Hothotレビュー

価格がこなれたいまこそ再評価すべき2in1「Surface Go」

マイクロソフト「Surface Go」。69,984円より

 日本マイクロソフトは8月28日、10型ディスプレイを搭載した2in1「Surface Go」の販売を開始した。10.6型のSurface RT/Surface 2、10.8型のSurface 3より小さなディスプレイで、歴代Surfaceシリーズのなかでもっとも小型・軽量なモデルだ。現在はWi-Fiモデルのみが販売されているが、2018年内にLTEモデルも発売が予定されている。

 製品発売後となってしまったが、日本マイクロソフトより8GBメモリ/128GB SSDを搭載する上位モデルを借用できたので、本製品の詳細レビューをお届けしよう。

上位モデルが75,000円を切っている通販サイトも登場

 まずはおさらいから。現時点でSurface Goには2モデルが存在する。CPUは「Intel Pentium Gold Processor 4415Y」(1.60GHz、2コア4スレッド)のみで、メモリ4GB/ストレージ64GB eMMCドライブを搭載する下位モデル(69,984円)、メモリ8GB/ストレージ128GB SSDを搭載する上位モデル(89,424円)というラインナップだ。

 ディスプレイは「PixelSense」を冠した10型液晶。解像度は1,800×1,200ドット(217ppi)で、比率は3:2。輝度、色域などは公表されていないが、コントラスト比のみ1,500:1と製品公式サイトに記載されている。表面は、強化ガラス「Corning Gorilla Glass 3」で保護されている。

ディスプレイ面
裏面
本体上面。左から電源ボタン、音量ボタンが配置
本体底面。中央にはSurfaceタイプカバーポートがある。接点の数がSurface Proの6つから8つに増えており、タイプカバーに互換性はない
本体右側面。左からUSB Type-C、3.5mm音声出力、Surface Connectポートが用意されている
本体左側面には端子、ボタン類はない

 通信機能はIEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1をサポート。前述の通りLTEモデルは2018年内に発売される予定だ。

 OSは「Windows 10(Sモード)」がプリインストールされており、Microsoft Storeで提供されているアプリのみをインストールできる。Microsoft Storeから「Sモードをオフにする」を適用すれば、OSが「Windows 10 Home」に切り替わり、Microsoft Store外のデスクトップアプリをインストール可能となるが、一度Sモードをオフにするともとに戻せない。たとえSurface Goを初期化しても、Windows 10 Home適用済みで起動される。

OSは「Windows 10(Sモード)」がプリインストールされているが、Sモードをオフにして、Windows 10 Homeに切り替えられる

 日本国内向けモデルには、賛否が分かれているが「Office Home & Business 2016」が含まれており、もちろん価格にも上乗せされている。どうしてもOfficeなしモデルがほしいのなら、法人向け(57,024円~)、教育機関向け(51,624円~)を購入しよう。

 同梱物は、Surface Go本体、「24W電源アダプター」、クイックスタートガイド、安全性および保証に関するドキュメント、保証書、「Office Home & Business 2016 プロダクトキー」のみ。「Surfaceペン」(12,744円)、「Surface Go タイプカバー」(12,744円)は別売りだ。

 ホイール型デバイス「Surface Dial」は利用可能だが、置いた画面上の周囲にメニューを表示する「ダイヤルオンスクリーン」機能はサポートされていない。そのため画面のどこに置いても、円形メニューは画面中央に表示される。

 Surface GoをSurfaceペンとSurface Go タイプカバーとセットで購入した場合、下位モデルは合計で95,472円、上位モデルは合計で114,912円となる。上位モデルが本体のみで75,000円を切っている通販サイトも登場しているので (9月14日時点)、購入時には複数の通販サイトをチェックすることを強くお勧めする。

パッケージ表面
パッケージ裏面
同梱物は、Surface Go本体、24W電源アダプタ、クイックスタートガイド、安全性および保証に関するドキュメント、保証書、Office Home & Business 2016 プロダクトキー
24W電源アダプター。ケーブルの長さは実測約180cm
24W電源アダプターの仕様は、入力100-240V/0.6A、出力15V/1.6A。容量は24W
Surface Connectポートではなく、USB Type-C経由でも充電が可能
【表1】Surface Goのモデル一覧※9月14日調べ
OSWindows 10(S モード)※Sモードは解除可能
CPUIntel Pentium Gold Processor 4415Y(1.60GHz、2コア4スレッド)
GPUIntel HD Graphics 615(350~850MHz)
メモリLPDDR3-1866 4GBLPDDR3-1866 8GB
ストレージ64GB eMMC128GB SSD
ディスプレイ10型液晶(1,800×1,200ドット、217ppi、縦横比3:2、輝度非公表、コントラスト比1,500:1、色域非公表、10点マルチタッチ、光沢、Corning Gorilla Glass 3)
通信IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1
インターフェイスUSB Type-C、音声出力、Surface Connectポート、Surfaceタイプカバーポート、microSDXCカードリーダ
カメラ800万画素オートフォーカス付き背面カメラ、500万画素前面カメラ
セキュリティWindows Hello顔認証カメラ(赤外線カメラ)
SIMカードスロットなし
バッテリ容量Design Capacity:26,128mWh、Full Charge Capacity:27,009mWh(Battery reportで計測)
バッテリ駆動時間最大9時間の動画再生
バッテリ充電時間非公表
本体サイズ/重量245×175×8.3mm(幅×奥行き×高さ)/約522g
ペン別売り(Surfaceペン)
Microsoft OfficeOffice Home & Business 2016
カラーシルバー
価格69,984円89,424円
Surface Go本体の実測重量は約522.5g
24W電源アダプタの実測重量は約139.3g
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1803適用後、初期状態に戻したさいのCドライブの空き容量は95.49GB
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは26,128mWh、FULL CHARGE CAPACITYは27,009mWhと表示された

Surface Proよりも249gも軽く軽快に持ち歩ける

 米国で399ドルからという低価格で販売されているSurface Goだが、質感は「Surface Pro」と同等で、ケースにはシルバー色のマグネシウムが採用されている。ただしディスプレイのベゼルが実測約17mmとかなり太めなので、正面から見ると野暮ったさがある。

 本体サイズは245×175×8.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約522g。Surface Proよりも249gも軽いので(Core m3モデルと比較)、軽快に取り扱える。筆者の感覚では1時間ぐらい片手で持ったままでも、とくにつらく感じることはなかった。

 インターフェイスは、USB Type-C、3.5mm音声出力、Surface Connectポート、Surfaceタイプカバーポート、microSDXCカードリーダを装備。USB Type-CはUSB 3.0対応だが、充電も可能。モバイルバッテリやサードパーティー製USB充電器でも充電できるのは便利だ。

 キックスタンドのヒンジは外観を見た限りはSurface Proと同じ構造のようで、最大角度も165度と同一だ。もちろん無段階に調整できるマルチアングル仕様となっている。

キックスタンドを開くと、本体側にモデルナンバー、ストレージ容量、シリアルナンバーが記載されている
キックスタンド側には認証情報が記載されている
キックスタンドは無段階に最大165度まで開ける
キックスタンドのヒンジは外観を見た限りはSurface Proと同じ構造のようだ
キックスタンドを開くとmicroSDXCスロットが現われる。

 生体認証システムはこれまたSurface Proと同様にWindows Helloに対応した顔認証カメラ(赤外線カメラ)を搭載。パスワード入力せずにWindowsにログインできる。ただしSurface Proなどで利用できる指紋認証センサー付きタイプカバーは、Surface Go用には用意されていない。

ディスプレイ上部には、顔認証カメラ(赤外線カメラ)、500万画素前面カメラ、ステータスランプ、マイク、環境光センサーが埋め込まれている
背面上部には、800万画素オートフォーカス付き背面カメラ、ステータスランプが内蔵されている
顔認証カメラ(赤外線カメラ)への登録は7秒前後で完了する。眼鏡を利用している場合は、装着状態、未装着状態の両方を登録しておけば、どちらでもスムーズにロック解除可能になる

自由にカラーコーディネートできるアクセサリ

 Surface Goの専用アクセサリとしては、「Surface Go タイプカバー」(ブラック/ブラック(英字配列)、12,744円)、「Surface Go Signature タイプカバー」(プラチナ/コバルトブルー/バーガンディ、16,632円)が用意されている。

 日本で販売されている英字配列のタイプカバーはブラックのみ。ほかの色の英字配列キーボードがほしいのなら海外通販を利用しよう。タイプカバーは有線接続なので、日本でも問題なく利用可能だ。

今回はSurface Go本体とともに、「Surface Go タイプカバー」(ブラック)、「Surfaceペン」(シルバー)、「Surfaceモバイルマウス」(グレー)を借用した。なおSurface用アクセサリは同じ「灰色」に対して、プラチナ、シルバー、グレーと異なる色の名前が使用されていてややこしい
日本語キーボードレイアウトのSurface Go タイプカバー
英語キーボードレイアウトのSurface Go Signature タイプカバー。「`」以外の文字キーが等幅に揃えられており、スペースキー、エンターキーの横幅も広くて打ちやすい
Surface Go タイプカバーの実測重量は約245.6g

 スタイラスは新しい「Surfaceペン」(シルバー/コバルトブルー/バーガンディ/ブラック/アクアブルー(限定販売)、12,744円)に対応している。Surfaceペンには交換用のペン先キット「Surfaceペン先」が販売されているが、標準のペン先としてHBが装着されている。

シルバー色のSurfaceペン。新型は従来のSurfaceペンに存在したクリップが省かれている。側面とノック部にボタンがある構成は変わらない
標準のペン先としてはHBが装着されている。なお上の写真のペン先キットは旧モデル。現行のペン先キット「Surfaceペン先」は2H、HB、Bで構成されている
Surfaceペンの実測重量は約20.4g

 このほかにも、Surface Goの発売に合わせて「Surfaceモバイルマウス」(グレー/バーガンディ/コバルトブルー/ブラック(法人のみ)、4104円)、「24W電源アダプター」(5,832円)、「USB-C - USB 3.0 アダプター」(2,592円)、「USB-C DisplayPort アダプター」(5,832円)、「USB-C - Ethernet / USB 3.0 アダプター」(5,832円)なども販売開始された。

グレー色のSurfaceモバイルマウス。ホイールボタンが装備されている
Surfaceモバイルマウスの裏面。Bluetooth接続するさいには裏面のボタンを長押しする。裏面のパネルを開けると、単4電池2本が現われる
Surfaceモバイルマウスの実測重量は約79g

 自由にカラーコーディネートできるという点ではタイプカバー、Surfaceペンが別売になっているのは納得できる。しかし比較的安価なSurface Goの周辺機器としては相対的に高く感じる。他社製2in1では同梱販売されていることが多いので、せめて本体と一緒に買う場合には値引き、キャッシュバックなどを用意してほしい。

Surface Go本体、Surface Go タイプカバー、Surfaceペン、Surfaceモバイルマウス、24W 電源アダプターの合計重量は実測1007g

Surface Proと同様に4,096段階の筆圧感知、傾き検知を利用可能

 2in1であるSurface Goは、タブレットスタイル、クラムシェルスタイル、スタンドスタイル、キックスタンドを大きく開いた「スタジオモード」など、用途に合わせてさまざまなスタイルで利用できる。

 約522gと軽量な本製品は純粋なタブレットPCとしても快適に利用でき、タイプカバーを装着しても実測768.5gと非常に軽い。

タブレット、クラムシェル、スタンド、キックスタンドを大きく開いた「スタジオモード」などさまざまなスタイルで利用できる

 タイプカバーは単なるキーボードとして見ても上質。Surface Pro用と比べても遜色ない。タイプカバーはヒンジ側を持ち上げることで打ちやすいように傾斜をつけられ、その状態でタイピングしても適度なたわみが心地よいクッションとして機能する。

 キーストロークは浅く、キーピッチは実測17mm前後とSurface Proより狭められているが打鍵感は悪くない。打鍵音はスペースキー、エンターキーはやや大きいが、文字キーは低めに抑えられている。ほんの少し軽めのタイピングを心がければ、よほど静かな場所でなければ周囲の迷惑にはならないはずだ。

タイプカバーはヒンジ側を持ち上げることで打ちやすいように傾斜をつけられる
キーピッチは実測17mm前後
キーピッチはSurface Proの19mm前後より狭いが、手の大きな筆者でもすぐにタッチタイプできるようになった
タッチパッドは実測約99×56mmと十分な広さで、3本指ジェスチャーでも狭さは感じない
キーボードバックライトは消灯含めて4段階に調整可能

 新型のSurfaceペンは、4,096段階の筆圧感知、傾き検知、「実質的に時間差なし」と製品公式サイトで表現されている低遅延で利用できる。

 Surfaceペン自体の使い勝手に不満はない。標準で装着されているHB相当のペン先には適度な摩擦感が与えられており、まるでアナログ筆記具のような書き味を得られる。個人的には硬いペン先の「Apple Pencil」より断然好みだ。

 ただし交換用の「Surfaceペン先」(2,592円)が2H、HB、Bの組み合わせでしか入手できず、1つのペン先しか使わないのなら残り2つが無駄になる点はいただけない。HB、Bの柔らかいペン先をイラスト用などに使っていると減りが非常に早いはず。同じ硬さのペン先もセット販売することを強く望みたい。

Surfaceペンに標準で装着されているHB相当のペン先は、適度な摩擦感でアナログ筆記具のような書き味を得られる
Surfaceペンを使うと、機能アイコンの上にも描線が表示される。Surface Proと同様に、CPUを介さずにディスプレイに直接描画し、そのあとに計算された線を再描画することで低遅延を実現している
対応アプリでは傾き検知機能を利用できる
Surfaceペンは左側面に磁力で固定可能。右側面にも取り付けられるが、磁力がやや弱い
Surface Go タイプカバーでタイピングしたさいの様子を録画した。音量は環境によって異なるので、音の大きさの差、音質のみを参考にしてほしい
Surfaceペンで描画する様子を録画した。描画の遅延はSurface Proと同レベルで、描線の遅れは5mm前後に収まっている

安価でもディスプレイ、サウンド、カメラ品質は高レベル

 Surface Goには、解像度1,800×1,200ドットの10型液晶ディスプレイが採用されている。「Adobe Premiere Pro CC」など一部アプリケーションでウインドウのすべてが表示できないことがあるが、スケーリングを標準の「150%」から「125%」または「100%」に設定すれば回避できる。

 ディスプレイの輝度、色域は公表されていないが、ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認したところ、最大輝度は実測382cd/平方m、sRGBカバー率が97.5%、sRGB比が100.9%、Adobe RGBカバー率が72.6%、Adobe RGB比が74.8%という結果が出た。広色域を売りにしているディスプレイには及ばないが、6万円台から購入可能な2in1としては十分な広さだ。

 なお、カラープロファイルをColorACにインポートするさいに「注意:このICCプロファイルのLUT Blackにクリップ(値が飽和)の可能性が見られます」という警告が表示されたので、色域が正確でない可能性がある。今回の結果は参考に留めてほしい。

10型液晶ディスプレイの解像度は1,800×1,200ドット。ディスプレイのスケーリングは「150%」、ブラウザーの表示サイズは「100%」に設定されている。上の写真のモアレは実際には見えない
ディスプレイの発色はやや暖色寄りだが、気になるほど極端ではない。上の写真のモアレは実際には見えない
sRGBカバー率は97.5%、sRGB比は100.9%
Adobe RGBカバー率は72.6%、Adobe RGB比は74.8%
「HDRビデオのストリーミング」はグレーアウトしておりオンにできない

 サウンド面についてはボリューム自体がしょうしょう小さいものの、高音から低音までバランスよく出ており、ボディサイズからするとかなり健闘しているというのが率直な感想だ。

 部屋全体で聞くオーディオプレイヤーとしては物足りないが、少なくとも目の前でミュージックビデオや映画などを鑑賞するなら十分なクオリティを備えている。

ステレオスピーカーはディスプレイ前面左右に埋め込まれている
YouTubeで公開されている「前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大76.1dBA(50cmの距離で測定)

 カメラ画質は最近のスマートフォンにスペックは及ばないが、実際の色に比較的忠実に撮影できる。レンズはリア、前面ともにf/2.0と明るいが、イメージセンサーの感度が低いようで暗所ではかなりノイズが目立ち、また夜景はそもそもほとんど写らない。

 しかし、一定の光量を得られればメモ代わりどころかSNS投稿用、プリント用にも利用できる画質だ。安価なSurface Goに高価なレンズ、イメージセンサーは使われていないだろうが、画像処理ソフトウェアはひじょうに丁寧に仕上げられているようだ。

背面カメラで撮影。焦点距離:3.57mm、シャッタースピード:0.030s(1/33)、F値:f/2.0、ISO感度:393、露出モード:Program(auto)、測光方式:Spot
背面カメラで撮影。焦点距離:3.57mm、シャッタースピード:0.042s(1/24)、F値:f/2.0、ISO感度:1288、露出モード: Program(auto)、測光方式:Average
正面からLED照明を当てながら、前面カメラで撮影。焦点距離:2.71mm、シャッタースピード:0.030s(1/33)、F値:f/2.0、ISO感度:210、露出モード:Program(auto)、測光方式:Average

気になるベンチマークスコアは

 最後にSurface Goのベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1739」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.5.5029」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
  • ゲーミングPCベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.1」
  • バッテリベンチマーク「BBench」で連続動作時間を計測
  • バッテリベンチマーク「BBench」で充電時間を計測

 なお比較対象としては、平澤寿康氏が計測したSurface Proのベンチマークスコアの一部を掲載している。下記が検証機の仕様と、その結果だ。

【表2】検証機の仕様
Surface GoSurface Pro
CPUIntel Pentium Gold Processor 4415Y(1.60GHz、2コア4スレッド)Core i7-7660U(2.50~4.00GHz、2コア4スレッド)
GPUIntel HD Graphics 615(350~850MHz)Intel Iris Plus Graphics 640(300MHz~1.10GHz)
メモリLPDDR3-1866 SDRAM 8GBLPDDR3-1866 SDRAM 16GB
ストレージ128GB SSD(NVMe PCIe)512GB SSD(NVMe PCIe)
OSWindows 10 Home 64bit※Sモードは解除済みWindows 10 Pro 64bit
サイズ245×175×8.3mm(幅×奥行き×高さ)292×201×8.5mm(幅×奥行き×高さ)
重量約522g約782g
ディスプレイ10型、1,800×1,200ドット(217ppi)12.3型、2736×1824ドット(267dpi)
【表3】ベンチマーク結果
PCMark 10 v1.1.1739
PCMark 10 Score18523530
Essentials45216715
App Start-up Score42409160
Video Conferencing Score50235298
Web Browsing Score43396241
Productivity28786210
Spreadsheets Score34677591
Writing Score23905081
Digital Content Creation13272864
Photo Editing Score16443541
Rendering and Visualization Score8271741
Video Editting Score17203811
3DMark v2.5.5029
Time Spy302502
Fire Strike Ultra211
Fire Strike Extreme376
Fire Strike798
Sky Diver30375103
Cloud Gate43108642
Ice Storm Extreme31322
Ice Storm39488
CINEBENCH R15.0
OpenGL31.67 fps65.46 fps
CPU162 cb417 cb
CPU(Single Core)65 cb157 cb
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット3240
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン564(動作困難)
SSDをCrystalDiskMark 6.0.1で計測
Q32T1 シーケンシャルリード1091.454 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト130.828 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード205.782 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト82.811 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード119.376 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト95.857 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード23.558 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト38.061 MB/s
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス)
バッテリ残量5%まで7時間34分50秒
BBenchにより充電時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:最も高いパフォーマンス)
バッテリ残量5%から100%まで2時間14分30秒

 Surface Goの処理性能は決して高くはない。たとえば「CINEBENCH R15.0」のCPUスコアは162 cb。これはCore i7-7660Uを搭載するSurface Proのシングルコアとほぼ同等のスコアだ。

 グラフィック性能は現在の基準と照らすと、最新ゲームをプレイするには厳しいレベルだ。ただし「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」では「動作困難」と判定されたが、2011年にリリースされた「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」は、ストレスなくプレイできるレベルで動作した。3Dゲームでも過去作を選んだり、画質設定をギリギリまで下げれば楽しめそうだ。

 ストレージ128GBの借用機には東芝製のNVMe PCIe接続SSD「KBG30ZPZ128G」が搭載されており、Q32T1シーケンシャルリードで1,091.454MB/sを記録した。3,000MB/s超えの最新NVMe PCIe接続SSDには及ばないが、低消費電力、省実装スペースを優先した選択なのだろう。

 Surface Goには冷却ファンが搭載されていないので発熱が心配だったが、高負荷時のディスプレイ面の最大温度は45.4℃、背面の最大温度は45.2℃に留まった。

 また、発熱が高い場所も、赤外線サーモグラフィーカメラの画像を見ていただければわかるとおり、上部中央に集中している。そこを避ければ側面側の表面温度は35度前後なので、高負荷時に手持ちするさいの参考にしてほしい。

CINEBENCH R15のCPUを連続で5回実行したさいのディスプレイ面の最大温度は45.4℃
背面の最大温度は45.2℃
キックスタンドを上げて表面温度を計測したところ、キックスタンドに隠れている部分は極端に熱がこもっていなかった。発熱が多い部品は上半分に集中しているわけだ
ACアダプタの最大温度は42.1℃

価格が落ち着いてきたいまこそ購入のチャンス

 Officeが同梱されて、RAM4GB/64GB eMMCモデルが69,984円、RAM8GB/128GB SSDモデルが89,424円という価格は、Surfaceペン、タイプカバーを含めると手頃には感じない。実は筆者は個人的にSurface Goを購入しているが、サブスクリプション版Officeを利用しているので、正直なところOfficeなしモデルをほしかった。

 しかし安価なSurfaceではなく、歴代最小のSurfaceとして見れば、Surface Goの評価はがらりと変わる。タブレットPCとしてもノートPCとしても軽さは最大のアドバンテージだ。それでいてOfficeは十分快適に利用できるし、動画の書き出しはさすがに厳しいものの、「Adobe Photoshop CC」などでのレタッチは十分実用レベル。マイクロソフトの2in1のメインストリームが、Surface ProではなくSurface Goになってほしいと思ったぐらいだ。

 冒頭でお伝えしたとおり、Surface Goは上位モデルで75,000円を切っている通販サイトも登場してきている。価格が落ち着いてきたいまこそ、改めて購入を検討してみてはいかがだろうか。