Hothotレビュー

「デル XPS 13 2-in-1」でIce Lakeを検証

~期待を超える性能でデザインや使い勝手にもさらに磨きがかかった最強2in1

 デルからIntel第10世代Coreプロセッサを搭載したXPS 13 2-in-1が登場した。13.4型かつ狭額縁のパネルを採用し携帯性がさらに高まり、かつXPSのデザインも見物。そしてやはり注目すべきはモバイル向けの第10世代Core。そのなかにはコードネームでIce Lake、Comet Lakeがあるが、XPS 13 2-in-1が採用したのは10nmプロセスのIce Lakeとなっている。

 今回XPS 13 2-in-1の2019年モデルを試用することができたので、要注目の性能などをチェックしていこう。

4コア/8スレッド、Iris Pro GPUを統合したIce Lakeをスリム筐体に搭載

 使い勝手については後述するが、本製品ではやはりIce Lakeの搭載で仕様がどう変わったのか、気になるところだろう。そのあたり内部のスペックとともに紹介していこう。

【表1】XPS 13 2-in-1のスペック
CPU第10世代Core i7/i5/i3
メモリDDR4-3733 8~32GB
ストレージM.2 NVMe SSD 1TB/512GB/256GB
ディスプレイ13.4型液晶ディスプレイ
解像度3,840×2,400/1,920×1,200ドット
OSWindows 10 Pro/Home
バッテリ容量51Whr
汎用ポートThunderbolt 3×2(USB Power Delivery、DisplayPort対応)
カードリーダmicroSDカードスロット
無線機能IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)、Bluetooth 5.0
有線LAN-
WebカメラHD対応
その他Dellプレミアム アクティブペン PN579X対応(オプション)、ステレオスピーカー、音声入出力端子
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)297×207×7~13mm
重量約1.32kg
税別直販価格149,800円から

 評価機のCPUはCore i7-1065G7だ。4コア/8スレッド対応だが15Wという「U」プロセッサ枠のTDPに収まっている。定格は1.3GHzで、Turbo Boost時は最大3.9GHz。

Ice Lake世代のCore i7-1065G7を採油。対応命令セット部分のとおりAVX512Fをサポートする

 Ice LakeではIntelが本格的に量産するものとしては初の10nmプロセスが用いられている。冒頭で紹介したComet Lake、そしてデスクトップPC向けのCoffee Lakeなどは14nmプロセス世代のものだ。ただ、Intelの10nmプロセスは当初の計画から大きく遅れ、その間には本来10nmプロセスで最初に登場するはずだったCanon Lakeもキャンセルされるなど、なかなかうまくはいかなかった。

 そうした難産の末のIce Lakeは、プロセスはシュリンクしたもののコア数は4コアとひかえめ、かと言って動作クロックもそこまで高くはない。じつは第10世代Coreで言えば、同じ15WのComet Lakeは4コア/8スレッドで定格1.9GHz、Turbo Boost最大4.9GHzとより高クロックだ。ただ、Ice Lakeではアーキテクチャが変わり、IPCが向上している。そしてAVX-512もサポートされた。こうした点で性能面の恩恵があると思われる。

 また、統合GPUは第11世代となり、しかもIntel Iris Plus Graphicsを搭載している。Core i7-1065G7が搭載するGT2のEU数は64基でその性能は1TFLOPSを上回ったという。グラフィックス性能で重要なメインメモリに関しても、LPDDR4-3733がサポートされた。第11世代のIris Plus Graphicsに高速なメモリを組み合わせ、従来の内蔵GPUを覆す性能にまで引き上げられた。

高性能なIntel Iris Pro Graphicsを採用

 メモリは先のとおりLPDDR4-3733。GPU-Z上では3,600MHz駆動に見えるが、これがクロック調節されたものなのか、あるいはスペック上3,733MHzでも実機では3,600MHz設定であるのかはそれ以上の情報が得られなかった。

 容量に関しては評価機で16GB。カスタマイズモデルでは32GBモデルも用意される。モバイルノートPCの標準搭載で32GBという選択肢が用意されているのはよい。そして、従来のノートPCであればDDR4-2666止まり、モバイルではDDR3世代が用いられることも多かったので、一般的な用途における性能面での向上も期待できる。

HWiNFOから見たメインメモリ。LPDDR4-3733で16GB

 ストレージはM.2 NVMe SSDが搭載されている。評価機のSSDの容量は512GBで、接続はPCI Express 3.0 x4だった。Ice LakeでもPCI Expressは依然Gen3のままだ。ただ、現状モバイル向けのみのIce Lakeで発熱量の大きいPCI Express 4.0対応SSDはそぐわないだろう。

搭載されていたSSD。PCI Express 3.0 x4接続でNVMeに対応する
シーケンシャルリードが2.3GB/s、同ライトが1.25GB/s。4K Q1T1リードは若干遅めの39.04MB/s、ライトは69.34MB/sなのでまずまず

GPU性能の向上は目覚ましく、このフォームファクタで4コア8スレッド化したCPUも強力

 それでは早速、Ice Lakeを搭載するXPS 13 2-in-1の性能をベンチマーク結果から見ていこう。今回利用したベンチマークソフトは、まずULの「PCMark 10」、MAXON「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」、SiSoftwareの「Sandra」だ。比較用には2017年発売のXPS 13 2-in-1で、Kaby Lake世代のCore i7-7Y75を搭載している。参考までにXPS 13(2019年モデル)の一部スコアも掲載した。

 なお、普段3Dベンチマークとして用いている3DMarkが今回の環境では途中でエラーが生じ計測できなかったので省いている。また、バッテリ系のベンチマークもうまく動作していないようだったのでこちらの省力した。

【表2】今回使用したXPS 13 2-in-1のスペック
CPU第10世代Core i7-1065G7
メモリDDR4-3733 16GB
ストレージM.2 NVMe SSD 512GB
ディスプレイ13.4型液晶ディスプレイ
解像度3,840×2,400ドット
【表3】検証環境
XPS 13 2-in-1(2019)XPS 13 2-n-1(2017)XPS 13(2019)
PCMark 10 v2.0.2115PCMark 10 v1.1.1739
Extended Score3,2971,827-
Essentials9,0896,8768,575
App Start-up Score12,4799,25912,701
Video Conferencing Score7,8975,9127,445
Web Browsing Score7,6215,9406,669
Spreadsheets Score7,9845,9917,702
Productivity7,2064,9436,354
Writing Score6,5044,0795,243
Digital Content Creation3,2801,658-
Photo Editing Score4,8432,0934,251
Rendering and Visualization Score1,859813-
Video Editing Score3,9202,3894,200
Gaming1,488535-
Fire Strike Graphics Score1,925711-
Fire Strike Physics Score6,5513,421-
Fire Strike Combined Score678218-

 まずPCMark 10のExtended TestのOverallスコアは、新モデルが旧モデルの1.8倍の値となった。内訳を見ていくと、4つのシナリオすべて新モデルが大幅に上回っているが、とくに向上幅が大きいのはGamingシナリオで、2.8倍近いスコアの向上が見られた。

 細かなテストで見ても、Graphicsスコアが2.7倍、Physicsスコアが1.9倍、Combinedスコアが3.4倍と、GPU性能、CPU性能、そして双方を高負荷で利用するゲーム性能でも大幅に向上していることがわかる。そのほかGPUを利用するという点では近いDigital Content Creationシナリオもほぼ2倍で、比較的CPU負荷のほうが高いProductivityシナリオも1.5倍近い結果となり良好な結果だ。

 とはいえ、この結果は少なくともCPU性能に関しては公平というわけではない。XPS 13 2-in-1の旧モデルが搭載するCore i7-7Y75は2コア4スレッドでTDPが4.5Wとより低い。旧モデルはこのCPUでファンレス(Kaby Lake世代モデル。2018年発売のAmber Lake世代モデルはファンを搭載)を実現するという選択をしたためだ。そのため、CPU性能の違いはCINEBENCHとSandraでもう少し詳しく調べてみた。

【表5】CINEBENCHとSandraのベンチマーク結果
XPS 13 2-in-1(2019)XPS 13 2-n-1(2017)XPS 13(2019)
CINEBENCH R15
CPU690200740
CPU(Single Core)18570185
CINEBENCH R20
CPU1,660519-
CPU(Single Core)463268-
Sandra 2018 28.69 SP4c プロセッサの性能
Dhrystone 整数 AVX2146.82GIPS47.17GIPS-
Dhrystone Long AVX2147.08GIPS46.69GIPS-
Whetstone 浮動小数点 AVX/FMA83.1GFLOPS30.83GFLOPS-
Whetstone 倍精度 FP64 AVX/FMA71.2GFLOPS26.11GFLOPS-
Sandra 2018 28.69 SP4c メモリ帯域幅
整数 メモリー帯域40.6B/s20.48GB/s-
浮動小数点 メモリー帯域41.2B/s21B/s-

 CINEBENCH R15、R20とも、マルチスレッドのCPUスコアは3倍以上となっている。これは予想どおりなのでシングルスレッドのCPU(Single Core)側に注目してみよう。Core i7-7Y75は定格1.3GHz、Turbo Boost時最大3.6GHzなので、最大クロックとしては300MHz分、Core i7-1065G7に劣る。

 実際には冷却設計なども異なるため要素はそれだけではないものの、新モデルの性能はCINEBENCH R15で2.6倍、CINEBENCH R20で1.7倍だった。これは明らかにクロック差以上と言えるだろう。

 Sandraの「プロセッサの性能」テストも、4つの項目があるがDhrystoneの2つは3.1倍以上、Whetstoneの2つは2.7倍以上のスコアだった。

 Sandraでもう1つテストしたのが「メモリ帯域幅」テスト。旧モデルはLPDDR3-1866を採用しており、これはCore i7-7Y75の仕様上では最大なのだが、どれだけ違うのだろうか。結果は、整数メモリ帯域で新モデルが40.6GB/sに対し旧モデルが20.48GB/s、浮動小数点メモリ帯域で同41.2GB/s対21GB/sだった。わずかに足りないがクロックどおりほぼ2倍と言ってよいだろう。

 CPUのSKUの違いはあるにせよ、同じXPS 13 2-in-1というシリーズ、フォームファクタ内でこれだけ性能が向上していることは大きなポイントと言えるだろう。これでどれだけ生産性が向上するかは明らかだ。

 続いてグラフィック性能を見ていきたい。用いたのはスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」および「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、Wargaming Groupの「World of Tanks Encore」、ユービーアイソフトの「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」だ。

【表6】ゲーム系ベンチマークの結果
XPS 13 2-in-1(2019)XPS 13 2-n-1(2017)
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.51
1,920×1,080ドット最高品質7,0812,924
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
1,280×720ドット高品質(ノートPC)4,5201,466
1,280×720ドット標準品質(デスクトップPC)6,3201,999
World of Tanks Encore
超高3,294789
6,5001,840
最低45,05321,589
Tom Clancy's Rainbow Six Siege
1,280×720ドットすべて低、AAなし75.521.4

 ドラゴンクエストX ベンチマークソフトとファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークで見ると、旧モデルのスコアは低く、「やや重い」や「設定変更が必要/推奨」と評価されるものだったが、新モデルは「快適」や「とても快適」と評価される結果が得られた。ファイナルファンタジーXIV側はHD解像度、1,280×720ドットに落としているが、十分に快適に楽しめるのは心強い。

 そしてWorld of Tanks Encoreも超高、中の2つのプリセットで旧モデルでは「許容可能な結果」という最低限の評価だったところが、新モデルでは「良好な結果」と評価されるまで向上した。実際、かなりなめらかな描画が得られている。

 そしてeスポーツタイトルとしても人気の高いRainbow Six Siege。1,280×720ドット、設定項目のすべてをもっとも低いものとし、アンチエイリアスもオフでのテストだが、60fpsを上回るスコアが得られている。同じ設定でも旧モデルでは21.4fpsとプレイするにはキビシイ状態だった。

 ファンが搭載されたこともあり、クラムシェルモードではベンチマーク中もキーボード面に猛烈な熱さを感じるようなことはなかった。じわっとくる熱さといった印象。発熱はキーボード部分の中心寄りから放射状で、PCMark 10実行中にFLIR ONEから計測した値では最大47.5℃だった。

床部分など青い部分は29.4℃、パームレストなど緑~黄色部分は30℃台半ば、赤~白のキーボード部分は40℃台半ば~後半で最大47.5℃

Intel「Project Athena」製品でもある最先端デザインはスリム&コンパクト

 続いて本体のデザインや使い勝手について見ていく。XPSは同社の「最高を目指す設計」のPCに用いられるブランドネームになっている。実際、XPS 13 2-in-1は薄さ、軽さ、小ささ、妥協のない設計と所有欲を刺激するデザインをした製品だ。XPSらしさを生み出したこのデザインには好感が持てる。

 天板および底面など外装はアルミのシルバー、そして液晶パネルのベゼルやキーボードはカーボンのブラックという2色のカラーリングだ。

天板、底面はシルバーで、キーボード面のブラックとのツートンカラー

 クラムシェルで液晶パネルを閉じた状態のサイズは296.4×207.4×6.94~13.1mm。13.4型パネルを採用しているが、300mmを切る幅に、最厚部でも13.1mmというスリムさはほかの13.3型級ノートと比べてもコンパクトでスリムさが感じられるだろう。

 今回は旧モデル(2017年発売で2世代古いKaby Lake搭載モデル)もお借りできたので並べてみたが、そこでも進化を感じられるコンパクト化だ。旧モデルは幅が304.2mmあり、7.8mmほど短くなった。厚みも、8.2~13.7mmから6.94~13.1mmへと、最薄部・最厚部ともスリム化をはたしている。

旧モデルと比べて幅は7.8mmコンパクトに
旧モデルから厚みは最薄部で1.2mm少々、最厚部も0.6mmほどスリム化。側面デザインも変更された

 奥行きに関しては旧モデルの198.5mmから新モデルでは207.4mmへと8.9mm長くなったが、これは旧モデルが16:9の13.3型、新モデルが16:10の13.4型と、パネル自体が変更されていることの影響もある。ただ、タブレットモードにもなる本製品の場合、16:9と16:10でどちらがより適しているのかという点も考慮する必要があり、タブレットでより好まれるのは16:10と言われている。電子書籍などを閲覧するさい、16:9比よりも16:10比のほうがオリジナルに多少近づくからだ。

新モデル(左)は旧モデルより奥行きが若干長くなった

 重量は1.33kg。見た目ではコンパクトだが、数値上では案外重さがある。モバイルノートPCの枠ではやや重めだが、デルのモバイルPCのこれまでを振り返っても、そこまで軽さを追求してきたわけではなく、モバイル向けとしてギリギリの許容範囲なのではないかと思われる。ただ、旧モデルは1.24kgだったので、0.09kg増加したことは事実。この点は少し残念だ。

重量は実測値で1.32kg

色味の良い4K液晶を搭載。狭額縁もきわまっている

 13.4型液晶ディスプレイのアスペクト比は16:10。解像度は1,920×1,200ドットまたは3,840×2,400ドットとなる。今回お借りしたのは後者。WLEDバックライトを採用し、タブレットでは標準的な光沢加工が施されたパネルだ。スペックではDCI-P3が90%、1,500:1のコントラスト比、Dolby Vision認定、そして輝度が500cd/平方m。SDRとされているが色味はとてもよく感じられた。

液晶パネルはタブレットモードもある点でやや光沢かつ視野角・色味がよい

 タブレットにもなるのでタッチ対応は当然。オプションのDell プレミアム アクティブ ペンを利用すれば4,096段階の感圧性を利用したペン入力も可能になる。

10点タッチに対応

 旧モデルも狭額縁だったが、新モデルはさらに狭額化している。わかりやすいのが左右側面の外装部分の厚みだ。コンマ数mmだが細められ、旧モデルで感じたこの部分の存在感が和らいでいる。上部に関しては、ベゼル幅はほぼ同じのようだ。先のとおり外装部分は薄くなっているが、新モデルは上部ベゼル内にWebカメラを内蔵しており、ここで差し引きゼロになっていると思われる。旧モデルは下部ベゼルに内蔵されており、使用時には下から上を見上げる映像になっていたが、上部ベゼル内なら鼻の穴や顎の下のたるみが気にならない。

ベゼルのヘリの部分がスリム化されさらに狭額縁に
スリムな上部ベゼル内にWebカメラを内蔵
旧モデルでは上部ベゼル内に収められず下部ベゼルに搭載されている

360度回転式ヒンジでさまざまなモードに対応

 2in1ノートなので、クラムシェルからビュー/テント/タブレットモードと、シーンに応じて最適な形状に切り換えられる。ヒンジは本体側、液晶パネル側の2箇所に軸を設けたタイプ。クラムシェルからほぼフラットになるまでの間を本体側を軸とし、さらに開いていくと液晶パネル側が軸になっている。

 そのため、パネルを開くと液晶パネルが本来のイメージよりも少し遠く、少し低い位置になる。そしてさらに開いていくと、天板の底部分が床に当たり、本体後部を押し上げることになる。この点も考慮されており、ヒンジの床に当たる部分にはしっかりゴムが装着されているので傷の心配は不要だ。

クラムシェルのほか、タブレット、テント、ビューに変形できる
一定の角度を超えるとヒンジの角が床につき、本体側を押し上げチルト角がつく

 底面にはゴム脚が付いており、タブレットモード時でもこれでできる隙間でエアフローが確保される。旧モデルはファンレスだったが、新モデルではファンを搭載。底面の後ろ寄りと左右の3カ所にフィルタ付きの給排気口らしい構造が確認できる。

 また、タブレットモードにしたさい、新モデルのほうが旧モデルよりも扱いやすく感じられた。1つは先に挙げたようにパネルの比率によるもので、もう1つはタブレットモード時に裏面となるキーボード面の感触の違いだ。じつは新モデルのほうがキーの飛び出しが低く、ストロークも浅い。キーボード面全体のへこみが小さいため、キーにふれたさいに段差を感じにくく、キー押してしまってもストロークが浅いために違和感を和らげているようだ。

前後に幅広のゴム脚を設け、給排気口はタブレットモード時でも塞がれない部分に配置
タブレットモード時にはゴム脚によってわずかな空間ができ放熱を助ける
フラット感の高いキーボードは、タブレットモード時にふれても違和感を抑える

前モデルからキーボードの配列が変更

 キーボードは新旧モデルで大きく変わったところでもある。新モデルはさらに幅がせまくなったことで左右ギリギリまで利用したデザイン。旧モデルはまだ多少左右に余裕をもっていた。ただそれは、全角/半角、Tab、CapsLockといった左端のキー、「@」、「{」、「*」、「}」、「Enter」といった右端のキーの幅をせばめることで実現していたものだ。そのため新モデルのほうがキーの大きさに関しては余裕がある。

一部Fnキーと併用するものはあるが配列はクセがなく、主要なキーのピッチが統一されている
旧モデルのキーボードは左右に余裕がある一方、左右端のキーはやや幅狭
上が新モデル。右上に電源/指紋センサーが設けられたほか、主要なキーのピッチが統一された

 2019年版のXPS 13 2-in-1では、「ESC」から「F1」~「F12」といった最上段は配列が変わった。大きな変化は右端で、新モデルは電源ボタン/指紋認証センサーをここに配置している。このため「Delete」キーがEnter直上ではなく1つズレており、ここを考慮する必要があるだろう。

 さて、ストロークの浅さとフラットなキー。タブレットモード時の違和感を抑える効果があったのだが、クラムシェルとしてキーボード入力を行なうときには少し物足りなさを感じるかもしれない。

 ほかのノートPCを見渡せば似たようなキータッチのものはあるので、このモデルにかぎったことではない。とはいえ、新旧を比較するとストロークの浅さは物足りなさを感じ、すぐに底を打つ。それを補うために反発力が高めになっているようだが、全体的にこのタイピング感は慣れを要すると思われる。また、フラットに近いため、指先の感触でキーを判別するさいに多少敏感になる必要がある。

キーピッチは約19mm程度
キーストロークはかなり浅め
タッチパネルはかなり大きい。旧モデルと比べても縦が広がり操作しやすい印象だ

Thunderbolt 3を2基搭載、無線LANはIEEE 802.11axに対応

 インターフェイスは、USB Type-C形状のThunderbolt 3ポートが左右1基ずつと、microSDカードスロット、3.5mmマイク/ヘッドフォン兼用端子のみだ。USB 3.1 Type-CではなくThunderbolt 3となったのは、Ice LakeでモジュールがCPU側に統合されたためだ。もちろんUSB Type-C機器を接続することもできる。

インターフェイスは左右にThunderbolt 3(CPU内蔵)が各1、そしてmicroSDカードリーダと3.5mmヘッドフォン/マイクジャックのみ

 よい点は、左右のThunderbolt 3端子がともにUSB PD(Power Delivery)となった点。旧モデルは左側のみがThunderbolt 3/充電対応で、もう一方は充電非対応のUSB 3.1 Type-Cだった。新モデルで左右どちらからでも充電可能となり、オフィスと自宅の机、ホテルの机の違いなど柔軟に配線できるようになったところは便利だ。

 ただし端子数は少ない。microSDカードリーダがあるのはよいが、Thunderbolt 3が2基に3.5mmジャックというのはMacBook Airと同じ。しかも片方のThunderbolt 3を充電に使えば、残るは1ポートのみである。まだオフィスにはUSB Type-A機器も多い。本製品の場合は有線LANもない。そうした点で、Thunderbolt 3/USB Type-CのHubやドック、変換アダプタなどが必須となるのではないだろうか。

USB Type-C→Type-A変換アダプタが1つ付属する。ACアダプタは非常にコンパクト。ACアダプタにつなぐ電源ケーブル側が3極だったりやや太かったりするが比較的持ち歩きやすい。
500円玉と比べてもわかるとおりACアダプタはかなり小型
ケーブルはやや太め
ACアダプタとケーブルで実測234g

 無線LANに関しては、Ice Lake世代となったことで「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」に対応した。従来までの「Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)」よりも帯域が拡大し、Killer 1650sチップによって最大2,400Mbpsに対応する。まだWi-Fi 6対応ルーター/対応アクセスポイントは潤沢と言えないが、海外メーカーを中心にじょじょに、そして国内メーカーからもいくつか登場しはじめた。そしてスマートフォンでもじょじょに対応しはじめているので、本製品導入を機に無線LAN環境を見直すのもよいだろう。また、Bluetooth 5も搭載している。

Wi-Fi 6に対応しており高速な次世代無線LANに備える

Ice Lakeによって大幅に高性能化をはたし、「XPS」にふさわしい1台が誕生

 新しいXPS 13 2-in-1は、デザイン、サイズなど大きなリフレッシュを行ない、携帯性や2in1としての基本性能に磨きをかけた。そこにIce Lake世代の性能が加わり、ベンチマークで見たとおりの十分な性能、そしてそれ以外にもWi-Fi 6対応による高速な無線LANによる快適さも考慮すれば、生産性が一段二段と高まっているように見えた。

 比較対象がkaby Lake世代のYプロセッサということでより向上幅が大きく見えているところもあるが、2018年のAmber Lake世代もCore i7-8500Yモデルでコア数は2コア/4スレッド、Turbo Booste時の最大クロックは4.2GHzと高いがGPUはIntel UHD Graphics 615だったので、全体的な性能バランスはIce Lake世代で大きく引き上げられたと言えるだろう。

 デルのフラグシップシリーズと言えるXPSであるし、評価機の構成ではCore i7を採用しているとあって価格はやや高めとなっているが、価格に見合った性能と機能、デザインを手にすることができる満足度の高い製品と評価したい。