたりの仕様は、LaVie Tab Wの専用キーボードとほぼ同等だ。

 LU550/TSSのキーボードには、左側面にUSB 2.0ポートが新たに用意された。LU550/TSS本体にはUSB 3.0ポートが1ポートのみしか用意されず、複数のUSB機器を同時に利用する場合などやや不便だが、キーボードと併用すれば手軽に複数のUSB機器を同時に利用できる。また、右側面には付属のデジタイザペンを収納するスペースも用意される。

 キーボードは、キーの間隔の開いたアイソレーションタイプのキーボードとなっている。主要キーのピッチは18.5mmと余裕がある。Enterキー付近の一部キーのピッチがわずかに狭くなっているが、気になるほどではない。ストロークは1.8mmと深く、クリック感もしっかりしている。配列も特に気になる部分はない。キーボードの使い勝手はかなり優れ、利便性は薄型ノートPCのキーボードを完全に凌駕していると感じる。

 タッチパッドは、クリックボタン一体型で、縦の幅がやや狭くなっている。それでも、LaVie Tab Wのキーボードに用意されているタッチパッドよりは縦が広くなっており、それほど使いにくいとは感じなかった。

 このようにキーボードやタッチパッドの利便性は申し分ないが、サイズと重量はやや気になる。キーボードのサイズは、301.4×215.7×26.4mm(幅×奥行き×高さ)。仕様上、タブレット本体のフットプリントよりも奥行きが長くなるのはしかたがないが、できればもう少し薄いと嬉しい。また、重量は公称で約560g、実測では550.5gと、かなり重い。確かに、タブレットを立てかけても後方に倒れないようにするためには、キーボードにある程度の重量が必要になるが、タブレットと合わせると実測で1,326.5gになってしまう。1kgを切るクラムシェルノートが多数存在することを考えると、やはり重いと言わざるを得ない。可能なら、もう少し軽量化を実現してもらいたいところだ。

標準添付の着脱式キーボード。仕様はLaVie Tab W用キーボードとほぼ同等。フットプリントは301.4×215.7mm(幅×奥行き)とタブレットより奥行きが長い
キーボード後部にはタブレット本体を立てかける溝があり、ここにセットすることでクラムシェルスタイルで利用可能となる
タブレット本体をキーボードにセットした状態。しっかり固定され膝の上でも安定して利用できる
液晶面の角度は調節できず、この角度でのみ利用可能だ
キーボード前方
左側面
後部
右側面
キーボード底面。後部に突起が用意されている
タブレット本体とこのように合体させて持ち運ぶことが可能
キーの配列は特殊な部分がほとんどなく、扱いやすい
主要キーのピッチは18.5mmと十分広く、タッチタイプも問題ない
ストロークは1.8mmと深く、適度な堅さとクリック感で打鍵感も優れる
キーボード手前のタッチパッドはやや横長だがそれほど使いにくいとは感じない
キーボードの重量は実測で550.5gとやや重い

11.6型フルHD液晶を搭載しデジタイザペンが標準添付

 液晶は、1,920×1,080ドット(フルHD)表示に対応する11.6型液晶を採用する。LaVie Tab Wの液晶と比べて、縦の解像度が1,200ドットから1,080ドットに減っているのはやや残念だが、11.6型ならフルHDでも荒いと感じることはなく、大きな不満はない。パネルはIPS方式のため視野角が広く、どの角度から見ても色合いや明るさの変化は少ない。タブレットとして縦で使う場合でも、液晶の見え方に違和感はない。パネル表面が光沢処理のため、外光の映り込みは気になるものの、発色は十分に鮮やかで、液晶表示品質に不満は少ない。

 タッチパネルは、10点マルチタッチ対応の静電容量方式タッチパネルに加え、デジタイザにも標準対応し、デジタイザペンが付属する。デジタイザペンの仕様はLaVie Tab Wに付属するものと同等。1,024段階の筆圧検知に対応するとともに、ペン尻には消しゴム機能を備えており、軽快なペン入力が可能となっている。「Note Anytime for NECパーソナルコンピュータ」などのペン入力対応アプリも複数プリインストールされており、購入直後からペンを活用できる点も嬉しい部分だ。

 先ほど紹介したように、デジタイザペンはキーボード右側面に収納可能。本体には収納できないが、キーボードと合わせて安心して持ち運べる。

1,920×1,080ドット(フルHD)表示に対応する11.6型液晶を搭載。IPS方式で視野角が広い
液晶表面は光沢処理のため外光の映り込みは少々気になるが、発色は鮮やかで表示品質に不満はない
LU550/TSSは標準でデジタイザに対応し、1,024段階の筆圧検知に対応するデジタイザペンが付属する
デジタイザペンはペン尻に消しゴム機能を用意
手書き入力アプリも複数プリインストール。付属デジタイザペンで軽快な手書き入力が可能だ
ペンはキーボード右側面に収納できる

スペックは必要十分

 プロセッサは、冒頭でも紹介したようにCore M-5Y71を採用している。Core Mの最新かつ最上位モデルで、第5世代Coreプロセッサと同等のBroadwellアーキテクチャを採用し、高い処理能力と優れた省電力性を両立する点が大きな特徴となる。

 メインメモリはLPDDR3-1600を標準で4GB搭載。増設には非対応だが、デュアルチャネルアクセスに対応する。内蔵ストレージは容量128GBのSSDを採用。特別充実したスペックというわけではないが、必要十分で大きな不満は感じない。

 無線機能は、IEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を標準搭載。センサー類は、加速度センサー、電子コンパス、ジャイロセンサー、照度センサーを搭載。GPSを搭載しない点は少々残念だ。カメラは、約500万画素の背面カメラと約200万画素の前面カメラを搭載する。

 タブレット本体に用意されるポート類は、左側面に電源コネクタ、右側面にMicro HDMI出力、USB 3.0ポート、microSDカードスロット、ヘッドフォン/マイク共用ジャックを備える。USB 3.0が標準サイズのポートとなっている点は、利便性を高める意味で嬉しい配慮だ。また、キーボード左側面には標準サイズのUSB 2.0ポートが用意されるが、こちらはタブレット本体をキーボード後方に立てかけた状態でのみ利用できる。

 物理ボタンは、タブレット上部側面に電源ボタンと画面回転オン/オフスイッチ、右側面にボリュームボタンを備える。Windowsボタンは液晶下部のタッチセンサーとなる。

 従来のLaVieシリーズ同様、付属アプリも豊富にプリインストールされるが、その中で特徴的なアプリが「SmartVision/PLAYER」だ。TV機能搭載の液晶一体型デスクトップPC「VALUESTAR」シリーズと連携し、ネットワーク経由でTV番組や録画番組のリモート視聴を行なえるアプリだ。

 従来までは家庭内などローカルネットワーク内でのリモート視聴に対応していたが、今回のモデルより外出先からインターネット経由でのリモート視聴にも対応となり、より魅力が高まった。外出先からのリモート視聴はTV機能搭載のVALUESTARのみ対応となる点は少々残念だが、該当するVALUESTAR製品を持っているなら非常に魅力的なアプリとなるはずだ。

左側面に角形の電源コネクタを配置
右側面にはMicro HDMI出力、USB 3.0ポート、microSDカードスロット、ヘッドフォン/マイク共用ジャックを配置。ポートはカバーで覆われている。ボリュームボタンもある
上部側面には電源ボタンと画面回転オン/オフスイッチを用意
下部側面には、キーボードとの接点が見える
裏面に有効画素数約500万画素のカメラを搭載する
液晶面には約200万画素のカメラを搭載
裏面下部にステレオスピーカーを搭載。音質はタブレットとして標準的だ
キーボード左側面にはUSB 2.0ポートがある。タブレット本体をセットした状態でのみ利用可能だ
付属のACアダプタは比較的コンパクトで携帯性に優れる
ACアダプタの重量は、付属の電源ケーブル込みで実測223.1gだった
付属アプリ「SmartVision/PLAYER」を利用すれば、DLNA対応機器と連携し、ネットワーク経由でTV番組や録画番組のリモート視聴が可能
TV機能搭載のVALUESTARがあれば、外出先からインターネット経由でTVや録画番組のリモート視聴が可能となる

Core M-5Y10搭載製品を上回る処理能力

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 8 v2.0.282」、「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.4.778」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」の5種類。比較として、レノボの「YOGA 3 Pro」、マイクロソフトの「Surface Pro 3」、レノボの「ThinkPad 10 20C1002PJP」の結果も加えてある。なお、一部ベンチマークテストのバージョンが異なるものがあるため、結果は参考値として見てもらいたい。

 結果を見ると、ほとんどの部分でCore M-5Y70を採用するYOGA 3 Proの結果を上回っていることが分かる。Core M-5Y71は動作クロックが5Y70を上回っているので、ある意味当然の結果とも言えるが、空冷ファンを搭載しないファンレス仕様であることを考えると、かなりの好結果と言えそうだ。

 しかも、Core i5-4300Uを搭載するSurface Pro 3の結果に対しても上回っているものがいくつかある。Surface Pro 3ではベンチマークテストを行なう場合に、プロセッサの温度が高温となりサーマルスロットリングで動作クロックが低下するという現象が頻発していたことが影響し、プロセッサ本来の性能が引き出されていなかったこともある。今回の結果はCore Mの性能の高さとともに、LaVie UはファンレスながらCPUの放熱がしっかり行なわれていることを示しているだろう。高負荷が続くと背面が温かくなるものの、熱いと感じるほどではなかった。また、ベンチマークテスト中にプロセッサの動作クロックをモニターしても、クロック低下の割合は少なかった。短時間の処理能力では、Surface Pro 3の方が優れると思われるが、通常利用時の体感性能はそれほど大きな差はないと言えそうだ。

 また、3D描画能力の高さもなかなかのものだ。Core Mでは、統合グラフィックス機能として、シェーダプロセッサが24基に増強された「HD Graphics 5300」に強化されており、それが優位に作用していると言えそうだ。さすがに最新3Dゲームを快適にプレイできるほどではないが、カジュアルゲーム程度なら十分快適にプレイできるだろう。


LaVie U LU550/TSS YOGA 3 Pro Surface Pro 3 ThinkPad 10 20C1002PJP
CPU Core M-5Y71(1.20/2.90GHz) Core M-5Y70(1.10/2.60GHz) Core i5-4300U(1.90/2.90GHz) Atom Z3795(1.59/2.39GHz)
ビデオチップ Intel HD Graphics 5300 Intel HD Graphics 5300 Inte HD Graphics 4400 Intel HD Graphics
メモリ LPDDR3-1600 4GB LPDDR3-1600 8GB PC3L-12800 DDR3L SDRAM 8GB LPDDR3-1066 4GB
ストレN/Aジ 128GB SSD 512GB SSD 256GB SSD 64GB eMMC
OS Windows 8.1 Update 64bit Windows 8.1 Update 64bit Windows 8.1 Pro Update 64bit Windows 8.1 Pro Update 64bit
PCMark 8 v2.0.282(Surface Pro 3、ThinkPad 10はv2.0.228を使用)
Home Accelarated 3.0 2261 2124 2190 N/A
Creative accelarated 3.0 2472 2786 2540 N/A
Work 2.0 3514 3038 3282 N/A
Storage 4868 4930 4882 N/A
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 4480 3998 4816 2300
Lightweight score 2973 2783 3209 1392
Productivity score 2269 2055 2428 1041
Entertainment score 3146 2673 3107 1548
Creativity score 8040 7811 8691 4266
Computation score 13609 11140 14289 5631
System storage score 5001 5270 5135 3860
Raw system storage score 3965 5318 4015 1501
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A N/A N/A N/A
CPU Score 7662 6601 9081 4632
Memory Score 8327 7318 8446 2983
Graphics Score 2862 2788 N/A 807
HDD Score 41756 46113 38847 13259
3DMark Professional Edition v1.4.828
(YOGA 3 Proはv1.4.778、Surface Pro 3とThinkPad 10はv1.3.708を使用)
Ice Storm 36275 30836 29479 10605
Graphics Score 41190 34632 32413 10207
Physics Score 25589 22286 22387 12284
Ice Storm Extreme 24794 18903 N/A N/A
Graphics Score 24622 18417 N/A N/A
Physics Score 25417 20827 N/A N/A
Ice Storm Unlimited 38617 N/A N/A N/A
Graphics Score 43449 N/A N/A N/A
Physics Score 27798 N/A N/A N/A
Cloud Gate 3593 3046 2791 N/A
Graphics Score 4429 3747 3254 N/A
Physics Score 2164 1842 1864 N/A
Sky Diver 1738 1516 N/A N/A
Graphics Score 1638 1468 N/A N/A
Physics Score 2797 2262 N/A N/A
Combined score 1571 1253 N/A N/A
Fire Strike 464 398 1679 N/A
Graphics Score 516 440 1589 N/A
Physics Score 3058 2533 2672 N/A
Combined score 154 134 1478 N/A
3DMark06 Build 1.2.0 1901
3DMark Score 5160 3832 4288 1387
SM2.0 Score 1812 1543 1881 480
HDR/SM3.0 Score 2191 1409 1376 505
CPU Score 2508 1963 2459 1956

 次にバッテリ駆動時間だ。LaVie Uの公称のバッテリ駆動時間は、JEITAバッテリー動作時間測定法 Ver2.0で約8.0時間、JEITAバッテリー動作時間測定法 Ver1.0で約11.1時間とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、バックライト輝度を40%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約9時間53分の駆動時間を記録した。JEITAバッテリー動作時間測定法 Ver2.0での公称駆動時間を上回る駆動時間で、十分に満足できる結果と言える。これだけの駆動時間なら、1日の外出で持ち出すとしてもACアダプタ不要で安心して利用できるだろう。

利便性重視の2-in-1モバイルとしておすすめ

 LaVie Uは、10.1型液晶搭載の「LaVie Tab W」と同等のコンセプトの着脱式キーボードが付属する2-in-1モバイルだが、液晶を11.6型に大型化するとともに、プロセッサをCore M-5Y71に強化することで、性能面や利便性が大きく向上している。性能的にはUltrabookに匹敵し、大型化により液晶の見やすさやキーボードの操作性が高まったことで、タブレットとしてもノートPCとしても非常に快適に利用できる。

 キーボード利用時に液晶面の角度調節が行なえない点や、拡張性がノートPCに比べてやや低い点など、気になる部分があるのは事実だが、全体的な完成度は十分に高く、ファンレス仕様ながら性能に優れる点も魅力。価格がもう少し安いと、より魅力が高まるとは思うが、利便性に優れる2-in-1モバイルとしてお勧めできる製品だ。

(平澤 寿康)