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櫻場 浩氏 |
アップルコンピュータ株式会社は12月2日、「Mac OS 9」のマルチリンガル機能のブリーフィングを行なった。Mac OS 9は10月30日に発売されたMacintoshの最新OSだが、Sherlock2や、マルチユーザー機能、声紋認証などの機能が注目され、多言語対応については取り上げられることは少ない。アップル自身も「Mac OS 9の9つの知力」の中に含めていない上、カタログの特徴の欄でも一番下に置いている。
実際ほとんどのユーザーは、日本語と英語が扱えれば支障がないだろうが、言語を研究している人や、外国語の辞書や本の編集に携わっている人、日本語や英語以外でメールをやり取りする人にとっては、多言語対応がどうしても必要となる。しかし、今までMac OS上で多言語を扱う場合には、別途各言語用の「Language Kit」を購入しなければならなかった。Language Kitは中国語やハングル文字などいわゆる2バイト系言語は各30,000円、アラビア語、キリル文字など1バイト系言語は各24,000円と決して安くはない。
それが、Mac OS 9では12,800円のパッケージにそれらのLanguage Kitが標準で含まれており、多言語対応を必要とする人にとっては非常にリーズナブルとなっている。つまりMac OS 9だけ購入すれば、各種言語の表示や入力、多言語が混在した文書が作成でき、Sherlock2で各言語によるWebの検索も可能となる。
■パネルディスカッション
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| 左から森氏、岡本氏（韓国語、ハングル）、小原氏（ロシア語）、関根氏（アラビア／ヘブライ語、西欧言語全般） |
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| 実際に日本語、韓国語混じりの文書を作成。ハングルから漢字への変換も可能だ |
各パネラーともMac OS 9以前より、Language Kitを使用して専門の言語を扱っており、今回のMac OS 9でもまったく問題なく、多言語混在文書の作成、プリントアウトができていると口をそろえた。また、いずれのパネラーもWindowsも使用しているが、Windowsでは多言語を混在使用することは、元から諦めて各国語版のWindowsを切り替えて使用しているという状況を語った。関根氏にいたっては、「Windowsでは各言語用にHDDを12個持っている。キーボードもそれぞれ用意している」という。
こういった状況を岡本氏は「WindowsもIEなどで多言語対応を進めているが、Mac OSはその半歩先を行っている」とした。ただし、各国とも現地ではWindows陣営が大半を占めているため、Webページがマイクロソフトの「FrontPage」で作成されていることが多い。しかし、FrontPageで作成すると、勝手にfontタグが入ってしまい、Netscape Communicatorなどでは、文字がうまく表示されないという問題が、各言語で発生することも指摘された。
小原氏と関根氏は「Mac OS 9では、言語が混在したデータをソートできることが特に便利」と語り、「Windows版のExcelでは言語が混在していると、思ったようにソートできない」とその優位性を強調した。ただし、Mac OS 9の多言語サポートを最大限に活用するためには、アプリケーション側がWorldScriptに対応している必要がある。この点で、たとえば、アラビア語などの右から左に筆記する言語では、現地語版のIllustratorで作成したデータを、日本語版のIllustratorで開くと文字反転するといった事がおこる。各パネラーとも、「より一層のサードパーティ側の対応が進んで欲しい。アップル側からもサードパーティへ対応を勧めてもらいたい」と要望を述べた。
□アップルのホームページ
http://www.apple.co.jp/
□「Mac OS 9」の製品情報
http://www.apple.co.jp/macos/index.html
□岡本氏のホームページ
http://fweb.midi.co.jp/~mokmt/
□小原氏のホームページ
http://www.asahi-net.or.jp/~ir4n-khr/
□関根氏のホームページ
http://www.sekine.nerima.tokyo.jp/
□関連記事
【10月7日】新iMacとiBookは10月16日に、Mac OS 9は10月30日に発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991007/apple.htm
('99年12月2日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]